仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2005.11.07
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カテゴリ: 東北
先ほど息切れしましたが、復活。実は娘を寝かし付け、いつもはこっちも寝てしまうのに起きたのですが、無事机に帰還いたしました。そこで、河北新報ネタ「頑張れ我らが河北新報」(いつから変わったの?)の2題目です。

郡山市の原市長の 「市民にも連帯責任がある」発言の記事 。これも記者の実名あるのは良いです。

市政運営に対する市長の認識を疑問視する声が出ている、という報道だが、結局言っていることは、市長が「市民にも連帯責任」といった一事を取り上げて、これを撤回・謝罪しないのはおかしいというだけ。私には、表面的な事象にナンクセつけるだけの記事、この記者が何か取材で面白くない思いでもしたのかな、ぐらいにしか受け止められなかった。言葉の問題以上に、何が問題なのかの説明がないからだ。

市長も言い訳しているそうだが、市議会での予算・議案の審議で決めることで、終局的には市民が首長や議員の選挙という形で意思を表明するという意味であれば、至極当然であって何が問題なのだろうか、と思う。
正直に言うと、ああ、こういう首長がいても良いなと、私は思うのだ。河北新報の記事は、発言の撤回と謝罪をすべきだと暗に誘導する書き方だが、私は、逆に、市長が信念で語ったのならば、軽々に撤回しないでほしい。
前市長時代の問題であるが、回収できないという意味で市民の負担に帰する。そのことを指して言っているなら、そのとおりである。それを議会を通じて主権者たる市民の了解を得て事を進めるということだ、ととりあえず私は理解できる。

更に言わせてもらうと、記事中に河北新報が多用するいつもの学識者が登場する。私も存じ上げている先生だけれども、仙台にいた時代ならともかく、離れてもなお使い続けているというのは、多様な意見を公平に報道する姿勢に反するのではないか。またウガッて見れば、一応学識者の意見も聞いて記事に厚みを出しました、というアリバイだけで、本当に問題を検証する姿勢がないのか、と私は思ってしまう。
内容も疑問だ。引用した学者の意見は「市民は納税で責任は果たしているから、それ以上に市民の連帯責任をいうのは市民に市長を選んだ不明を恥じよと言うことでおかしい」(わかりやすく私が書き換え。)ということだ。
でも、それでいいんじゃないの。法理的にはたしかに市民には責任はなく、納税は強制だから、会社になぞらえれば株主の有限責任にとどまる(なおこういう場合に「納税者だから」を持ち出すのが一般的だが、非課税世帯も多いし、そもそも租税はサービスの対価であって、納税者たることが本質ではない。租税が無くても政府は存立する。主権者たる住民の負託にこそ本質があるというべき)。しかしカネの話は別にして、政治的には、当然責任はある。でなければならない。民主政治の主権者たる以上、住民の選択の責任は問われるのが当然だ。
ただ、こうなってくると「責任」の意味が幅広くなり過ぎで、どういう意味の「責任」なのか言葉の意味の議論にもなって、意味がない。いずれにしても、「責任」発言の是非だけを論じようとしても、一過性の攻撃や溜飲を下げる効果があるだけで、生産的でない。当の市民団体も言葉の謝罪が本意ではなかろう。

問題に切り込む姿勢、多角的な検証、という両面でピンと来ず、読んで不満足感の残る報道であった。大衆迎合の表面的役所批判以外に、何が問題なのか伝わってこない...

しかし、この件は31日の記者会見での発言とのことで、各メディアも報道してる。ネットで、毎日、 朝日 福島民友新聞社 福島中央テレビ 、などを見た。
そして、福島中央テレビのHPを見て、いくぶん納得できました。市民団体が「薬学部の誘致計画は市が内密に進めたもので市民は直前まで計画を知らなかった、『市民にも連帯責任がある』とするのは責任転嫁だと、発言の撤回と市民に対する謝罪を求めました。」ということだ。
これならわかる。河北新報も、おそらく地元では忠実に報道をしていて、一週間おいて全国?版にこの「発言」問題だけを取り上げた形となっているのだろうが、「発言」を一般論として取り上げたこの記事だけでは、何がなんだかわからない。





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最終更新日  2005.11.07 23:59:22
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