仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2005.12.02
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テーマ: 高校野球(3683)
カテゴリ: 教育
ある週刊誌の記事で読みました。高校野球特に甲子園を神聖視してきた全国紙も現実を見始める時期、というような論調の記事でした。

具体的には、全国から球児を集める私立強豪校が、多数の野球部員を集めるのはいいが、現実には相当の数の「脱落者」を出している実態がある、との内容。
そして、他県から野球部員を集めているベスト5に、山形県と宮城県が入っていました。
(斜め読みしたので、こんな感じの記事でした、という程度です。)

ナルホド、という感想を持つとともに、このような実態を是非オープンにして、いかに対応すべきか論議して欲しいと思います。

この問題、そもそも問題の所在は何なのか、と想像するに、行きすぎた勧誘に伴う不透明や入学処理の実態だろうと漠然と思っていましたが、大量の「脱落者」という記事で問題意識に伴う中身を教えてもらったという感じがします。(これがナルホドの意味です。言われれば当然とも思えますが)。
「脱落者」に対して、合意に基づく競争の論理もある程度は通用するのかも知れませんが、全ての生徒に十分なケアができてこそ教育であって(あくまで学校教育の一環)、仮にケアのできる限界を超えて勧誘しているのならば、野球中心の学校「教育」内容も含めて、よく論議されるべきです。

私は仕事の関係で、宮城県内の有力な私立高の幹部に何度かお話を伺う機会がありました。各種スポーツで県外から優秀な生徒を入学させる一方、学業面でも停滞する県立を尻目に実績を上げている学校です。いち早く中高一貫教育を導入し、また施設面でも県立とは比較にならないほど素晴らしく、教職員の熱意も感じられました。
その幹部は、名前だけ在籍させて実際にはその学校にはほとんど居ないような(卓球の某有名女性選手のこと)、経営の論理優先の東北北部の某学校とは違いますよ、との趣旨の話をしていたのを思い出します。
その学校も、ちょうどその頃に野球部が相次ぐ不祥事で、やがて活動自粛や部員募集停止をするという状態だったのですが。

根底には私学のモラルが問われます。また、ある種の制裁も必要かも知れませんが、それにしても「大会出場の際に他県出身生徒の登録を制限する」式の対応は、短絡的で筋違いである上に、生徒に責任を転嫁するようなもので反対です。

高野連の当事者能力の程はわかりませんが、ここは、教育の観点を重視して、是非公明な議論を進めて欲しいです。

そういう意味では、甲子園礼賛の全国紙を読んでいては、確かに問題の適切な理解ができなかったのかも知れません。

関係する以前の日記
 ○ 高校野球の「野球留学」抑制論議を考える (11月25日)
 ○ 高校生の「野球留学」を考える (10月20日)





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最終更新日  2005.12.02 23:45:34
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