[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2016.01.03
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カテゴリ: 映画
さすがに2日間も家にいると退屈で仕方が無い(笑)。
今日は生活リズムを戻すために朝の5時過ぎに起きて、翌日の仕込みと店の掃除をして来た。

しかし、それでも昼前には終わってしまい(笑)、結局はまた部屋で映画鑑賞…。
外出すれば余計な出費に繋がるし、何とも歯痒い正月になった(笑)。
東京物語 】と【 麦秋 】を続けて観たので、同じ「紀子三部作」の第一作目、小津安二郎監督&原節子主演による【晩春】もついでに観てみた。


【ダラス・バイヤーズクラブ】…満足度★★★★


HIVに感染し、余命30日と宣告された男が、独自のルートを作り、米国内で未承認のエイズ治療薬を販売し始める。
やがて、それは利益優先の医療業界の現状に一石を投じる組織にまで成長するが…。
実話を基にした作品。

「死なないのに必死で、生きてる心地がしない」と洩らす主人公が、どうにもならない現実に悪態を付きながらも、世界中から治療薬を探しては非合法に売りまくり、そこに生きる意味を見出だそうと足掻く姿は、鬼気迫るものがある。
最初は利害関係で始めた商売が、同じく利潤追及の医療業界と相対する内に、やがて人間の尊厳を懸けた活動へと変貌していく様も見ものだ。
また、保守的な南部育ちの主人公が、自身もホモだと勘違いされ差別的扱いを受ける中で、同じく死の不安に苛(さいな)まれながら生きる同性愛者達を受け入れ、友情を育むまでになる過程は、今作のもう一つの見所だろう。

正直、主人公は立派な人間ではないし、ストーリーも感動的とは言えないが、観る側に訴え掛けるものがある力作だ。
別人かと見間違う程に減量して今作に挑んだ、主演のマシュー・マコノヒーが何より素晴らしい。



【晩春】…満足度★★★


結婚する気配の無い娘を心配する父親と、その父親の再婚話に動揺する娘のやり取りを情感豊かに描いた良作。
原節子の演技が瑞々しい。
旅行先で、結婚を渋る娘に対し、父親が掛ける言葉が胸に染みる。

ただ、「紀子三部作」の第一作目だからか、表現に若干の辿々しさを感じた。
【東京物語】は「無駄」どころか「隙」すら無い完璧な映画だったが、【晩春】には「隙」もあれば「無駄」もある。
(特に、お能の場面はやけに長い気がした)
まあ、逆に、それが大衆的な親しみ易さを生んでいるのかも知れないが…。

これを観ると、内容的にも表現的にも三部作は順番に観るべきだと実感する。
その方が、世に言う「小津調」が研ぎ澄まされていく過程が良く分かる筈だ。
(僕は逆順に観てしまったので、評価は下がる一方に…笑)



【バチカンで逢いましょう】…満足度★★★☆


ローマ法王に会うため娘の家を飛び出し、単独バチカンへ向かう敬虔なカトリック信者の老女が巻き起こす騒動。
彼女にはどうしても法王に告白しなければならない罪があった…。

とは言え、そこはイタリアが舞台。
決して悲観的にならず、何があってもどこか陽気だ。
イタリアでは「マンジャーレ(食べて)、カンターレ(歌って)、アモーレ(愛して)いる内に一生が終わる」と言われるが、正にそれを地で行く様な作品。
大きな感動こそ無いが、観ていて素直に元気になれる。

祖母、娘、孫娘、3世代の女性達が各々に出会う愛情の行方にも注目だ。





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Last updated  2016.09.01 19:38:42
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