[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2021.02.19
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カテゴリ: 宝塚


演目のイメージも関係しているのだろうが、今公演は礼真琴と舞空瞳コンビが持つ「純真さ」や「初々しさ」が際立つ舞台だった。
だからと言って、それは決して未熟さの裏返しではない。
実力的には、寧ろ2人とも確実に逞しさを増し、特に礼は熟練の域に達しつつある。

実際、雪組【fff】を観た後の【ロミオとジュリエット】でも、礼真琴は望海風斗と比べても何ら見劣りせず、完璧にロミオを体現してみせた。
違うとすれば、それは単に2人の持ち味の差でしかない。

舞空も、前作で魅せたダンスだけでなく、今公演では歌唱力の高さも証明した。
芝居でも、ジュリエットの可愛らしさだけでなく、ロミオへの愛に生きようとする意志の強さをしっかりと表現しており、礼の相手役として不足の無い芝居を見せている。

トップコンビとしての経験値を除けば、既に完璧に近いレベルの2人。
それでも尚、失われないピュアな輝きこそ彼ら最大の魅力であり、それを最大限に活かせる演目が【ロミオとジュリエット】だったのではないかと思う。
(まあ、次回作の【柳生忍法帖】は真逆のイメージになりそうだが…笑)
【ロミオとジュリエット】は礼・舞空コンビにとって、望海風斗と真彩希帆にとっての【ファントム】的な作品となるかも知れない。

前回公演で「今はがむしゃらに」と言った礼真琴の道の先に、確かな光を見た気がした。
これからも、まこっつあんを信じて付いて行こう。

そんなトップコンビを対極の立場から支えつつ、自身も一騎当千の活躍を見せているのが、ティボルト役の2番手・愛月ひかるだ。
モンタギュー家の3人(ロミオ、ベンヴォーリオ、マーキューシオ)を相手に一歩も引かぬ存在感で、キャピュレット家の物語を牽引している。
尚且つ、表面的には粗暴に映るティボルトの繊細な胸の内を歌唱力で見事に表現し、自らの成長をも感じさせたのは、さすがと言う他ない。



今の星組は、礼・舞空・愛月のトリデンテによる核融合を中心に、個々の原子(組子)が縦横に動き回り、何処でどんな化学反応が起こるか分からない、そんなワクワク感に溢れている。
観劇して「舞台は生もの」の面白さを今最も感じられるのが、星組だと言って良い。

特に、今公演では愛月が演じる「ティボルト」と「死」の役替わりが、A日程とB日程で舞台の印象を大きく変える台風の目となるだろう。
ティボルト役の瀬央ゆりあ、死役の天華えまは、愛月の胸を借りて全力でぶつかって欲しい。
この役替わりは、生え抜き2人に対する劇団の期待の表れであり、同時に試練の場でもある。
(ここにベンヴォーリオ役の綺城ひか理、マーキューシオ役の極美慎がどう絡んで来るか…)

次回は、この4人を中心に感想を書いて行きたい。
更新は、来週の祝日以降になると思う。

ありがとう!!





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Last updated  2021.02.20 20:17:05


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