今が生死

今が生死

2008.11.30
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カテゴリ: 教育
今医師不足をもたらした新研修医制度が、医師不足の観点のみから大きく取り上げられているが、それも必要だが、その内容をも取り上げて、論議してもらいたい。

医師になるにはまず6年間の医学部を終了して、国家試験を受け医師免許を受ける。この段階では何科の医師になってもいい。以前は2年間の研修期間はあったが、それを受けなくても医師免許さえあれば内科、外科など何科でも開業してよかった。しかし実際には大学や大病院の内科とか、耳鼻科等の医局に入って、その科について教えてもらって、5年とか10年して一人立ちしていく場合が多かった。

新研修医制度では2年間の研修期間は必須で、その間国から修学金として給料をもらいアルバイトなどはできないことになっている。また色々な科目を勉強した方がいいとして、内科、外科、産婦人科、精神科、小児科などをローテート(順繰りに回る)することが義務ずけられている。また旧制度では研修医も処方箋も書けたし、注射の指示も出せたのに、新制度では先輩医師の監督のもとでないとそれができなくなってしまったので、実質の医師不足になってしまった。(2年間で研修医約一万五千人)

ローテートすればいい医師になるのか。給料をもらいながら学生気分で各科を見学して歩いても実力がつくとは考えられない。私は若いうちから、いや若いからこそ各専門の医局に入って苦労すべきだと考えている。

整形外科、産婦人科、眼科、脳外科、内科など身につけなくてはならないことは山ほどある。全てを身につけることは不可能だろう。

それなら、まず救急処置法、外科的処置、点滴が入らない時の中心静脈栄養法を習うべきだと思う。それを終了したら内科とか、婦人科とか各専門科に入局して専門を学べばいいと思う。

昨夜90歳の点滴が入らない女性患者について電話があり、外科系の当直の先生に中心静脈栄養のルートを確保してもらった。いつもその先生には外科的縫合などでもお世話になっており、自分があまりその方面の訓練を受けてこなかったので、悲しく、面目なく思い、研修医はすべからく上記外科的処置などはマスターしておくべきだと思ったので私見を書かせて頂いた。





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Last updated  2008.11.30 22:01:36
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