今、世紀の衆議院選挙真っただ中で今回は何が何でも投票に行こうと思っておられる方が一杯いるかと思ったが、必ずしもそれほど盛り上がっていない。それは自分がある候補者に投票してもその人が当選しなければ死票となってしまい、自分の意見は無視されてしまう。投票に行っても自分の意見があまり伝わらないなら、わざわざ投票に行かなくてもいいと最近の投票率は50%を少し超えるくらいで、今回も投票率が急上昇してくれる気配はない。その傾向は現在の小選挙区、比例代表並列の選挙制度が始まって以来続いている。
選挙制度は小選挙区制、大選挙区制、中選挙区制と変遷してきたが、政権党主導で1990年から小選挙区制が始まり1996年から小選挙区制と比例代表並列式の現制度がスタートしている。それを主導した小沢一郎氏らは、それまでの中選挙区制では一つの選挙区で複数人当選するので同じ与党候補者同士が同士討ちを行うこともあり、選挙後の政局が安定しない。それを防ぐには1選挙区一人しか当選しないようにすれば同士討ちはなくなり、選挙費用もかなり安く抑えられる、と懸命にその制度導入に動いたが、制定後の流れをみるとデメリットの方が目立つ。
まず1選挙区一人しか当選できないので落選した候補者に投票した人達の意見は国会に反映されない。毎回50%位の死票がでて、少数意見は反映されていない。又候補者は当選したいばっかりにその選挙区地元の利益誘導に走ったり、便宜を図ったりして汚職の誘因になりやすいなどの問題がある。
また1選挙区だけでしか当選できないので同党の人がA区で有力の場合自分はB区に挑戦しようとする場合、主義主張とは関係なく地域とも関係なく、同じ党というだけで他地区に立候補することになり、節操のない、能力の低い人が当選してくる可能性もある。故石原慎太郎氏は「能力の低い代議士が増え、日本の発展が止まったのは小選挙区制に原因がある」と述べている。
私も同じ意見で中選挙区で5人ぐらい当選できるようにして一位以外の人に投票した有権者の意見も2位から5位当選者までに反映されることになり、死票はかなり少なくなる。半数近くの有権者の意見が無視される現行の小選挙区制には断固反対である。与野党でよく話し合って皆さんの意見が多数反映される選挙制度に変えてもらいたいと切に願っている。
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