森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.06.22
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対人恐怖症の人で、他人から軽蔑される。無視される。からかわれる。毛嫌いされる。
馬鹿にされる。非難される。否定される。
これらに耐えきれないという人がいます。
そういう事があると、すぐにその人のことが嫌いになる。
すぐに破れかぶれになり反発する人もいます。
我慢して耐える人も心中穏やかではありません。
そのことや言った人にとらわれて、気分が悪くなります。
夜眠れなくなります。どんどん落ち込み、精神が不安定になります。
胃がキリキリと痛むようにもなります。

これは別に対人恐怖症の人だけではありません。
自分のことを批判し、否定されると誰でも傷つきますし腹が立ちます。
対人恐怖症の人との違いは、人間関係の考え方とその後の対応方法にあります。

安倍首相の国会論争を見ていると、野党議員は事あるごとに反発しています。
時には政治とは関係のない私生活のことを取り上げて攻撃されることもあります。
非難、否定、中傷のオンパレードですから気分の良かろうはずはありません。
しかし民主政治というのは、自分が攻撃のやり玉に挙げられるは苦しいけれども、対立関係を受け入れることでしか成立しえないという事を理解しておられるのだろうと思います。

もしそれが嫌なら独裁国家を築いていけばよいのです。
独裁国家というのは支配者が、縦横無尽に一般国民をコントロールするやり方です。
一般国民は自由が制限されます。言論の自由、思索する自由、選択の自由、決断の自由、行動の自由はないのです。自由と平等の獲得の歴史から見ると時代錯誤も甚だしいと言えます。

人間関係も同じです。2人の人間が一緒に生活していると、考え方や行動の違いがあるのが当たり前のことです。それを認めるか、認めないかでその後の展開が大きく違ってきます。

他人の考え方や行動は自然現象と同じで、コントロール不可能という事を理解する必要があります。台風や豪雨が発生すれば、それが通り過ぎ、収まるのを待つしかないのです。
コントロール不可能というものに戦いを挑む人はいませんね。
あえて挑戦する人は最後には自滅してしまうのです。愚かなことです。

人間関係は2人の人に好かれているとすると、2人の人には嫌われている。
そして残り6人の人は好きでも嫌いでもないという関係にある。
そういうバランスの上に人間関係が成り立っているといわれます。

対人恐怖の人は好きな人は当たり前と思って、注意や意識を向けていない。
無関心になっています。
反対に嫌いな人に対しては、放っておけばよいのに、あまりにも肩入れしすぎている。
やり方が逆になっているのです。

ちなみに好きの反対は嫌いでしょうという人が多いのですが、好きと嫌いはコインの裏表の関係にあります。つまり好きは嫌いに、嫌いは好きに一瞬で裏返ってしまうものです。
かわいさ余って憎さ百倍などと言います。またボーダーラインといわれる人格障害の人は、あれ程過大に褒め称えていた人でも、些細なことをきっかけにして誹謗中傷を繰り返す人に変身するのです。好き嫌いが表裏一体とすると、その反対語は無関心といわれています。
この無関心というのは犬も食わない代物なのです。

嫌いな人がいたら、その人とは森田理論の「不即不離」を応用して、距離をとることをお勧めします。遠巻きに眺めておくことです。反対に好きな人や好きでも嫌いでもない人と交流を図ることです。そのためには、濃厚な人間関係を少しだけ築いているという考え方は改めた方がよい。
広く薄い人間関係を普段から築き上げておくことをお勧めします。
親、配偶者、子供、親戚、友達、集談会の仲間、趣味の仲間、飲み友達、カラオケの仲間、会社、同級生などに広げておくことです。
その時その場に応じて、付き合う仲間がどんどん変わってくるというイメージです。

そして多くの人に好かれたいと思ったら、誰もができないでっかいことをやり遂げて注目を浴びることを目指すことはハードルが高い。
それよりは小さなことで人の役に立つことや喜びそうなことをたくさん積み重ねて信頼感を高めていくように努力する方がよいと思います。





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Last updated  2020.06.22 23:56:49
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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