今が生死

今が生死

2007.02.11
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カテゴリ: 映画・DVD
昨年度のヴェネチア国際映画祭はじめ数々の賞に輝いたGood night,and Good luck を観た。1950年代共産党員およびそのシンパを排除する赤狩りの嵐が吹き荒れるアメリカでそれを煽り立てていたマッカーシー上院議員と真っ向から対立して報道の正義を貫いたCBSニュースキャスター エド・マローの物語である。当時絶対的権力者マッカーシーに睨まれたら会社もやっていけない時代背景の中で、CBS会長から対決はやめろと言われても、彼は「飼い主の手を噛むのかと言われるかもしれないが、報道の真実を貫くべきだ」と主張している。また「テレビの現状を見極めるべきだ。テレビは人を欺き、笑わせ、現実を隠している。本来テレビは人間を教育し、啓発し、情熱を与える可能性を秘めているものだが、それはあくまで使い手の自覚次第だ」とスピーチの中で述べている。
マローは今、放送界の英雄として称えられ、キャスターやテレビ人の鑑とされているが、自分の首や会社の命運のことを思い神経をぎりぎりにすり減らしていたことと思う。結果としてマッカーシーをある程度追い詰めることが出来たが、それは幸運もあったと思う。人を称えるのは簡単だが、自分がそのように振舞えるかは別である。今、日本ではみのもんた、古舘一郎、関口宏さんらがキャスターとして活躍中で、それなりのスタイルをとっているが、自分の信念を貫くのは並大抵のことではない。マローの姿を参考にしてもらいたいと思う。
関西テレビ、フジテレビの「あるある大辞典」では想像もしないような虚偽が存在した。どんな困難があろうとも報道の真実を貫こうとしたマローが「あるある大辞典」の事件を知ったらなんと言うであろうか?報道の良心がアメリカでも日本でも失われつつあるのが現実ではなかろうか。マローのスピーチを良く噛みしめて、世界の報道関係者は嘘のない、正しい、素晴らしい番組を作ってもらいたいと切に思った。星





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Last updated  2007.02.11 12:28:32
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