仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2007.06.20
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カテゴリ: 雑感
なぜか思い出すのだが、3年ほど前のこと。当時2年生の上の娘と初秋の蔵王で親子キャンプに参加した。2日目の山歩きはあいにくの雨模様。でも子供の忍耐力は意外とすばらしい。一度始めると最後まで完歩しようとする姿勢には、ひそかに感心した。日ごろのグータラは親の鏡か。時折の野外活動も必要だ。

さて、その時のこと、雨で足下の悪い斜面を降りてくる途中、建物の入口階段に腰を下ろして休む。冬はゲレンデのレストハウスになる建物だ。しばしの休息の後また歩き出す。指導者の先生が子供たちに声をかける。

「お~い、みんな~。降りれ~。」

あれ、降りろ、ではなく、降りれ、ですか。なんだか新鮮でもあり懐かしくもある響きだ。ずーっと昔子供の頃に、食べれ、降りれ、の命令形を誰かが話していたような気がする。岩手の私の育った地域で普通に話す用法ではないのだが、耳に残っているのも確かだ。どの辺りの言葉なのだろうか。何十年ぶりに聞くコトバ、この先生はどこの出身なのか、などと一人考えていた。

食べる、降りる、の標準的な活用における命令形は、食べろ、降りろ、だ。上(下)一段活用の動詞だから。これをワザと五段活用的に命令形を作ってみると、食べれ、降りれ、となる。昔の日本語と関係しているかも知れない。

さて、この用法で行くと、こうなるはず。

(上一段活用)降りれ、起きれ、落ちれ、着れ、浴びれ、閉じれ
(下一段活用)食べれ、捨てれ、寝れ、受けれ、見せれ、出れ

それでは我が家の日常の会話を、食べれ降りれ用法で表現してみよう。

(朝)コラ早く起きれ。階段降りれ、ご飯食べれ、早く家を出れ!
(夜)オイ学校のプリント見せれ。部屋のゴミ捨てれ。パジャマ着れ。サッサと寝れ!

子供たちはコトバの感受性と順応性が高いから、もし親がこんな会話していれば、子供たちは確実に食べれ用法の言葉の伝承者になったろう。





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最終更新日  2007.06.20 05:35:18
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