[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2018.02.06
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後半は、ファントムハイヴ家の側から、ヴィクトリア女王に繋がる物語を探ってみた。



現在連載中の「青の教団編」を読んでいて思うのは、ファントムハイヴ側の人間がその「血脈」に並々ならぬ執着を見せている事だ。
確かに正統な継承者である兄シエルが亡くなったとは言え、直系で双子の弟がまだ生きている。
にも拘らず、何故そこまでして兄を復活させなければならないのか…?

もしかすると、ファントムハイヴ家は本来は由緒正しい家柄なのではないか?
しかし、何らかの理由で「女王の番犬」という地位に貶(おとし)められた、或いはその地位に身を隠している…。
そこで思い付くのが、ヴィクトリア女王の「ハノーヴァー朝」以前に英国を統治していた「ステュアート朝」の存在だ。


ステュアート朝はスコットランド起源の王朝で、アン女王の死去により1714年に断絶している。
ただ、後継者がいなかった訳ではなく、アンの異母弟ジェームズがいた。
しかし、彼は父に従ってフランスへ亡命しており、またカトリック信者であった事がプロテスタント中心の英国議会では歓迎されず、王位継承の機会を失ったのだ。

その後、英国の謀略により、亡命先のフランスからも追放されたジェームズは、1715年に復位を目指してスコットランドで反乱を扇動するが、あえなく鎮圧。
更に、1745年には息子のチャールズが中心となって大規模な反乱を起こすが、これも失敗に終わり、ここにステュアート朝による英国王位奪還の夢は完全に潰えた…。

ステュアート朝とハノーヴァー朝の間には、少なからず遺恨があるという事だ。


と、ここで面白いのが、このステュアート朝の祖先となるステュワート氏族の役職だ。
何と、ステュワート家はフランスのブルターニュ地方で「執事」を務めていた一族の子孫なのだ。
ステュワート家では、この執事の地位は代々世襲されていた。
ステュワート(Stewart)という姓は、一族の官職名である「Steward(執事)」が語源となっている。
(その後、メアリー1世の時代に、フランス語に基づく「Stuart」へと綴りが変更された)

スコットランドへ移住後の14世紀、第6代王室執事長を務めていたウォルター・ステュワートが、国王ロバート1世の娘と結婚。
ロバート1世の息子が亡くなったため、ウォルターの息子が王位を継承し、ロバート2世として国王となる。
これがステュアート朝の始まりだ。
(因みに、このロバート2世は父ウォルターが31歳という若さで亡くなったため、僅か10歳の時に王室執事長の地位を継承している)


ここまで読んでみて、どうだろうか…。
ステュワート氏族の歴史を紐解いて行くと、「執事」を始め「フランス」や「10歳」など、【黒執事】の世界観に繋がるキーワードが幾つも出て来る。
勿論、これを以て、直ちに「シエル達がステュアート朝の末裔である」とするのは早急だ。
葬儀屋の目的や、「蒼き星」の謎もまだ残されている。

とは言え、作者の枢やなが構想の段階で、ステュワート氏族を参照した可能性はかなり高い。
そうなれば、全く何の関係も無いとは言い切れないが…。



ただ、まあ、もう疲れたので、これ以上は調べたくないし、考えたくもない(笑)。
来週には月組【カンパニー】の観劇も控えているし、いつまでも漫画にばかり時間を割いている訳にはいかないのだ。

これが、僕の頭脳で想像しうる限界だと諦め、後は単行本の発売を楽しみに待つとしよう。



ヴィクトリア女王やステュワート氏族に関しては以下を参照。

『ヴィクトリア女王 - アルバート公子との結婚と「共同統治」
『ヴィクトリア女王 - 喪服時代
『ステュアート朝 - ステュワート氏族
『ステュアート朝 - 歴史





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Last updated  2018.02.08 23:08:25
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