仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2013.01.03
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カテゴリ: 東北
今年の東北の大きな選挙と言えば、まずは今月27日投開票の山形県知事選だ。今朝(3日)の河北新報では、自民から対立候補は可能性がなくなり、無投票再選が濃厚と報じている。

現職の吉村氏本人は「県民党」を標榜しているが、民主、共産、社民は前回に引き続いて吉村氏支援の姿勢を決めており、他方で、前回は敗退した現職を支援した自民は、県議の大半が支援しているなどの事情から主戦論はなく、12月に自主投票を決定した、という経緯だ。吉村氏には県内35市町村の首長がすべて支援するほか、農政連や連合も支援方針を決めている。

それにしても、都道府県知事選で無投票というのはあまり聞いたことがない。

我が国の社会文化に即したリーダー像やその選出過程のあり方、また、直接選挙の実施を典型とする民主主義がどう運営されているかの実態をよくよく考究するとき、名望家政治的な一つの理想像を想定すれば、たしかに無投票による選考もありうることとも思われる。特に、候補者やマスコミによって歪められたイッシューや雰囲気で投票行動をとることも少なくないことから、また、表層的な政治対立や選挙のコストなどを弊害と割り切れば、そう考えることもできるかも知れない。

しかし、かりに結果が明らかだとしても、直接選挙を通じて争点や政治的方針の明確化を迫ることは非常に重要だと思う。候補者擁立過程や選挙戦、また投票率などによって、課題や期待などが浮かび上がり、県政の方向を論議する最高の機会となるはずのものである。

吉村氏は昨年6月に再選を目指し出馬を表明。かなり早い段階という気もするが、それまでにも自民との距離は縮まっており、昨年末の総選挙では吉村氏が親民主の姿勢をとらなかったことで全方位の政治的立場を確立したようだ。

前回選挙では自民が支援する現職を、チェンジを旗印に民主党の鹿野道彦氏や近藤洋介氏らが支えた吉村氏が猛追した。自民党県議もほとんどが現職支援ではあったが、有力首長が吉村氏を支持し、また各地の現職批判票をうまく取り込んで終盤に逆転した。そもそも山形知事選は、前々回も斎藤氏が現職の高橋知事を破っているから、現職落選が2度も続いたことになる。しかし、吉村氏は任期中の県政運営で自民を含むオール与党ともいうべき構図を打ち立てきたのであるから、まさに卓越した政治感覚の持ち主なのだろう。

ところで、河北の記事では、知事選の無投票は59年の我孫子知事再選以来、全国では03年鳥取知事、11年高知知事に次ぐ事例、と説明していた。





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最終更新日  2013.01.03 09:02:58
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