森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.04.09
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稲盛和夫氏は京セラのほか、第二電々を立ち上げられました。
いずれも日本を代表する企業に成長させました。
その他、JALの再建を託され、見事に東証一部に再上場させました。
まさに経営の神様のような仕事ぶりでした。

普通会社を立ち上げるときは、会社の売り上げをどんどん伸ばす。
従業員を増やして規模が大きくなることを目指します。

稲盛和夫氏は、ゆるぎない企業理念を持っておられますが、そこが少し違っています。 まず手掛ける事業が世の中に必要とされているかどうかを見極められている。
第二電電(KDDI)を立ち上げるときは、日本ではアメリカに比べると通信料金がべらぼうに高かった。それは電々公社(NTT)が通信事業を独占していたからです。
NTTが独占してしまうと、利用料金が高くなる。サービスの質が落ちてくる。
その結果国民は不利益を被る。

JALの再建を引き受けたときは、JALがなくなると大手航空会社は、全日空だけになってしまう。
航空業界が一社独占というのは、国民の利益につながらない。
またJALは多くの従業員を抱えており、清算するとすべての社員を解雇することになる。雇用を守ることが社会的使命と考えられた。

次に 会社の存在意義は、社員の物心両面の幸せをもたらすためにある といわれる。決して会社は株主だけのためにあるのではないと言われている。
その理念を忘れないために、京セラフィロソフィーというのを大切にされている。これを全従業に携帯させているという。

・心をベースとして経営する
・原理原則に従う
・ベクトルを合わせる
・感謝の気持ちを持つ
・利他の心を判断基準にする
・人間の可能性を追求する


これを参考にして、JALの当時の社長や幹部たちに経営哲学、存在意義などをまとめてもらった。そしてJALフィロソフィーとしてまとめた。

最終的にまとまったものは、
JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、
1、お客様に最高のサービスを提供します。
2、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。


このJALフィロソフィーをみた公認会計士、弁護士、管財人の人たちから、「もっと何か格調高い目的や理念があってもよいと思いますが、たったそれだけですか」と言われました。

稲盛さんは、「それだけでいいんです。働く従業員が、心から幸せだと思わなかったら、会社はうまくいくはずはありません。目的やきれいごとをいっぱい並べたてたものがありますが、空事みたいで、自分には関係のないことが書かれていたりします。 一番大事なことは、社員がこの会社で働けてよかったと思ってくれることです。 そうすれば企業価値は上がり、株価もそれを反映していく。 すべての原点は、社員が幸福だと思える状態を作ることであり、それ以外ないはずです 」とお答えしました。

稲盛和夫氏の経営哲学には、森田理論の「物の性を尽くす」がしっかりと貫徹されているように思われます。この場合は「人の性を尽くす」ということです。
全社員に居場所や活躍の場を提供して、存在価値や能力を存分に発揮してもらうという考え方は、経営の神様といわれる稲盛和夫氏の組織運営のコツだったようです。





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Last updated  2023.04.10 23:24:20
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