音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年01月29日
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テーマ: Jazz(1967)
カテゴリ: ジャズ
アレンジと演奏が光る有名ミュージカル楽曲集


 オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)は、1925年(ということは、和暦だとまだ大正時代!)、カナダのモントリオール出身(ってことは、まだカナダはイギリスの自治領だった時代!)で、2007年に没したジャズ・ピアニストである。このピアノ奏者の特徴は、抜群のスウィング感を伝えることの巧さと、それを支える高度な演奏技術だったと言える。

 本盤『ウェスト・サイド・ストーリー(West Side Story)』は、1962年に吹き込まれたもので、表題の通り、1957年初演のミュージカル『ウエストサイド物語』の楽曲を取り上げたものだが、原曲のメロディや雰囲気をうまく残しつつジャズ演奏としてのアレンジがなされている。演奏力の高さは折り紙つきで、定番のトリオ(ピーターソンのピアノに加え、レイ・ブラウンのベースにエド・シグペンのドラムスというトリオ)での演奏である。

 個人的な好みに基づいていくつかの曲について触れておきたい。筆者の独断と偏見では、1.「何か起こりそう」と6.「アイ・フィール・プリティ」が、ベストの2曲で、次いで4.「トゥナイト」だろうか。その一方、3.「ジェット・ソング」や5.「マリア」にも注目したい。これらは、さりげなく収録曲に含まれているが、アレンジも演奏もきっと難しかったのではないかと想像する。その上で、自然な流れの中でそれらをこうして演奏しているのは、演奏力の高さは当然ながら、アレンジ段階での段取りのよさが効果を発揮しているのだろうと思う。

 余談ながら、世にはオスカー・ピーターソンのピアノ演奏に馴染めないという人もいるらしい。個人的には、その技術的精度の高さがひょっとしてその障壁になっているのではないかと思う。このピアノ奏者は圧倒的にテクニックがハイレベルで、その意味では“聴いて疲れる”ピアニストとも言える。日本では昔から現在に至るまで、様々な形でピアノ・トリオ盤がもてはやされることが多いけれど、そんじょそこらの軟いピアノも重宝される中で、やはりこういう圧倒的なのも(毎回だと疲れるかもしれないけれど)時に聴きたい気分にさせてくれる。筆者にとってのオスカー・ピーターソンにはそんな側面もあるような気がしてならない。


[収録曲]

1. Something's Coming
2. Somewhere
3. Jet Song
4. Tonight
5. Maria
6. I Feel Pretty
7. Reprise


[パーソネル、録音]

Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Ed Thigpen (ds)

1962年1月24・25日録音。




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【輸入盤CD】Oscar Peterson / West Side Story 【K2016/8/26発売】(オスカー・ピーターソン)




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Last updated  2022年01月29日 12時42分31秒
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