今が生死

今が生死

2009.03.15
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カテゴリ: 教育
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庭のモクレンが咲き始めた。これは私が25年前に医学博士号を取った記念に植えた木である。最近では医学博士号の指導教官や審査教授に謝礼をしたとか受け取ったとかで話題になったあの医学博士である。

今ではどちらかというと専門医資格の方を重視する人が多くなり、医学博士の価値も下がりつつあるが、昔はある程度の価値があり、無給、つまり給料なしで多くの医局員が何年も働いていたのは医学博士号をもらうためであった。

でもその当時も「博士号は足の裏についたご飯粒のようなもの」と言われていた。こころは取らないと気になるし、取ってもそれほどのことはないという意味だ。

私の場合も、博士号があるからと言って給料が高いわけではなく、何のメリットもないが、自己満足にはなっているかも知れない。

博士号を取るには大学卒業後大学院に行って4年間勉強して論文を提出するか、大学またはその関連施設で5年間研修して論文提出資格を得た後、論文を提出して審査を受けて合格する必要がある。

私の場合は後者だが、一般診療業務をしながら、学会発表や論文発表を行っていた頃が懐かしく思い出される。研究論文の多くは多数のデータを集め、その平均値を出し、グラフに書いたりすることが多いが、夜遅く、明け方近くまで家内にデータを読んでもらい、私が自分で作った表の中に記入し、平均値や標準偏差を計算していた。

今ではパワーポイントがあり、簡単に計算できたりグラフ化できるが、当時はいちいち自分で物差しを使ってグラフを書いていたので、大変だった。主論文はひとつだが、副論文が何本かないといけないので、いくつも論文を書いた。

医学博士号は足の裏のご飯粒かも知れないが、自分にとっては家内との共同作業の結果であり、ささやかな誇りであり、挑戦したことへのいい思い出になっている。





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Last updated  2009.03.15 21:43:37
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