森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.08.20
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少し前の話ですが、娘夫婦が孫を連れて我が家にやってきました。
近くの森林公園に昆虫館があるので、さっそく出かけました。
男の子の孫はカブトムシが気にったようです。その後売店に立ち寄りました。
そこでカブトムシのおもちゃを見つけました。今すぐにどうしても欲しいというのです。
父親はおもちゃよりも本物の生きたカブトムシの方がよいといってそのおもちゃを買うことをあきらめさせようとしました。孫はその後すぐに生きたカブトムシを買ってもらえると思ったようです。ところがまたいつかという話になり、その後1時間近く泣きわめいていました。
根負けしてとうとう近くのホームセンターで買うことになりました。

こういうことはよく目にします。
幼児がスーパーのお菓子売り場で、「これ買って」とお母さんを困らせている光景を目にすることがあります。泣きわめいてフロアーに体をこすりつけて自分の意志を押し通そうとしています。特に男の子はエスカレートしやすい。
親からしてみると人目もあって気が気ではありません。
可愛い我が子とはいえ、「ダメ、ダメ」と叱り飛ばし、時には「どうしてお母さんの言うことが聞けないの」と叩いたりします。そして「もう買い物には連れてこないからね。それでもいいの」とダメ押ししています。

私はそういう子供は、むしろ意志が強くねばり強いと思います。
その特徴をうまく伸ばせてやれば、少しぐらいの障害物を乗り越えて挑戦する立派な大人になるかもしれません。
いつも否定していると、そのうちに挑戦をあきらめてしまう子供になる可能性が大です。

でも現実問題も無視できません。こんな時は森田理論を応用してみたいものです。
森田では、「かくあるべし」を押し付けないで、相手の目線に立って話しすることをお勧めしています。

例えば、スーパーでの「このお菓子が欲しい」が始まった時は次のようになります。
「これを食べてみたいのだね」「うん」
「どうして食べてみたいと思ったの」
「この前○○ちゃんが食べてたのを見ておいしそうだったから」
「そう。○○ちゃんが食べていたのをみて自分も食べてみたいと思ったのね。その気持ちはよく分かったよ」
ここで肝心なことは、子供がどうして食べたいと思ったのか、 子供の気持ちに寄り添うことが大切です。子どもは自分の気持ちを聞いてもらえたということで、少し安心します。

そのうえで、「今日は別のお菓子を買ったでしょ。そのお菓子もあなたの選んだものよね。二つも一緒には買えないけど、どちらにしたいの」
このように話しすれば、「分かった、前のでいい」とか「こっちにする」とか返答するでしょう。こういうやり取りをすることが肝心です。
大人の世界でいえば話し合いをするということです。

いつも一方的に親のやり方を押し通すと、子供のやる気の芽を前もって摘んでしまうことになります。いつも子どもの気持ちや意志を叶えていると、放縦児を作り出してしまいます。
まず子供の気持ちに寄り添って素直に聞いてみる。
そして、子供に親の気持ちを伝える。
交渉の過程で、時には親が根負けすることもあるでしょう。
これは子供にどんな困難なことがあっても「自分の意志を押し通す」という教育になります。
時には、頑固一徹で親の意思を押し通すことがあるかもしれません。
その時は、子供は、いつも自分の思い通りにならないことがあるものだという体験ができます。
いつもどちらかが一方的に主導権を発揮していることは問題だと思います。
譲ったり譲られたりの関係が自由自在に行われることが大切になります。
こんな親子の関係を維持することで、子供は人間関係の距離感を会得していくのです。





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Last updated  2024.04.07 20:49:04
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