森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.01.26
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子供も巣立ち、定年を迎えた夫に妻が、離婚を切り出すことがあるという。
夫にとっては青天の霹靂で、なんで今更。「おまえがそんなことを考えていたなんて
考えてもみなかった」という言葉が出てくるそうです。
奥さんは年金を分割して、退職金も半分ずつにして自分の人生をもう一度やり直した
いと思っているのです。

こういう家庭は亭主関白だったのではないでしょうか。
旦那は「かくあるべし」で奥さんをあごで使い、奥さんの話は、新聞やテレビを
見ながら聞き流す。旦那は自分の好きなように、お金を使い、時間を使い、楽しん
できたのです。そのつけが表面化してきたのです。

これを森田理論の感情の面から考えてみましょう。
よくオーナーワンマン社長で部下を虫けらのように扱い、罵詈雑言を浴びせる人がいます。
部下は辞めさせられると困るので、黙って社長の言うことに従います。
ところがそんな扱いを受けると、部下は不平不満をどんどん蓄積していくのです。
ところが、ワンマン社長にしてみると、素直に従ってくれたので何も問題は起きて
いないと思ってしまう。このままでも部下はどこまでもついてくると思ってしまう。

そういうことが重なると、たまに部下が切れそうになっても、反省するということはなく、
無頓着に見逃してしまう。つまり、部下の感性は感じられない人間になってしまっ
ているのです。一方部下のほうは、腹立たしさを我慢したり耐えたりしているうちに、
痛みに対して鈍感になり、麻酔をかけたように感性が鈍ってきます。

ところが、表面では何事もなかったように見えても、無意識の感性の中では憎しみ
が積み重なり、恨みへと変わっていきます。
さらにはけ口がないと、諦めに代わってきます。さめた人間に代わってしまうのです。

これは無意識の中で起きていることで、表面的には穏やかなので、はっきりとは気づきません。
ワンマン社長がそういう社員を見ると、オドオドして怯えているように見えるのです。
そうするとますますいびり倒すことに拍車がかかってしまう。その悪循環の繰り返しです。

しかしいったん諦観者が、反旗を翻すと恐ろしいことになります。
感情的にその場限りの反抗では終わりません。
執念深く、徹底的に相手を打ちのめすまで冷徹な復讐を行います。

夫婦の離婚問題は、このような二人の人間関係が長らく続けられてきたということです。
溝は深く修復は難しいと思います。却って、普段から自分の気持ち、感情をお互い
にぶっつけあっていたほうが、雨降って地固まるように、夫婦のきずなは深まるのでは
ないでしょうか。

それほど感情は大切なものです。感情は押さえつけたり、いい加減に扱ってよいもの
ではありません。最優遇対応で取り扱うべきものです。無くてはならない大切なものです。

私は「感情取扱主任技術者」の国家試験を設けてもいいぐらいに思っています。
それもレベルによって3段階ぐらいに分かれると思っています。
それに合格した人が、結婚して親になったり、あるいはリーダーとして人をまとめる
仕事に就くべきだと信じています。
リーダーというのは、やりたいという意志と素質があるかどうかが重要です。
そうでない場合、自分も部下たちも苦渋の葛藤を抱えることになります。





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Last updated  2014.01.26 08:48:55
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