森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.01.23
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高良興生院に入院していた人で色弱の人がいた。

長身で色白の好青年だったが、軽い色弱で悩んでいた。
君の気になることはといわれると、彼は慌てて言葉を制し、「それを言わないでくれ、それを聞くと僕はダメになってしまう」と、この世の末を見たような情けない声を出し、「ああ、もう駄目だ」と言って畳の上にパタンと崩れ落ちたという。
彼は軽い色弱を、全人格の欠陥のように考えて、人生に絶望しているのである。

私も赤緑色弱で、色盲検査の数字が読めないで友達から不思議がられ、ショックを受けたことがある。
だから彼の気持ちはよく分かる。

どうして我々は部分的弱点を絶対視して大げさに考えるのだろう。私は次のように考えます。

私たちは強い優越欲求を持っています。ここに原因があります。他人よりもすべての面で、少しで優れているという「快」の感情に浸っていたいという気持ちがあります。快の感情をずっと継続して、「安心」を得たいという気持ちです。実際は不可能なことですが、不可能を可能にできると思っているのです。

するとわずかな自分の容姿の欠点、健康上の問題、家族の抱えた問題、自分の能力の見劣り、貧乏であるなどということがもし現実につきつけられると、とても我慢ができなくなるのです。不快感のためにとても居心地が悪いのです。そして精神交互作用で、失望や絶望の淵に立たされるのです。

そうならないために、欠点や弱点、問題点をなんとか人から隠そうとするのです。隠せないと逃げるようになります。終いには欠点はあってもかまわないけど、人に見つけられ指摘されるのは我慢できないと思うようになります。
人に見つけられて、非難されたり、指摘されたりすると、たちまち立ち直れないほど傷ついてしまうのです。それを一番恐れているのです。
また自己防衛が強くバリアを張りますから、人は容易に近かづかなくなります。ますます人から遠ざかります。

森田学習をすると、色弱であることはどうすることもできない。受け入れることしかできない。と考える事ができるようになります。ここが大事な出発点となります。

そのように自分を認めることができれば、色弱では向かない仕事と、色弱でもできる仕事を分けて考えることができます。。
理科の教師、分析化学のような仕事、航空管制や医師、電車の運転手、パイロットなど色の識別をするような仕事は無理かもしれません。でもそれ以外のことは大丈夫です。
自分のできることの中から、運命を切り開いてゆくことができるようになります。そのことを境遇に柔順のなるというのです。








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Last updated  2013.01.23 21:12:26
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