[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2019.10.12
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カテゴリ: 宝塚
『日本オーストリア友好150周年記念』作品となる今回の月組公演【I AM FROM AUSTRIA】は、宝塚との親和性も高く、誰もが肩肘張らず楽しめる娯楽作品となっている。
老舗ホテルの御曹司ジョージ(珠城りょう)が、ハリウッド女優のエマ(美園さくら)と出会い恋に落ちるという、内容的にも宝塚らしい王道のラブコメディだ。

ただ、個人的には「恋愛」要素よりも、「家族」や「夫婦」の要素の方が強く印象に残った。
それは、やはり鳳月杏の存在による所が大きいだろう。
(或いは、僕が結婚も離婚も経験した四十路男だからだろうか…笑)

彼女が演じるヴォルフガングは、一見すると妻ロミーの尻に敷かれている情けない夫に映る。
しかし、実際は誰よりも家族の幸せを考えている懐の深い男性である事が、その言動から次第に分かって来る。
その演じ分けが絶妙に上手い。
軽くなり過ぎず、硬くなり過ぎず、妻と息子の間を取り持つサスペンション的な立場を「家族愛」を軸にしながら鳳月は見事なバランスで演じていた。

そんな、チャーミングでありながら、ダンディさを失わないヴォルフガングの役作りは、どことなく瀬戸かずやを彷彿とさせた。
花組で培ったものを、鳳月はしっかりと月組で活かしてくれている。
今度は、その鳳月の芝居を見て、月組の若手がその技術を学ぶ番だ。
頑張れ、若人達よ!! ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

そして、改めてお帰りなさい、ちなつ!! ♡))ヽ(´▽`)/

鳳月と夫婦を演じた海乃美月も、さすがの演技を見せた。
特に、第2幕『S11 ラウンジバー』でヴォルフガングと語り合う場面では、本当に年齢を重ねた女性のような哀愁まで感じさせ、思わず見入ってしまった。
全体的にドタバタ感の強い今作品にあって、この熟年夫婦のやり取りは妙に沁みた。



そんな年相応の2人とは対照的に、年長者にも拘らず誰よりも元気で弾けているのが、光月るう演じるエルフィだ。
本場ウィーンの舞台映像を観た時に「妙に気になって仕方がない(笑)」と書いたお婆ちゃんこそ、実は彼女だったのだが、この人がとにかく面白い。
物語の鍵を握るような役ではないものの、現れる度に何かしてくれるので、ついつい目で追ってしまう(笑)。
開演まで、誰が演じるのか気になっていたが、光月は正に納得の芝居で楽しませてくれた。

出番は少ないが、エマの母親ヘルタ役の夏月都も、一般の主婦感が凄く出ていて良かった。
(「主婦感」という表現が、タカラジェンヌに対して適切な褒め言葉かどうかは不明だが…笑)
彼ら大人の安定感があってこそ、若者達の恋愛がより眩しく映るのだろう。



と、ここまで書いて気付いたが、4人とも名前に「月」が付くジェンヌだった。
なので、今回はここまで(笑)。
次回は、若者達の感想を書いて行きたい。





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Last updated  2019.10.12 21:56:44


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