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2005/07/05
テーマ： ミステリはお好き？(1498)
カテゴリ： 読んだ本（ミステリ・海外）
カドフェルシリーズを通じて，スティーブン王と女帝モードの対立は重要な背景になります。
カドフェルシリーズに興味のない方は，イギリスの「お手軽版・プランタジネット朝前夜史」としてお読みください。
１ スティーブンはなぜ王か。
「死体が多すぎる」 の「時」1138年に先立つ1135年，先王ヘンリー１世（征服王ウィリアムの３男）が死ぬと，その甥スティーブンはそれまでいたフランスからとっととイギリスに渡り，ウェストミンスター寺院で 戴冠 を受ける。
これで「正式」なイングランド王スティーブンの誕生。
イングランド各地の貴族はスティーブンに臣従を誓わざるを得ない。
２ マティルダが王位を主張。
スティーブンの王位を，ヘンリー１世の娘マティルダ（モードのこと）が否定。自分こそが王になるべきだと主張した。
主張の根拠は次の ３ だが，これによって，イングランドはスティーブンにつく勢力，マティルダにつく勢力，その他漁夫の利をねらう勢力に分かれ，内戦状態になる。
３ ウィリアムの死と王位継承の約束。
1120年，ヘンリー１世の１人息子ウィリアムが海難事故で死亡。
1127年，１人娘マティルダを次の王として指名し，スティーブンを含めた貴族たちに，その実現を約束させた。
1135年，ヘンリー１世は自分の娘が王になるものと信じて死んだ（多分）。ちなみに，このときまで，ヘンリー１世は甥のスティーブンを非常にかわいがっていた（らしい）。
２・３のまとめ
「女は王にできない」という声も背景に王位についたスティーブンに対し，スティーブンの行為はウィリアム１世に対する裏切りだとマティルダが王位を主張するにおよび，イングランドの貴族のうち，ウィリアム１世への誓いを神聖なものとして，マティルダこそ王になるべきだとの勢力が出てくる。
どちらにも正義あり，というより， どっちもどっち という感じである。
そもそも，マティルダがフランスにぐずぐずしていないで，先王の死後とっととイングランドにきて戴冠を受ければ「内戦」にはならなかったろうが，当時の夫がフランス国内の勢力伸長に夢中という「家庭の事情」もあったようだ。
その２ に続きます。
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――――――――――
「カドフェルシリーズ」についてのこれまでの記事
「死体が多すぎる」 ウェールズとイングランド 修道院ってどんなとこ？ 「聖女の遺骨求む」
新しいテーマ ナルニア年代記 ！！ よろしければ，こちらのテーマをご利用ください。
カドフェルシリーズに興味のない方は，イギリスの「お手軽版・プランタジネット朝前夜史」としてお読みください。
１ スティーブンはなぜ王か。
「死体が多すぎる」 の「時」1138年に先立つ1135年，先王ヘンリー１世（征服王ウィリアムの３男）が死ぬと，その甥スティーブンはそれまでいたフランスからとっととイギリスに渡り，ウェストミンスター寺院で 戴冠 を受ける。
これで「正式」なイングランド王スティーブンの誕生。
イングランド各地の貴族はスティーブンに臣従を誓わざるを得ない。
２ マティルダが王位を主張。
スティーブンの王位を，ヘンリー１世の娘マティルダ（モードのこと）が否定。自分こそが王になるべきだと主張した。
主張の根拠は次の ３ だが，これによって，イングランドはスティーブンにつく勢力，マティルダにつく勢力，その他漁夫の利をねらう勢力に分かれ，内戦状態になる。
３ ウィリアムの死と王位継承の約束。
1120年，ヘンリー１世の１人息子ウィリアムが海難事故で死亡。
1127年，１人娘マティルダを次の王として指名し，スティーブンを含めた貴族たちに，その実現を約束させた。
1135年，ヘンリー１世は自分の娘が王になるものと信じて死んだ（多分）。ちなみに，このときまで，ヘンリー１世は甥のスティーブンを非常にかわいがっていた（らしい）。
２・３のまとめ
「女は王にできない」という声も背景に王位についたスティーブンに対し，スティーブンの行為はウィリアム１世に対する裏切りだとマティルダが王位を主張するにおよび，イングランドの貴族のうち，ウィリアム１世への誓いを神聖なものとして，マティルダこそ王になるべきだとの勢力が出てくる。
どちらにも正義あり，というより， どっちもどっち という感じである。
そもそも，マティルダがフランスにぐずぐずしていないで，先王の死後とっととイングランドにきて戴冠を受ければ「内戦」にはならなかったろうが，当時の夫がフランス国内の勢力伸長に夢中という「家庭の事情」もあったようだ。
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2005/07/05 07:37:46 PM
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