仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2012.06.06
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カテゴリ: 雑感
日曜夜の速報にはビックリした。菊地容疑者の身柄確保というものだ。

さあ、それ以来マスコミは連日容疑者達の足取りや何やらの報道騒ぎだ。逮捕それ自体、また潜伏していたとされる家屋の映像、更にはオウム事件とは何だったのかなど、テレビや新聞ならではの解説も重要ではあろう。

問題だと思うのは、一過性の大衆受けする報道にだけ前のめりになる体質が見事に出てしまうことだ。例えば、菊地容疑者がこう語っている、などは警察が説明しているだけの一方的な情報だ。また、手配中の高橋容疑者もつい最近まで一緒にいたらしいこと、昨日今日当たりの報道では、月曜日に銀行から金をおろした、住民票を不正に取得した、どこの駅前の防犯カメラに映っていた...

要するに、生々しくて話題性タップリなら飛びついて報道するという姿勢なのだ。銀行、住民票、防犯カメラにしても、テレビ記者が直接情報管理者に取材したわけではあるまい。警察側の情報管理と操作に乗っているだけだ。

日頃は、マイナンバー法にしても情報源問題にしても、プライバシー侵害だ、国民の知る権利だ、報道の自由だと論陣を張っているマスコミが、これなのだ。暇な視聴者達が話題を豊かにする欲求に迎合して、視聴率稼げとばかりに少しでも突っこんだ情報を提供しようとする。そこに来て、基本的には捜査情報は警察のワンサイドだから、批判やウラ取りもなく警察の情報を我先に掴んでは、適当に周辺の映像や市民の声をつないで報道記事にする。それで良いと思っているのだ。国民の一挙手一投足は当局に捕捉されています、その方が良いでしょう、と片棒を担いでいるに他ならない。

容疑者の逮捕と弾劾、またオウム真理教の責任と社会的背景などは、わが国民がしっかり評価や対処すべきで、それこそメディアの報道と自由な論評があるべきだ。だが、瞬間的なお茶の間のニーズに迎合して、悪く言えば一億総白痴じゃないが国民の健全な批判精神を歪めこそすれ、報道の価値は低い。あまっさえ、容疑者の人権保障などの観点はおろか、プライバシーや情報管理に関する国民一般の利益すらどうでもいいとばかり、ひたすら警察の情報に頼る。

私自身、日頃は、個人情報保護や防犯カメラなどの問題は一部マスコミが過度にプライバシー侵害を煽っているとさえ思う立場だが、こんな報道ぶりを見せつけられると、本当にメディアの質が問われると思う。TV界で誰か有識者が論評して欲しいものだ。





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最終更新日  2012.06.06 06:24:50
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