森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.02.14
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カテゴリ: 物の性を尽くす
森田理論のなかに ​「休息は仕事の中止ではなく仕事の転換にある」​​ というのがあります。

集談会でこの考え方はおかしいという話が出ました。
過剰に行動すると、身体に疲れがたまり悪影響が出るということでした。
自己内省的な人が行動すれば、意識が外向的になり、症状が軽快することは分かっているが、ハツカネズミが一日中糸車を回すようなやり方は考えものだ。
自分を叱咤激励して行動力をつけようとするのは如何なものか。
疲れたら休むようにした方がよいと言われました。

ごもっともな話だと思いました。
精神科の先生からは、うつ病の人はエネルギーが切れている状態だから、行動力をつけるよりも安静にして休ませないといけないと聞きました。
そして薬物療法を第一選択肢とする。
つまりうつ病の人に性急に森田療法を適応してはならないということでした。

それでは「休息は仕事の中止ではなく仕事の転換にある」という指針は意味がないものなのか。
私は森田先生が訴えたいことは別なことだと思う。

森田理論に「物の性を尽くす」というのがあります。
これはそのものが持っている価値、潜在能力を見つけ出して、居場所や活躍の場を与えて、命ある限りとことん活かし尽くすということです。
森田先生のところでは、風呂の残り水をすぐに捨てないで、雑巾がけに使う。
打ち水に使う。植木や花や野菜にやるというエピソードが有名です。
これは物だけではなく、己、他人、時間、お金の性を尽くすことにもつながります。

時間については限られた時間を有意義に活用した方がよいということになります。神経質性格者は頭でいつまでも考えてばかりで、なかなか取り掛からない。
しかし一旦とりかかると弾みがついて、今度は坂道を転がる雪だるまのように止めることができなくなります。

このような時間の使い方は弊害が出てきます。
一つのことにいつまでも関わっているとそのうち飽きてしまう。
次にやるべきことが用意されていないと暇を持て余すようになります。
神経質性格者の場合は自己内省をするようになります。
また特定の部位を使いつづけるとその部分に疲労がたまり苦痛になってくるという側面もあります。
これらを解消するためには、「休息は仕事の中止ではなく仕事の転換にある」という考え方は理にかなっています。

これを活用して30分おきに手掛ける仕事を変えているという人がいました。
頭を使う仕事をしたら、今度は身体を動かす仕事に変える。
すばらしい心がけだと思います。
大学の授業は90分ですが、それは人間の脳はそれ以上集中できないようになっているからだという話を聞きました。





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Last updated  2024.04.08 11:12:25
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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