入院していた奥さんに毎週届けられた旦那さんからの手紙200通
ラブレターは何歳になってからでも | 今が生死 - 楽天ブログ
4年前重症のパーキンソン病の方を受け持った。
その患者さんに4年間1度も欠かさず毎週ご主人が手紙を書き続けてきた。手の自由が効かず自分で封を切ったり封筒から取り出すことが出来ないので、看護師か医師が読んでやっていたが、理解力が落ちており、喋ることも出来ず、殆ど分からなかったのではないかと思う。旦那さんへの返事は一度もなかった。それなのに毎週一方通行の手紙が届いていた。看護師がその手紙を保存してくれており、約200通に達していた。
その患者さんが2週間くらい前からコロナ感染後熱が下がらず、間質性肺炎になり、播種性血管内凝固症候群(DIC)も合併してステロイドや抗生物質、ヘパリン、消化管出血に対する輸血などの治療もむなしく昨日お亡くなりになった。享年80歳だった。
最後は医師から下顎呼吸をしており危篤状態で、今日明日だと思いますと宣告を受けて看護師から何度も夜中に連絡を受けて旦那さんが病床に駆け付け背中をさすってやったりしていた。その愛情が通じたのか医師から最期と思われますと言われてから1週間以上延命した。
人の死に方は様々だと思う。健康に暮らしていて突然コロリと亡くなる、ピンピンコロリが理想かも知れないが、そのような死に方が出来る人は少ない。がんの末期ではモルヒネ注射を受けながら苦しみながら亡くなることが多く、パーキンソン病等の難病では体が動かなくなったり、喋れなくなったりして惨めな状態で生きながらえて最後は何らかの合併症でお亡くなりになることが多い。昨日亡くなったケースもそれに近い状態だったと思われるが、ご主人の愛情に支えられて1週間以上も命を伸ばし、外から見ると苦しみの時間を長引かせ、可哀そうと思われたかもしれないが、ご主人にとっては最後の最後まで面倒がみれて思い残すことがなく、幸せだったのではないかと思った。患者さんご本人は意識がないのでどのように感じていたか分からないが、なんとなくご主人の愛情を感じて幸せだったのではないかと推察した。
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