[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2023.02.13
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カテゴリ: 宝塚
【週刊少年ジャンプ】の人気漫画『 あかね噺 』が連載開始から1周年を迎えた。
まだ1年という気もするし、たった1年でここまで物語が進んだ事に驚いてもいる。
巻頭カラーの今週号も読み応え充分で、話芸である落語の面白さを漫画できっちり表現しつつ、そこに噺家の生き様とプライドまで絡めて描くセンスに唸らされた。
これからも期待したい。

と、今日の主題はそこではない。
連載1周年を記念して掲載されたスペシャル対談の中で語られていた事が、僕が以前ARIにアドバイスした「 他人の芝居を真似してみる事で、彼らがどうやって喜怒哀楽を表現しているかが実感として分かって来る 」という話と似ていたので紹介したくなったのだ。
抜粋なので、全編を読みたい人はぜひ今週号のジャンプを手に取って欲しい。



末永裕樹(原作者):
なるほど!芸を模倣する事でその人の思考を追体験して、人間性を知るんですね。
とすると、一人の師匠だけでなく色んな方から芸を教わるという事は、色んな人間を知った集合体として、自分の芸が出来上がっていく事になりますよね?


月亭方正(落語家):
僕にも弟子がいて、最初はずっと落語落語落語…っていう奴でした。
それで「違うで。人間的に成長せんかったら最初だけや。小器用に落語やって上手いと言われても、その先の深みなんて出えへんで」と、よく言いました。
落語って結局、最後は人間やと思うから、その人の人間性を、落語を通して皆さんにお見せする芸なんです。

ある人から噺を教わるのは、その人の「人間性を頂く」という事なんですよ。(中略)
だから貰った人はちゃんと感謝して、次は自分が下に与えていかないといけません。
師匠から頂いた人間性に、自分の人間性も乗っけたものを、今度は僕が下に教えて、下はその下に…って繋げていくんです。



テレビで観ていた頃はただのアホだと思っていた山崎邦正が(失礼…笑)、落語家に転身してこんなに立派な事を語っているのを読むとちょっと嫉妬してしまうが、彼の発言はタカラジェンヌの芸事にも通ずる部分があるのではないだろうか。
また、歌手の宇多田ヒカルは自身のライヴ配信の中で「人に想いを伝えるのが下手です、どうしたら良いですか?」という質問に対して、こう答えている。

「逆に、どれくらい本を読んでますかと聞きたい。アウトプットするには良いインプットから」

或いは、オーストリア出身の精神科医、アルフレッド・アドラー(1870~1937年)の「目的論」によれば、自分の未熟さは全て自分に原因があるという。
未熟な思考パターンを使い回した所で、新たな「意味づけ」を見出す事はできない。
自身のこれまでの考え方や価値観を改善するためには、自分より優れた人の考え方や、価値観に触れる必要がある、と。

ARIのフォトブックで対談した極美慎は「私は今、男役9年目なんですが、今までアウトプットする事ばかり考えていたなと思う」と話していたが、このように別ジャンルの人達が同じ発言をしているのを知れば、ARIの「良い役者になるには、人としての成長が凄く大事」という言葉の意味もより深く理解できるのではないかと思う。
それは、自分が上級生になった時、下級生に何をどう伝えて行けるかという問題にも直結する。

極美に限らず、若いジェンヌ達にはどんどん良いインプットをして欲しい。
そのためには、憧れのOGや上級生の芝居をこれまで以上に研究して芸を磨くと共に、人間性を磨くために今までと違う世界やジャンルにも積極的に触れてみる事である。
それが、君達に新たな視点や気付きを与えてくれるだろう。

例えば、『あかね噺』を読んでみるとかね…(笑)。







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Last updated  2023.02.14 08:05:47


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