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この前「ゴジラ-1.0/C」を観てきた。映像はモノクロにしたことによりゴジラの凄味や、戦後の荒れ果てた街の様子などが、かえってリアルに感じられた。ただ、デジタル処理の分解能が足りないのか、細部がつぶれがちなところがあるのが惜しかった。1回目は伊福部の音楽にばっかり気をとられていたのだが、今回観たときに、佐藤直紀の音楽がいいことに気が付いた。通常の歌は一切なく、殆ど弦主体の音楽だが、スケールが大きく、荒涼とした風景が見えるようで、映像によく合っていた。帰宅してからspotifyでサウンド・トラックを聴いていたのだが、音が貧弱なので、ロスレスをいつものpresto musicからダウンロードした。例によって24bit192Hzへアップ・コンバートしての試聴。キッチンで珈琲の焙煎をしながらワイヤレス・スピーカーで流していた時もその迫力に度肝を抜かれたが、コンポで聴くと迫力は何倍にも増している。最初の「Fear」からスケールが巨大で、実に恐ろしい音楽が展開される。殆ど弦の曲が多いのだが、高音を多用していて、それが澄み切った空気を感じさせる。モノクロを観ていた時に気が付いたが、音楽の厳しさと清澄さが、映像の説得力を倍加させている。金管の咆哮や低音がゴジラの邪悪さをこれでもかと感じさせ、実に恐ろしい。一番気にいったのは「pain」。タイトル通り聴き手に痛みを感じさせるような虚無的な音楽で、弦の不協和音が不気味だ。次の「Resolutio」も大迫力で、音楽としては最も説得力がある。弦が高音で同じモチーフを執拗に繰り返す、ミニマル・ミュージックのような音楽。中間部に入ると管のコラール風な旋律が出て壮大な展開をする。トランペットのあたりを切り裂くようなハイトーンのモチーフが鮮烈。打楽器の一撃と共に出る合唱が、これまた大迫力。6曲目の「eregy」も弦の高音が痛切に響く。女声のアカペラと混成合唱が入る「Pray」も、後半の慰めに満ちた弦楽と共に、心にグサッと突き刺さる。多分、伊福部の音楽は組曲という形で3つに分かれて収録されている。伊福部の音楽は音が古臭いが、昔のアレンジそのままなのだろうか。その意図を知りたいところだ。普通の歌などはなく、殆ど効果音に終始しているので、映画を観てから聞くのがいいと思う。分離が甘いが、迫力だけはオーディオ・マニアを満足させるようなクオリティだと思う。特に「Fear」などで出てくる重低音は、オーディオ装置で聴かなければ、味わえないだろう。Godzilla Minus One (Original Motion Picture Soundtrack) (Milan G010005157608Q)16bit 44.1kHz Flac佐藤直紀:1.Fear2.Portent3.Confusion4.Godzilla Suite I5.Divine6.Elegy7.Mission8.Hope9.Honor10.Pride11.Pain12.Resolution13.Godzilla Suite II14.Unscathe15.Last16.Pray17.Godzilla Suite Ⅲ
2024年01月31日
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先日取り上げたアル・フォスターのアルバムと同じprostudiomastersでのSmoke Sessionsの50%OFFのセールからの一枚。カナダのサイトからの購入だったので千円ちょっとで購入できたのが嬉しい。このレーベルはベテラン・ミュージシャンの録音が多い。筆者のお気に入りのニコラス・ペイトンやリニー・ロスネスなどの録音もある。エディー・ヘンダーソン(1940-)はこのレーベルには数枚録音していて、今回の録音が最新録音。筆者にとっては、お懐かしやと思うミュージシャンの一人だ。こちらを見ると、医師の傍ら音楽活動を行っているそうだ。2000年代に入ってからも10枚のアルバムをリリースするなど旺盛な活動を続けているようだ。若々しく、生気に満ちた音楽は録音当時80歳を過ぎているとは思えない程パワフルだ。編成はドナルド・ハリソン(1960-)のアルト・サックスを含めたクインテット。プログラムはヘンダーソンのオリジナルは一曲のみで、大半がジャズ・ミュージシャンのオリジナル。Natsuko Hendersonはヘンダーソンの日本人の奥さんで、他のアルバムでも彼女のオリジナルが取り上げられているようだ。ヘンダーソンの「Scorpio Rising」はツイン・ドラムスで、この曲のみマイク・クラークも参加している。ダークなムードの中に、ディレイのかかったトランペットの断片的なフレーズと、合いの手のアルトが響く、みたいな曲。昔のエレクトリック・マイルスのような音楽でジョージ・ケーブルズのエレクトリック・ピアノが効いている。タイトルには2台のドラムスがフィーチャーされているとあるが、特にドラム・ソロがあるわけではない。目立たないが、ジェラルド・キャノンのエレキ・ベースのプレイもかっこいい。2曲目はケイブルスのハード・バップ曲「Why Not?」この曲もミディアム・テンポのダークで、少しけだるいムードの曲で、ぐいぐいと進んでいく。ドナルド・ハリソンの骨太のアルト・サックスのソロがいい。スタンダード「Sweet and Lovely」はリズミックでノリのいいアレンジだが、仕上がりはさっぱりしている。ジョージ・ケイブルスのパーカッシブなバッキングがフロントをぐいぐいとプッシュする(しすぎ?)。エンディングのピアノとドラムスはコルトレーン・カルテットのマッコイとエルヴィンの演奏を何故か思い出させる。次もスタンダードの「It Never Entered My Mind」マイルス・デイヴィスのプレスティッジのマラソン・セッションで録音された同曲のレッド・ガーランドのイントロを思い出させるアルペジオで始まる。ヘンダーソンのミュート・プレイもマイルスを思い出させるリリカルなものだが、ちょっと音がでかすぎる。ケイブルスのピアノ・ソロは音数が多く饒舌。寡黙なトランペット・ソロとは対照的だ。エディ・ハリスの名曲「Freedom Jazz Dance」はハリスの演奏のイメージに近いファンキーな演奏。筆者はマイルス・デイヴィスの「Miles Smiles」の神経をピリピリ刺激するような演奏が好きなので、この演奏は温いと感じてしまう。Natsuko Hendersonの「I'm Gonna Miss You, My Darling」タイトル通り切なく甘いバラードだが、演奏はそれほど甘くない硬派の演奏なことが面白い。リー・モーガンの「Totem Pole」はラテン・テイストは残しつつ、小気味のいいテンポで進む。ハリソンのファンキーでアーシーなアルト・サックス・ソロがいい。最後はメル・トーメの名曲「Born to Be Blue」ミディアム・テンポのパワフルな演奏だが、騒々しく少し落ち着きがない感じがするのは何故だろうか。全体にジェラルド・キャノンの重量感のあるベースの存在感が大きい。録音は、いつもながら全帯域にわたってエネルギー感のあるこのレーベル特有の録音で、申し分ない。Eddie Henderson:Witness to History(Smoke Sessions SSR2306)24bit 96kHz Flac1.Eddie Henderson:Scorpio Rising (feat. Lenny White, Mike Clark)2.George Cables:Why Not?3.Charles N. Daniels, Harry Tobias & Gus Arnheim:Sweet and Lovely4.Richard Rodgers & Lorenz Hart:It Never Entered My Mind5.Eddie Harris:Freedom Jazz Dance6.Natsuko Henderson:I'm Gonna Miss You, My Darling7.Lee Morgan:Totem Pole8.Mel Tormé & Robert Wells:Born to Be BlueDonald Harrison(as)Gerald Cannon(b)Lenny White(ds)Mike Clark (ds track1)George Cables(p,e-p)Recorded on September 13, 2022 at Sear Sound Studio C, New York City.
2024年01月29日
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eclassicalの日替わりのセールで、ブラウティガム(ブラウティハム)のベートーヴェン:選帝侯ソナタが5割引きだったので購入した。ところが以前購入していた彼の全集に含まれていることを、ダウンロード後にわかってしまった。同じeclassicalからのダウンロードあればキャンセルできたが、e-onkyoからのダウンロードだったのキャンセルできなかった。残念。少し前からこの選帝侯ソナタに関心があり、spotifyでチェックしたところ仲道育代の全集の中に第2番の一楽章があったので、チェックしたところこの楽章のみボーナストラックとして入っていたことが分かった。それで、ちょうど上記のセールに出くわしたのだが、すべては自分のチェック漏れなので仕方がない。気を取り直して?聴いてみた。世評では習作並みの評価しか得られていないようだったが、ブラウティガムの生気のある演奏のためか、これがなかなかいい。少し落胆したが、全集に含まれているとなかなか聴く機会がないので、いい機会になったと慰めている。まあ、ソナタ全集には含まれていないソナチネなどもあるので、完全なダブりではないのがせめてもの慰め。ブラウティハム ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.9(BIS BIS-SACD-1672 )24bit96kHz Flac1. 3つの選帝候ソナタ WoO472. ソナチネの2楽章 WoO503. 2つのソナチネ Anh.54. 2つの作品(オルフィカ)5. やさしいソナタ WoO51ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)Recorded August 2008,at Österåker Church, Sweden
2024年01月27日
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イスラエル出身のニタイ・ハーシュコヴィッツ(1988-)というピアニストのソロピアノ「Calling on the Old Wise」を聴く。例によってpresto musicで紹介されていて、気に入ったアルバムだ。wikiによるとイスラエルのジャズ・ピアニストで、日本でも人気が高いそうだ。アヴィシャイ・コーエンのバントにシャイ・マエストロの後釜として参加し、3枚のアルバムに参加。ECMではテナー・サックスのオデッド・ツール(1984-)のカルテットの二つのアルバム『Here Be Dragons』(2020年)と『Isabela』(2022年)に参加しているそうだ。このアルバムは「New Place Always」 (Enja, 2018)以来2枚目のソロアルバムで、初のECM作品。「New Place Always」の音楽と同傾向のアルバムだが、リズミックな部分は減り、静けさが勝っている音楽だ。一聴クラシックの小品集のような佇まい。フレージングなど、チック・コリアの初期のピアノ・ソロのような瑞々しい抒情が感じられる。親しみやすいメロディと、柔らかく暖かいタッチで、天気の良い日の昼下がりに、まどろんでいるような感覚を覚える。ドビュッシーのような印象派のような作風であるが、中近東のテイストも感じられるところがユニーク。全曲スカなしで、極めて繊細なタッチの、実に詩的な表現が聞かれる。曲想もヴァラエティに富んでいて、聴き手を飽きさせない。ジャズを感じさせるのは「Majestic Steps Glow Far」。リズミックで実に清々しさを感じさせる。「Dream Your Dreams」は、思わず口ずさみたくなるような愛らしいメロディーを持つ。アゴーギクも絶妙だ。速いアルペジオが続く「Mode Brilliante」は、1分足らずの曲ではあるが、小悪魔的な魅力が感じられる。ピアノの運動性が感じられる「Intermezzo No.4」も面白い。ラストの「River Wash Me」がそれまでの音楽とは毛色が異なり、アメリカ南部の気分を感じさせてくれる。きりがないのでこの辺でやめておくが、「珠玉の小品集」というありきたりな表現では済まない、と言っても大げさではない。驚くのは、ハーシュコヴィッツのピアノの腕前もさることながら、作曲能力もかなりのものなこと。ステファノ・アメリオの録音は、個人的には少し肥大気味と思われるが、いつもながらの、とろけるような美音だ。ということで、繰り返し聞くに堪えうる、実に味わい深いアルバムだ。印象派の音楽が好きなクラシック・ファンにも、抵抗なく楽しめるのではないだろうか。今後フォローすることになりそうな予感がする。 Nitai Hershkovits: Calling on the Old Wise (ECM )24bit96kHz Flac1.The Old Wise2.Enough To Say I Will3.Mode Antigona4.Of Trust and Remorse5.Intermezzo No.36.Majestic Steps Glow Far7.Dream Your Dreams8.Placid In Africansque9.Mode Brilliante10.Single Petal Of A Rose11.A Rooftop Minuet12.Late Blossom13.Intermezzo No.414.In Satin15.This You Mean To Me16.Of Mentorship17.For Suzan18.River Wash MeNitai Hershkovits(p)Recorded June 2022,Auditorio Stelio Molo RSI, Lugano
2024年01月25日
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この前楽器屋に行った時に、見つけたチラシで知ったレコード・コンサートに行ってきた。岩手県紫波町にあるあらえびす記念館で行われているレコード・コンサートで、今回で339回という長きにわたって続いているようだ。この施設は1995年に出来たので、今年で29年目になる。「あらえびす」とは、銭形平次捕り物控で知られる作家野村胡堂の、音楽評論をするときのペンネーム。このコンサートは毎月行われているので、おそらくは出来た当時から行われた催し物と思われる。施設は、コンクリートの打ちっぱなしに屋根がかかっているもので、さながら美術館のようなたたずまいだ。コンサートは「あらえびすホール」という多分3階ぐらいの高さの、とても天井の高いホールで行われ、音も上々であった。あいにくの雨にもかかわらず、参加された方は多分百人近くいたのではないだろうか。意外に大勢でびっくりした。目的はSPの音を聞くためだったのだが、実際のコンサートではSPの他にLPと、映像という3種類のソースを使っていた。今回はモーツァルト特集で、ヴァイオリン・ソナタ、ホルン協奏曲、交響曲という順番。コンサートは町の教育長であられる侘美淳(たくみ・じゅん)さんの解説を交えながら進められた。侘美さんの解説は、肩の凝らない話で悪くなかった。ヴァイオリン・ソナタはシモン・ゴールドベルクのヴァイオリンにリリース・ハスキルのピアノという往年の名コンビの録音。ネット情報によると1937年の録音らしい。ゴールドベルク(1909-1993)はフルトヴェングラー時代のベルリン・フィルのコンサート・マスターで、晩年は新日本フィルをたびたび指揮していたという記憶がある。想像通りのSPの音だったが、温もりがあり、人間の息遣いが感じられるようだった。この演奏はピアノ主導の演奏のように感じられた。実際のSPの録音を聞いたことはほとんどなかったが、音量が小さいためもあり、スクラッチ・ノイズはそれほど気にならなかった。LPを聴くのはタンノイのwestminster royalという名機で、包み込むようなサウンドがなかなかった。このスピーカーはコアキシャル型(同軸)の2wayなので、定位はいいはず。個人的には高域がもう少しほしいところだが、無いものねだりだろう。演奏は1964年のザイフェルトのソロ、カラヤン指揮ベルリンフィルという布陣。演奏は昔のカラヤン一流のレガート過多の演奏で、音楽の起伏も少なく、昨今の演奏に慣れた耳には、あまり面白くなかった。交響曲は案内では「ジュピター」だった気がするが、いいものがなかったということで、何故かNHKのEテレで放送されたN響の演奏による「リンツ」。ファビオ・ルイージによる2022年12月9日(金)の第1972回 定期公演Cの演奏だった。演奏そのものは特に感想はないが、何と言っても220インチの巨大なスクリーンでの鑑賞で、これが凄かった。映像は周辺までピントが合っていて歪み少なく、映画まではいかないにしても、かなり上質な映像を楽しむことが出来た。音もアキュフェーズのアンプにタンノイのスピーカーで、映像に負けていなかった。出来れば、持ち込みでもいいので、市販ソフトでの鑑賞会をしてくれれば観に来るのだが。。。第339回あらえびすレコード定期コンサート1.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第34番変ロ長調K3782.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第39番(未完)3.モーツァルト:ホルン協奏曲第2番変ホ長調k.4714.モーツァルト:交響曲第36番ハ長調k.425リンツシモン・ゴールドベルク(vn),リリーラスキーヌ(1,2)ゲルト・ザイフェルト(Hr)、カラヤン指揮ベルリン・フィル(3)ファビオ・ルイージ指揮、NHK交響楽団
2024年01月23日
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ドラマーのアル・フォスター(1943-)の5枚目のリーダー・アルバムを聞く。因みに、このアルバムはフォスター自身「最高傑作」と言っているらしい。典型的なハード・バップなのだがこれが何ともいい。新たな驚きはないのだが、マンネリズムを感じさせることもなく、実にフレッシュで、これが録音当時79歳のミュージシャンの音楽とは思えない。プログラムはフォスターのオリジナルが3曲、他の3人のメンバーが1曲ずつ、残りはジャズメンのオリジナルという構成。何と言ってもトランペットとテナーサックスのフロントの安定感が効いている。フォスターは特にソロはとらないが、フロントを強力にプッシュしている。バッキングでもうるさくなる一歩手前のところでとどまっていて、ここらへんはさすがに名人芸を感じさせる。ケヴィン・ヘイズのピアノのバッキングも存在感がある。気に入ったのはマイルスの「Half Nelson」。上質なサウンドとソロで、この名曲を楽しめる。ロリンズの「Pent-Up House」もノリのいい曲なので、聴き手も思わずニンマリ。しょっぱなから、キレキレのポッターのテナー・ソロが始まる。ペイトンの温かみのあるサウンドも悪くない。ポッターの「Open Plans」はミディアム・テンポのしっとりとした曲だが、ポッターの骨太のテナーでやられると、硬派のバラードになってしまう。ケヴィン・ヘイズのコンピングがムードを決定しているように思う。ペイトンのリリカルなトランペット・ソロがいい。マッコイタイナーのブルース「Blues on the Corner」もなかなか含蓄のある演奏。ポッターのテナーがロリンズが吹いているように感じてしまうのは、筆者だけだろうか。フォスターのラテン・テイストの「Anastasia」がまったりとした雰囲気で悪くない。ペイトンの「Six」はハードバップ風のパンチの効いたノリノリの曲。ペイトンの最近の作風を示すフェンダーローズのサウンドが曲にぴったり。ジョー・ヘンダーソンの「Punjab」、ハービー・ハンコックの「Alone and I」はピアノ・トリオでの演奏。ヘイズの音数の少ないピアノ・プレイが心に沁みわたる。アル・フォスターの他のオリジナルはどちらもモンクに因んだ音楽。「T.S. Monk」はテーマがもろにモンク風の不協和音の入ったへんてこなもので、モンクのオリジナルと言ってもおかしくない。モンクの「ストレート・ノー・チェイサー」をイントロに使った「Monk’s Bossa」はこの曲の断片が随所に使われているが、モンクのムードとは異なる、ムーディーでまったりとした音楽で悪くない。Al Foster:Reflections(Smoke Sessions Records SSR-2203)24it 96kHz Flac1.Al Foster:T.S. Monk2.Sonny Rollins:Pent-Up House3.Chris Potter:Open Plans4.McCoy Tyner:Blues on the Corner5.Al Foster:Anastasia6.Nicholas Payton:Six7.Joe Henderson:Punjab8.Kevin Hays:Beat8.Herbie Hancock:Alone and I9.Miles Davis:Half Nelson10.Al Foster:Monk’s BossaAl Foster(ds)Vicente Archer(ds)Drums – Kevin Hays(P,Fender Rhodes)Chris Potter(ts,ss)Nicholas Payton(tp)Recorded at Sear Sound, Studio C in New York City on January 25, 2022.
2024年01月21日
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spotifyで偶然知ったアルバム。ジャケ写のメアリー・ベヴァンのインパクトのある表情に惹かれて聴いてみたら、これが何とも言えない華やかで洒落たアルバムで、まさにアルバム・タイトルの「最も素晴らしいパーティー」通りだった。ブックレットによると『イギリスの著名な俳優、作家、映画監督そして作曲家としてなど様々な分野で活躍をしたノエル・カワード(1899-1973)の没後50周年を記念して作られたこのアルバムで、ノエル・カワードと同時期に活躍したプーランクやブリテン、サティそしてストラヴィンスキーなどの作品を収録』とのこと。因みに、ここに名前を連ねているアメリカの作曲家ネッド・ローレムはカワードと付き合っていたとか。カワードの作品は最初のメドレーを含め10曲収録されている。筆者がカワードの曲を聴くのは多分初めて。殆どポピュラー音楽なのだが、これが実にいい。カワードの信条である「シリアスな人生劇より、洗練された喜劇」がダイレクトに反映された曲が多い。イギリス人特有の快活でウイットに富んでいて、ぬくもりやペーソスも感じられる歌揃いで、しかもゴージャスだ。演奏はソプラノのメアリー・ベヴァン、テナーのニッキー・スペンスというイギリスの歌手に、歌曲の伴奏で定評のあるジョゼフ・ミドルトンのピアノというメンバー。二人の歌手は全く聞いたことがなかったが、とても達者な歌唱で、ポピュラー寄りの曲も生硬さがなく、とても楽しめる。ミドルトンのピアノの上手さにも、ほとほと感心した。短い曲が多いとはいえ全27曲77分あまりという充実した内容で、さながらイギリスのしゃれたナイトクラブでの一夜(行ったことないけど)の出来事のような趣だった。最初のカワードのメドレーはイントロのミドルトンの華やかなピアノから一気に惹きこまれるれる。気分としてはミュージカルの音楽を聴いているような、ワクワク感が感じられる。どの曲もいいが、特に気に入ったのは、動物の声色を使った.「Any Little Fish」。ユーモアたっぷりで楽しい聴きもの。ベヴァンの声色が秀逸だが、特に鶏の鳴き声は最高!ブリテンやウォルトンなどイギリスの大作曲家の曲も違和感がない。特にウォルトンの「Popular Song」は語りのようなものだが、スペンスの演技っぽい語りもあり、ユーモアたっぷりの出し物だった。最後の「I Went to a Marvellous Party」はパーティーの様子を男と女が語るというもの。中身はなかなか辛らつだが、しゃれた曲で、気分良くアルバムを聞き終えることが出来る。歌詞歌入りの曲に対して、ピアノ曲はクールな雰囲気。さながら高揚する気分を冷ましているようだが、個人的には冷ましているどころか水を差しているような感じだった。録音は豊かでマイルドなもので、アルバムの音楽にふさわしい。ブックレットには歌詞は載っていなかったので、カワードの神聖な?世界観を知ることが出来なかったのが残念。ブックレットの内容はかなり面白く、カワードの魅力が窺える小話がたくさん詰まっている。先ほどのゲイの話のほかに、ネッド・ローレムはプーランク(この人もゲイ)の「象のババール」で象の役をやったとか、ストラヴィンスキーは1930年代にカワードとのコラボレーションを依頼されたことがあったとか、ブリテンやウォルトンも個人的な付き合いがあったことなども書かれていて、大変興味深い内容だった。ということで、カワードの曲のすばらしさに酔いしれたアルバム。広くお聴きいただければと思う。A Most Marvellous Party (Signum SIGCD737)24bit96kHz Flac1.Noël Coward:I’ll See You Again / Dance Little Lady / Poor Little Rich Girl / A Room With A View / Someday I’ll Find You / I’ll Follow My Secret Heart / If Love Were All / Play Orchestra Play2.Noël Coward:Mad About the Boy3.Ned Rorem:Early in the Morning4.Ned Rorem:For Poulenc5.Francis Poulenc:3 Pièces, FP 48: No. 1, Pastorale. Calme et Mystérieux6.Francis Poulenc:Banalités, FP 107: No. 2, Hôtel7.Noël Coward:Parisian Pierrot8.Kurt Weill:Complainte de la Seine9.André Messager:Véronique: De-ci, de là10.Eric Satie:Gnossiennes: No. 1, Lent11.Noël Coward:Any Little Fish12.Igor Stravinsky:Valse Pour les Enfants13.Noël Coward:Something to do with Spring14.Roger Quilter:Love Calls Through the Summer Night15.Roger Quilter:Now Sleeps the Crimson Petal16.Ned Rorem:Now Sleeps the Crimson Petal17.Noël Coward:World Weary / Twentieth Century Blues18.George Gershwin:The Man I Love19.Noël Coward:If Love Were all20.George Gershwin:By Strauss21.Noël Coward:Don't Put Your Daughter on the Stage, Mrs Worthington22.Benjamin Britten:When You're Feeling Like Expressing Your Affection23.William Walton:Popular Song24.Benjamin Britten:On This Island, Op. 11: No. 5, As it is, Plenty25.Liza Lehmann:Love, if You Knew the Light26.Noël Coward:The Party's Over Now27.Noël Coward:I Went to a Marvellous PartyMary Bevan(s)Nicky Spence(t)Joseph Middleton(p)
2024年01月18日
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エンリコ・ピエラヌンツィのチェット・ベーカー・トリビュート・アルバム「Chet Remembered」を聴く。バート・ヨリス(1957-)というベルギーのトランぺッターをフィーチャーしている。彼らの共演は「Afterglow」(2018)以来。チャレンジレコードのサイトを見ると、このアルバムについてピエラヌンツィが寄稿している。それによると、ピエラヌンツィとヨリスはどちらも即興演奏におけるチェット・ベーカーの影響を受けているそうだ。クレジットはないが、ヨリスがすべて編曲しているようだ。ピエラヌンツィが絶賛しているようにオーケストレーションに優れ、淡い色彩が趣味の良さを物語っている。代表的な例として「Soft Journe」のソロのハーモナイズとオーケストレーションが挙げられている。ピエラヌンツイがチェット・ベーカーのために特に作曲した「Soft Journey」、「Fairy Flowers」、「Brown Cat Dance」は、彼らが初めて会った直後に録音された「Soft Journey」(1979)にも含まれている。wikiによるとピエラヌンツィとチェットが共演したアルバムは4枚ほどのようだ。ヨリスのトランペットは音が太いが、エッジは鈍く、チェットの細身だが鋭いサウンドとは異なる。また、曲想にあったプレイなのだが、地味で派手なプレイは一切ないのが、少し物足りないところか。本領を発揮しているのはアレンジの方で、爆発するサウンドとスイング感の横溢する素晴らしいアレンジだ。どうやらバックのトランペットのハイ・トーンが頻発するように、派手なプレイはバックに任せているのかもしれない。対してピエラヌンツィのピアノはダイナミックでノリのいいプレイで好対照だ。最初聞いたときに、ピアノがバンドの一員だと思って、やけにピアノが出てくるなと思ったのは、我ながら間が抜けている。抒情的な演奏が多いかと思ったら、全くそんなことはなくビッグバンドの魅力全開の演奏だった。まあ、それがチェットの芸風にあっているかどうかはともかく、ピアラヌンツィとチェットの演奏に比べ、スケールが格段に増して、聴きごたえ十分。「From E. To C.」のイントロの、もりもりと湧き上がってくるサウンドでいきなり興奮が呼び起こされる。「Lost and Found」は快適なテンポで胸のすくようなドライブ感がたまらない。明るく華やいだ雰囲気の「Chet」は中間部から出てくるピアノ・ソロが力のこもったもので、ピアノに触発されたのか、熱を帯びで、盛り上がる。「Soft Journey」は、3拍子で演奏され、タイトル通り、比較的静かな雰囲気を持ち、他の曲との対比を際立たせている。「Fairy Flowers」もリリカルな演奏で、バックは薄い。フランクフルト・ビッグバンドは超強力。分厚いハーモニーと重量級の豊かなサウンドで、彼らの世界を支えている。「Chet」の骨太のベース・ソロや など、所々で出てくる短いソロも充実している。「Echoes」はリリカルな曲想だが、リズミックな演奏で楽しめる。ここでも強力なベース・ソロのあとのピアノがバックをぐいぐいと引っ張っている。後半のテュッティの盛り上がりも、胸のすく思いだ。トランペットのハイトーンから始まる「Brown Cat Dance」はアップテ・ンポのバップ風の曲。ブラスが炸裂する躍動的な演奏で、ビッグバンドの醍醐味を味わわせてくれる。トランペット・ソロは頑張っているが、トロンボーンのパワフルなソロとバックのトランペットの凄まじいハイ・トーンに負けている。最後はお馴染みの「The Real You」で優しく締めくくられる。ここでも、ピアノの存在感が大きい。後半のトロンボーンの低い音の伸ばしが、効果的だ。ところで、以前ブリュッセル・ジャズ・オーケストラと作った「The Music Of Enrico Pieranunzi(2014)」はアレンジもトランペットもヨリスなのだが、ライブというハンデもあり、今回のアルバムに比べるとやや線が細く、サウンドも平面的で雑然としている。多分曲にだぶりはなく、アレンジが異なるにしても、バンドが違うとこうも違うのかと驚いてしまう。ということで、じっくり聞いてみたらこれが思いがけず大変な傑作だったことを発見した。前作の「After Glow」は何回か耳にしていたが、購入するまでに至っていなかった。どうやら、もう少し、じっくりと聞く必要がありそうだ。Enrico Pieranunzi;Bert Joris;Frankfurt Radio Big Band:Chet Remembered(Challenge Records CR73555)24bit 48kHz FlacEnrico Pieranunzi::1.From E. To C.2.Lost and Found3.Chet4.Soft Journey5.Fairy Flowers6.Night Bird7.Echoes8.Brown Cat Dance9.The Real YouEnrico Pieranunzi(p)Bert Joris(arr.,tp)Frankfurt Radio Big Band
2024年01月16日
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ピアニストのイゴール・レヴィットによる企画の無言歌集。先月半ばに配信のみリリースされていたが、いつも利用しているpresto musicでもやっとリリースされた。ブックレットは付いていないが、Appleのサイトに詳しい解説が載っていた。それによると、『2023年10月7日に起きたイスラエルのユダヤ人への攻撃と、世界的な反ユダヤ主義の台頭に対するレヴィットのパーソナルな思いを反映したものである。ドイツを拠点とするこのユダヤ人のピアニストは、同アルバムのレコーディングについて「純粋に心の決断であり、ある意味では感情的な決断でした。ピアノがあって、ピアノ弾きである私に何ができるだろう? と自問し、スタジオに入って美しい音楽を奏でることで人々を助けたいと思ったのです』とのこと。メンデルスゾーンを選んだのは彼がユダヤ人だったからと思うのは、穿ちすぎかもしれないが、無言歌集でも有名な曲は省かれ、基本的なトーンはOp. 102, No. 1 in E Minorに代表されるように、内向的な曲が選ばれていて、『これらの楽曲が持っているメランコリー、メロディ、トーン、ピュアな美しさ、喜びと悲しみ、それらのすべてことが私を癒やしてくれた』とのこと。筆者の期待とはまるで違っていたが、メンデルスゾーンの爽やかなイメージではなく、いたずらに華美にならず、内向的だが、暖かさに溢れている。メンデルスゾーンのピアノ曲はごく限られたピアニストにしか弾かれていない印象がある。アンコール・ピースで弾かれることはあっても、まとまって弾かれることはあまりないと思われる。曲自体が軽く、あまりアピールする曲ではないのかもかもしれない。それにしても、レヴィットのような派手目のピアニストからメンデルスゾーンの内面的な美しさを教えられるとは、思っていなかった。メンデルスゾーンは生の感情が出てくることはなく、あくまでも控えめなところが好ましい。注目したのは「第5巻』の「No. 3 in E Minor, MWV U 177 “Funeral March(葬送行進曲)”」曲の冒頭で3度繰り返される音型とそれに続く短3度の音が、マーラーによる『交響曲第5番』の第1楽章「葬送行進曲」のオープニングに酷似していることを彼レヴィットの指摘で初めて知った。レヴィットにとってこの曲は「残酷なほどにエモーショナルで悲痛な」ムードを作り出すものだという。最後にアルカンの「25 Préludes, Op. 31」から「No. 8, La chanson de la folle au bord de la mer(海辺の狂女の唄)」が演奏されている。当初予定されていなかった曲だが、この曲がアルバムの最後を飾るにふさわしいことに気付いたという。ひたすら暗い曲で、何ら救いがない。最近購入したいスティーヴン・ハフのフレンチ・アルバムにも収録されている。ハフの演奏は4分30秒ほど。レヴィットはなんと5分30秒程かかっていて、別な曲のように感じられる。テンポが極端に遅くなったことで、この曲のデモーニッシュな暗黒の闇が描かれているようだ。実に恐ろしい音楽だ。これに比べるとメンデルスゾーンの音楽は優しい作風で、暗くても癒される余地がある。ただ、暗くなると聴くのがつらくなってくるので、あまり暗くない第1巻の第1番のような曲のほうが好ましい。ジャケット写真は金属のアクセサリーを二つ組み合わせてユダヤの紋章であるダヴィデの星を表しているようだ。収益は反ユダヤ主義と戦う2つのドイツの組織、反ユダヤ主義暴力と差別のアドバイスセンター(OFEK)および反ユダヤ主義に対抗するクロイツベルク・イニシアチブに寄付されるそうだ。幾分政治的な意味合いのあるアルバムではあるが、そういうことを抜きにして楽しめる上質なアルバムだ。レヴィット メンデルスゾーン 無言歌集(Sony 19658878982)24bit 96kHz FlacMendelssohn: Songs without Words, Book 1 (6), Op. 19b:1.No. 1 in E Major. Andante con moto, MWV U 862.No. 2 in A Minor. Andante espressivo, MWV U 803.No. 4 in A Major. Moderato, MWV U 734.No. 6 in G Minor. Andante sostenuto, MWV U 78 "Venetian Gondola Song"Songs without Words, Book 2 (6), Op. 30:No. 1 in E-Flat Major. Andante espressivo, MWV U 103No. 3 in E Major. Adagio non troppo, MWV U 104No. 6 in F-Sharp Minor. Allegretto tranquillo, MWV U 110 "Venetian Gondola Song"Songs without Words, Book 3 (6), Op. 38No. 2 in C Minor. Allegro non troppo, MWV U 115No. 6 in A-Flat Major. Andante con moto, MWV U 119 "Duetto"Songs without Words, Book 4 (6), Op. 53No. 4 in F Major. Adagio, MWV U 114 "Sadness of Soul"No. 5 in A Minor. Allegro con fuoco, MWV U 153 "Folksong"Songs without Words, Book 5 (6), Op. 62No. 3 in E Minor. Andante maestoso, MWV U 117 "Funeral March"No. 5 in A Minor. Andante con moto, MWV U 151 "Venetian Gondola Song"Lieder ohne Worte, Op. 102, No. 1 in E Minor. Andante un poco agitato, MWV U 162Alkan: 25 Préludes, Op.31: No. 8, La chanson de la folle au bord de la merIgor Levit(p)
2024年01月14日
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フィニアス・ニューボーン・ジュニア(1931-1989)のコンテンポラリー盤「A World Of Piano」のハイレゾがCraft Recordingからリリースされた。昔々アナログ盤で楽しんでいたレコードだった。風通しの良い録音とフィニアスの驚異的なテクニックが売りの録音だった。聞かなくなってから数十年経つが、以前の印象とそれほど違っていなかった。とにかくフィニアスのオクターブ奏法に圧倒される。アドリブでもオクターブ奏法をやるという信じられない技術。私はピアノが弾けないので確かなことをは言えないが、とにかく困難なフレーズを簡単に弾いていることに驚いてしまう。ハイ・テンポの「Daahoud」「Oleo」などのドライブ感も凄まじい。打鍵が強く、エッジの立ったサウンド。輝かしい高音、低音もゴリゴリ弾いている。ラヴェルのソナチネ第二楽章をイントロに使った「ラッシュ・ライフ」が実にしゃれていることに気が付いた。この部分、少しぞんざいな弾き方になっていているのが惜しまれる。このアルバムでは、マイルス・デイヴィスとキャノンボール・アダレイ二つのグループのリズム・セクションを使い分けている。同じ日の録音なので、何らかの理由があるのだろう。個人的にはフィリー・ジョーの活きのいいドラムスが好みだ。これまでのCreft Recordingでのコンテンポラリー盤と同様にノイズの聞こえない快適なサウンドで音楽に集中できるのが嬉しい。音は細身でリミックスではないので中音域が寂しいのはアナログと変わらない。右にベース、左にドラムス、中央にピアノという配置で、どの楽器も良く聞こえ、若干ピアノが引っ込み気味ではあるが、バランスは悪くない。静かな部分ではテープヒスが僅かに聞こえるが、鑑賞には差し支えない。音量を上げると、生の演奏を聴いているようなリアル感が出てくるのも不思議だ。昔は新しい録音にしか興味がなかったが、最近のハイレゾでのリイシューが常態化して、昔の録音に耳を傾けることが多くなった。年を取ったためかもしれないが、悪いことではないと自分に納得させている。Phineas Newborn:A World of Piano!(CR05790 Craft Recordings)24bit 192kHz Flac1.Charlie Parker:Cheryl2.Luciano Chano Pozo Gonzales, Walter Gilbert Fuller, John Gillespie:Manteca3.Billy Strayhorn:Lush Life4.Clifford Brown:Daahoud5.Sonny Rollins:Oleo6.Horace Silver:Juicy Lucy7.Leroy Vinnegar:For Carl8.Roland Alexander:CabuPhineas Newborn Jr.Paul Chambers(b track 1-4)Philly Joe Jones(ds track 1-4)Phineas Newborn Jr.;Paul Chambers(b);Philly Joe Jones(ds)Phineas Newborn Jr.;Paul Chambers(b);Philly Joe Jones(ds)Phineas Newborn Jr.;Paul Chambers(b);Philly Joe Jones(ds)Sam Jones(b track 5-8)Louis Hayes(ds track 5-8)Recorded October 16, November 21, 1961,Contemporary Records Studio, West Hollywood, California
2024年01月12日
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この表題でブログを書くのも何回目かになるタイトルからして不吉なことを予感させる。1/4の夜に血圧を測った時の脈拍が130くらいあった。午前中までは50~60台だったので、急激な変化に驚いてしまった。以前も一日だけそういうことがあったので、あまり深く考えなかった。ところが、脈拍が高い状態が続いて元の状態に戻ることがない。おまけにひどい不整脈まで出ている。土曜日になってから体調が悪くなったので、病院に行った。心電図とレントゲンを撮って、その結果を見た医者が、今まで通り盛岡の中央病院に紹介状を書くという話をされた。そのためのデータとして採血して、その日はお終い。念のため前飲んでいた薬を処方された。土曜日だったので中央病院の予約は取れないので、休み明けになるとのこと。帰宅したら薬局から電話があり、今まで飲んでいる薬とダブっているので返してほしいという。処方された薬はおしっこが出にくくなる薬だという。そういえば思い当たることがあった。映画館やピアノの演奏会の時トイレでおしっこがなかなか出なかっことがあり、今更ながらその原因が分かった、今度病院に行った時にはそのことも話しておかないといけなくなってしまった。実は件の薬は、以前、頻脈の症状が出たときに2錠飲んでいて、症状が出なくなったので飲まなくてもよくなったか確かめるために一錠に減らしていたのだ。これで元に戻ってしまうと思うと憂鬱だ。
2024年01月10日
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presto musicをチェックしていて、偶然見つけたアルバム。ジャーマンブラスのクリスマスアルバムで、選曲がなかなかしゃれていて、アレンジも優れている。お馴染みの「ジングルベル」なども月並みではないアイディアが光るアレンジで楽しめる。ドイツらしい折り目正しい演奏もあるが、ポピュラーが実にいい。この団体は昔からポピュラーの演奏が優れていて、発足時の「思い溢れて」とか「アディオス・ノニーノ」は昔筆者が繰り返し聴いていたものだ。(Around The World 2)筆者が最近開眼した?バッハの「クリスマス・オラトリオ」から3曲演奏されているのが嬉しい。ポピュラーでは「ヒュー・マーティンの「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」が実にムーディーで楽しい。「ジョニー・マークス:赤鼻のトナカイ」では男性ヴォーカルが加わる。メンバーの一人だろうか、ちょっとだみ声だが、ジャズ風のアレンジにあっている。日本未公開映画「ラ・カリファ」のテーマもエンニオ・モリコーネらしい清冽な叙情が美しい。どの曲もスカッとしたサウンドで、ブラス・アンサンブルの醍醐味が味わえる。パーカッションを含め11人編成だが、曲によって大幅に補強されていて、そのゴージャスなサウンドはブラス業界の人々を満足させるだろう。これで、来年からのクリスマス・シーズンに聞く音楽に新たな一枚が加わって嬉しい。ジャーマン・ブラス:イッツ・クリスマス・タイム(SONY G010004881354D)24bit 48kHz Flac1.J.S.Bach:J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV.248 ~ 歓呼の声を放て、喜び踊れ (Arr. for Brass Ensemble by Matthias Hofs)2.Lowell Mason:もろびとこぞりて3.Traditional:まきびとひつじを4.Traditional:ひいらぎかざろう5.Lewis H. Redner:ああベツレヘムよ6.John Francis Wade:神のみ子は今宵しも7.J.S.Bach:クリスマス・オラトリオ BWV.248 ~われらは汝の軍勢にま交りて歌いまつらん (Arr. for Brass Ensemble by Matthias Hofs)8.J.S.Bach:クリスマス・オラトリオ BWV.248 ~差し出でよ、汝美わしき朝の光よ (Arr. for Brass Ensemble by Werner Heckmann)9.Leroy Anderson:そりすべり10.Hugh Martin, Ralph Blane:ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス11.Felix Bernard:ウィンターワンダーランド(すてきな雪景色)12.James Lord Pierpont:ジングルベル13.Traditional:Nebo yasni zirky vkryly14.Mykola Leontovych:Shchedryk(鐘のキャロル)15.Richard Eilenberg:ペテルブルクの橇の旅 Op.5716.Traditional:Pasli ovce valsi17.Traditional:Ja bych rad k Betlemu18.Traditional:Nesem vam noviny19.Traditional:ベツレヘムに生まれたもう20.Mel Torme:ザ・クリスマス・ソング21.Jule Styne:Let It Snow!(ゆきよふれふれ)22.Johann Abraham Peter Schulz:子供たちよ、さあおいで23.Johnny Marks:赤鼻のトナカイ24.Ennio Morricone:ラ・カリファ25.Jose Ignacio Quinton:アギナルド26.Traditional:マリア様は茨の森を歩み27.Traditional:もみの木28.Traditional:静かに雪が降っている29.Traditional:きらきらぼし(明日はサンタクロースがやってくる)/おお、この上ない喜び30.Traditional:シュティル・シュティル・シュティル31.Georg Friedrich Handel:マカベウスのユダ HWV 63: シオンの娘よ (Arr for Brass Ensemble by Alexander Erbrich Crawford)32.J.S.Bach:高き天よりわれは来たれり BWV.769(Arr. for Brass Ensemble by Matthias Hofs)ArrangementsAlexander Erbrich Crawford: Tracks 2-6, 9-14, 16-21, 23, 25-31Werner Heckmann: Tracks 8, 15Matthias Hesseler: Track 22Matthias Höfs: Tracks 1, 7, 24, 32German Brass:Matthias Höfs - Trumpet/TrompeteUwe Köller - Trumpet/TrompeteWerner Heckmann - Trumpet/TrompeteChristoph Baerwind - Trumpet/TrompeteWolfgang Gaag - French Horn/HornKlaus Wallendorf - French Horn/HornFritz Winter - Trombone/PosauneAlexander Erbrich Crawford - Trombone/PosauneUwe Füssel - Trombone/PosauneStefan Ambrosius - TubaHerbert Wachter - Drums/PercussionGuest MusiciansTp:Christian Höcherl,Max Westermann,Jürgen Ellensohn(Tp)Hr:Christoph EssH,François Bastian,Tillmann Höfs,Ivo DudlerTb:Matyas Veer,Matthias KamleiterTuba:Steffen SchmidThomas Höfs - Timpani/PaukeHans Rosbaud-Studio Baden-Baden/ SWR: 9.-11.05.22, 8.-9.7.2022Kammermusikstudio Stuttgart/ SWR: 11.7.2022, 21.7.2022
2024年01月08日
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フィンランドのピアニストであるケルコ・コスキネン(1973-)のビッグバンド・アルバム「Agatha 2」を聴く。このアルバムは「Agatha」(2007)の続編という。例によってbandcampからのメールで知ったアルバム。全曲コスキネンのオリジナルだが、ソフトタッチのコミカルでムーディーな、しゃれたアルバムだ。音楽は難しいところのない、分かりやすいもの。どうも、基になったストーリー(童話のような感じ)がありそうな音楽で、モチーフが共有されている曲もあり、全体が相互に関連した組曲になっているようだ。作曲者によると『どこかメランコリーでややノスタルジックなムードを持っている』とのこと。リンダ・フレドリクソン(bs,as、1985-)というフィンランドのサックス奏者がフィーチャーされている。フレドリクソンのサックスは音が太く、表現力も抜群で、とても女性とは思われなパワフルなもの。特にバリトン・サックスは荒々しく、スケールが大きい。このサックスが主人公で物語が展開されているような感じで、サウンドのカラーも物語の進行につれて変わっていくところに、コスキネンの才能が光る。「Notte」ではサックスのマウスピースだけを使って鳥の鳴き声のようなサウンドを出しているところも面白い。UMO Helsinki Jazz Orchestraは1975年に設立されたフィンランドのビッグ・バンド。サウンドがクリアでアンサンブルの精度も高い。なによりも管の鳴りっぷりがよく、気持ちよく聴くことが出来る。最後の「Quiberon」はその前までとは趣が異なり、エンディングにふさわしい華やいだムードがある。Quiberon(ギブロン)はフランスのブルターニュ地方にある半島のことだろうか。男声ヴォーカル(クレジットはない)が入っているが、あまり美しくなく、少し温い。録音は低音はあまり出ていないが、クリアでアルバムの内容にふさわしい。Kerkko Koskinen:Agatha 2(Grotto Editions RTCD023)16bit 44.1kHzFlacKerkko Koskinen:1.Promenade2.Sokeana Hetkenä3.Parade4.Piana5.Mare6.Notte7.Anime Waltz8.QuiberonKerkko Koskinen(Composer)Linda Fredriksson(sax)UMO Helsinki Jazz Orchestra
2024年01月06日
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アメリカの作曲家ジェニファー・ヒグドンの新譜を聴く。ヒグドンはハーンの弾くヴァイオリン協奏曲を聴いて以来、筆者の贔屓の作曲家の一人。今回は最新作の鍵盤打楽器のデュオとオーケストラの協奏曲「Duo Duel」と旧作の「オーケストラのための協奏曲」という組み合わせ。彼女の作風は明るく分かりやすく、よく鳴るオーケストレーションと見通しの良いサウンドで聴いていると爽快感を感じることが多い。今回の2曲も期待を裏切らない出来だ。「Duo Duel」は2020年に作曲された、二人の打楽器奏者とオーケストラのための協奏曲で24分ほどの曲。ブックレットによると、『パーカッションが繰り広げる「デュエル」に対し、オーケストラが時に冷静になれと呼びかけるように、時に激しく盛り上げるように絡んでいく』とのこと。筆者は打楽器奏者たちが時には協調し、時には対決するようなものと思ったが、勘違いだったようだ。ソロ打楽器が特別クローズアップされる瞬間はそれほどなく、オーケストラと混然と一体になった音楽。ブックレットによると二人のソリストはヴィブラフォン、マリンバ(共有)、クロタル(高音の金属ディスクの集合体)、および各プレイヤーに3台ずつのティンパニを使っている。冒頭涼し気なクロタルの金属的な音で始まる。そこにハープが絡み、弦が入っていくような感じの穏やかな曲想。前半の「デュオ」は管が優勢のオーケストレーションで、涼やかなサウンドが鍵盤楽器とうまくマッチしている。後半の「デュエル」はテンポが速く、激しく躍動的な曲想でぐんぐん盛り上げる。打楽器はティンパニがメインで暴れまくる。全体が熱くなっていくところで、クロタルの涼し気なサウンドがハッとする瞬間を作り出す。エンディングの盛り上がりも悪くないが、あっさり終わってしまうのが物足りない。「管弦楽のための協奏曲」は40分弱の大規模な管弦楽曲。この曲でもヒグドン特有の見通しがよくメロディックかつダイナミックな音楽が楽しめる。作曲者のライナーノートによると3楽章→2楽章→4楽章→5楽章→1楽章の順に作曲された。管弦楽の協奏曲ではセクションのフィーチャーが先にきて、最後にテュッティで盛り上げるというのが常とう手段になっていると思うが、この曲では第1楽章でのテュッティが先に来る、という変則的な構成。作曲者は『この巧妙な力作を始めるために他の4つの楽章を書く必要があったことを明確にするため』と述べているが意味がよく理解できない。第1楽章は弦楽器の八音音階(半音と全音が交互に来る音階)によるスケールの激しい動きが印象的な楽章。そこに絡む管の動きもダイナミックだ。フィラデルフィア管弦楽団の弦の音に触発されたという第2楽章は、見通しの良いサウンドの中に陽気な楽しさが感じられる。緩徐楽章にあたる第3楽章では各々の楽器のソロ奏者の妙技に続いて各セクションがフィーチャーされる。特にオーボエのサウンドにほれぼれする。ゆったりとした気分が感じられる楽章で、弦のサウンドや金管のハーモニーが美しい。第4楽章はパーカッションをフィーチャーした楽章で、鍵盤を弓で弾くサウンドから始まる静的な楽章。チェレスタ、ハープ、クロタルなどの神秘的なサウンドから打楽器に焦点が移り次第に騒々しくなる。アタッカで続く第5楽章はムチなど多数の打楽器が効果的に使われている。動きは激しいものの陰鬱な気分が支配する。後半息詰まるクライマックスを迎えるが、低域の厚みが足りないためか、やや軽いのが残念。ロバート・スパーノはこの曲は再録にあたる。重量感はないものの、透明なサウンドと機敏な動きで、曲の良さを過不足なく表現している。ヒューストン交響楽団は、どのセクションも上手い。所々で出てくるヴァイオリン・ソロの艶やかなサウンドが心地よい。Higdon:Duo Duel(Naxos 8559913)16bit 44.1kHz FlacJenifer Higdon(1962-):Higdon: Duo Duel(2020)※Higdon: Concerto For Orchestra(2002)I. —II. —III. —IV. —V. —※World Premire RecordingMatthew Strauss (perc. track1)Svet Stoyanov (perc. track1)Houston Symphony OrchestraRobert SpanoRecorded: 17–19 April 2015 2–6 and 6–8 May 2022 at the Jesse H. Jones Hall for the Performing Arts, Houston, Texas, USA
2024年01月04日
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恒例の初詣に行ってきた。いつも近場の二つの神社に行くのだが、片方の神社では手水(ちょうず)を使うやり方が変更になっていた。自分で手水を使うときの作法は、次のようにやるのだそうだ。1.右手で柄杓を持って水を汲む。2.左手にかけて左手を清める。3.柄杓を左手に持ち替えて、同じように右手を清める。4.柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を受け、その水を口にふくんですすぐ。5.口をすすぎ終えたら、もう一度水を左手にかける。6.水を入れた柄杓を立て、柄に水を流してから柄杓置きに伏せて置く。出典:手水の作法についてどこの神社でも、作法について掲示されているので、そのとおりにやればいいのだ。最初の神社は上述のようなことが書かれていて問題がなかった。ところが二件目に行ったところ様子が違う。何と柄杓がなく、水の出口に竹の筒を使った造作がしつらえられていて、手前に水が出てくる仕組みになっている。そのことについて何の掲示もない。仕方がないので、手に水を受けて口を注いだだけで済ましてしまった。本当は手を浄めてから、口をすすぐというのが本来のやり方だろうが、混乱してやり方を間違えてしまった。何らかの掲示があれば良かったのだが、仕方がない。あとでどうしてそうなったのか考えてみたのだが、おそらくはコロナ禍による感染を気にしての措置だったのかもしれない。youtubeをチェックしたら、手水をつかわないやり方が載っていた。宮崎神社の神主はるちゃんねるこの動画のコメントによると、やはり『コロナウイルス感染症対策のため、柄杓を撤去して、かけ流し式の手水となっている神社が多くなっている』とのことだった。この動画によると柄杓を使わないときの作法としては二種類あるそうだ。一つ目は、柄杓の代わりに手を使う作法。二つ目は両手を洗う→両手で水をすくう→口を漱ぐ→水を捨てる→手を洗うというもの。二つ目の作法は神主さんがやる作法だそうだ。動画の中でも神主さんが仰っているが、二番目の作法が簡単で時間もかからない。これを覚えてしまうと従来の方法は面倒くさい。それにしても、件の神社、去年は柄杓があった気がするが、今更やり方を変更したのは何だったのだろうか。何らかの事情がありそうだ。
2024年01月02日
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