仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.08.14
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カテゴリ: 東北
大館城(桂城)に化け猫が出たという。

鎌倉幕府は甲斐国浅利郷を本拠とする鎌倉御家人浅利氏、大館地方一帯の地頭職を与え支配させた。南北朝の動乱期を経て16世紀に入ると、交通や軍略の要衝である大館地方を支配しようとする南部・安東(秋田)氏と、独立を堅持しようとする浅利氏との間に、めまぐるしい攻防が展開される。天文十九年(1550年)浅利勝頼により大館城が築城されたが、太閤検地により、この地は秋田氏のものとなった。関ヶ原の後、秋田氏は常陸に移封され、かわりに秋田県一帯は佐竹氏が支配することになる。(一国一城令の例外としてこの城は横手城同様に存続。)城は戊辰戦争で焼失。

以上が略史だが、天正10年(1582年)に城は浅利氏から安東氏のものとなる。やがて(秋田)実康が大館城に入場したときのこと。城下を進む実康の行列の前に巨大な猫が居座る。その時は忽然と消えたが、今度は城の湯殿に出るようになる。実康みずから湯殿に潜み、化け物に斬りつける。臣下総動員で赤い血の跡をたどると、林の洞窟に巨大な猫股が倒れていた。実康は、虫の息の化け猫にとどめを刺した。

しかし、その夜から奥方は原因不明の病に苦しみ、年末に死去。実康も同じく不明の病で死ぬ。

浅利様のたたりだとして、城内では猫を大事にするようになったという。

(平川陽一編『日本列島名城の謎』1995年 トラベルジャーナル などを参考にしました)





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最終更新日  2006.08.14 06:54:30
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