森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.03.07
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金子みすずさんに「光のかご」という詩があります。

わたしはいまね、小鳥なの。

夏の木のかげ、光のかごに、

みえないだれかにかわれてて

知っているだけうたうたう、

わたしはかわいい小鳥なの。

光のかごはやぶれるの、

ぱっとはねさえひろげたら。

だけどわたしは、おとなしく、

かごにかわれうたってる、

心やさしい小鳥なの。

この詩は、悲しい詩ですね。また自分のことを言われているようです。
金子さん自身も26歳で自殺されているが、この詩を見ると「かくあるべし」で身動きできない状態で苦しまれていたのではないでしょうか。

私も物心ついたときから親に叱られたり、脅されて育てられてきた。
そのうち親の言動に怯えるようになってきた。いつも親の言動ばかりに注意が向いていた。
そして自分の気持ちを抑圧するようになった。
しだいに自分の素直な感情を表現したり、自分の気持ちを主張できなくなった。
そのうち親だけではなく、世間からの「見捨てられ不安」にも絶えず怯えて、他人の思惑を過度に気にかけながら生活するようになった。

自分の感情、五感の感覚、気持ち、気分、思い、体の感覚、欲求、意志、希望を大切にして考え行動していきたいと思いながらも、どうしても他人の思惑に翻弄されてしまうようになってきた。思えばつらい人生だった。

金子みすずには「わたしと小鳥とすず」という詩もある。

わたしが両手をひろげても、

お空はちっともとべないが、

とべる小鳥はわたしのように、

地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、

きれいな音はでないけど、

あの鳴るすずはわたしのように

たくさんのうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、

みんなちがって、みんないい。

「みんなちがって、みんないい」という言葉は素敵な言葉ですね。
競争社会、能力社会で常に人を出し抜くことばかり考えている現代では考えられない考え方です。
金子みすずは、みんなそれぞれの個性を発揮して生きていく唯我独尊の世界を目指していたのだろう。





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Last updated  2016.03.07 06:56:33
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