仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2016.06.26
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カテゴリ: 仙台
先日、河北新報に載っていて軽い衝撃を受けた。

昨年末に開業の地下鉄東西線は、日本一の標高を誇る(?)八木山動物公園駅の手前で、竜の口(河北の表現)渓谷を橋で渡る際に一度外の空気を吸うのだが、この橋は「2階建て」で、下は地下鉄電車が走り、上には道路橋が整備されているのだ。工事費55億円の内訳は車道32億円、東西線23億円で、効率化のため一体化して架橋したとのこと。

上下式の併用橋とは、知らなかった。記事が解説するのは、都市計画道路計画がたどっている経過だ。

都市計画道路の 川内旗立線 は、川内亀岡町から、3つのトンネルと、この竜の口を渡る橋を経て、太白区ひより台、旗立に至る。しかし、仙台市では事業着手時期は未定とする。市中心部へのアクセス向上で期待された道路だが、東西線開通もあり地元の熱意は冷めつつある。その上、渓谷一帯はオオタカやハヤブサが生息するため自然保護団体の反対もある。八木山地区の地元では、現在はむしろ、青葉山と八木山を結ぶ散策路としての橋の活用を市に提案しているという。

川内旗立線と聞くと、若い頃に見聞きした仙台の道路の環状と放射状にめぐらされたネットワークを想起する。 南小泉川内線 といっしょになって、国道4号や北環状線よりも内側の都心部をまわる道路だったと受け止めている。当時できていた「宮城の萩大通り」や、数年前に伸ばされた台原から安養寺・ガス局へ至る道路が、それを構成している。青葉山や八木山の方面では、川内旗立線が、昨年できた(かつて幻の橋とされた)ひより台大橋で格段に通行が向上したが、計画では、川内亀岡から動物公園までは工学部の下をトンネルで抜けることになっている。

仙台市は2010年6月に、都市計画道路網の見直しによる「新たな幹線道路網(案)」を定めている。評価の結果として、継続候補と廃止候補に仕分けをしているものだが、市のサイトでマップと合わせて、具体的にどの路線が該当するのかが、その理由とともに示されているので、わかりやすい。

この資料をもとに、当ジャーナルの主観による「主な」路線が、どう評価されてどう位置づけ(継続か廃止か)られているのか、拾ってみたい。

【環状系の道路】
●  川内旗立線
 未整備の、工学部、ひより台-旗立の両区間とも、継続候補。幹線道路としての連続性が重視された。ただし、後者の区間は、旗立保存緑地と基準を超える縦断勾配が課題とされている。
●  川内南小泉線
 川内-国見の区間1.7kmは、八幡と川内駅のアクセス、国見地区の幹線道路の必要などから継続とされる。他方で、国見-台原の区間は、トンネル構造のため北仙台駅にも北山トンネルにもアクセスできないという理由で廃止候補とされている。しかし、これは計画の考え方自体を否定することになるから、おかしな理由だとも思う。旧国道4号の西側部分で、確かに反対運動もあったとは思うが、結局、「環状」線としての完成は断念したようだ。
●  鶴ヶ谷国見線
 旧4号の北根3丁目交差点から西に東勝山や桜ヶ丘の下(北四番町大衡線タッチ)までは完成、また北根交差点から東に南光台小学校あたりまでは整備済み。未整備の区間のうち、西の桜ヶ丘、中山区間は混雑緩和のため必要として継続、しかし更に西の中山-国見の区間は、国見駅との直接のアクセスにならないなどの理由で廃止とされた。東の未整備区間である鶴ヶ谷区間(4号バイパスまで)は継続。
●  鶴ヶ谷仙台港線
 上記の鶴ヶ谷国見線の鶴ヶ谷区間(未整備)と接続して、4号バイパスから宮城野大橋で七北田川を越え、国道45号を立体で越えて仙台港に至る。未整備区間は、45号バイパスからの利府街道までの岩切地区で、パークタウン流通工業団地と仙台港を結ぶ産業活動を支えるため継続としている。
●  六丁の目鶴ヶ谷線
 六丁の目から新田を経て鶴ヶ谷に至る道路。鶴ヶ谷団地の南側は整備済み。また、新田のあたりも整備されたが、未整備部分のうち、小鶴、燕沢などの区間は廃止、自由ヶ丘は混雑緩和に寄与のため継続との位置づけ。
●  上杉山通東仙台線
 北仙台駅から、台原、小松島、幸町を経由して東仙台駅までを東西に結ぶ。そのほとんどが、他の路線で交通需要に対応できるなどとされて廃止候補に。
●  東仙台南小泉線
 東仙台駅付近から南下する路線。新田や自衛隊の中を縦断する区間は、廃止とされた。

【放射系の道路】
●  仙台駅旭ヶ丘線
 錦町から台原に北上して旭ヶ丘駅に至る。大半を占める台原中学校付近以南の未整備区間は、廃止候補に。
●  定禅寺通上田子線
 錦町から東に延びて、国道45号とJR東北本線に挟まれる形で並行する形で、新田、田子大橋に至るもの。新田までの区間はすべて廃止とされた。
●  向山富田線
 緑が丘、西の平、西多賀を経由して富田に至る。八木山団地群を南北に縦断するものだが、構造やコストなどを理由に、すべて廃止候補としている。

なお、この仙台市の資料には、優先度の高い路線・区間として、今後20年以内の着手を予定するものもリストアップされている。

● 郡山折立線(環状)
 未着手区間を挙げている。中でも最長の青葉山区間3.5kmは、八木山南地区から一気に仙台宮城IC南側に出る路線。
● 川内南小泉線(渋滞解消)
 ガス局交差点から、坂下交差点を経て銀杏町まで。救急機関、産業活動などを理由に継続とされているところ。
● 宮沢根白石線(環状、放射状)
 国道45号から中江、小松島を経由して、南光台まで北上する区間。約4.5kmくらい。骨格的な幹線とされている。
● 原町広岡線(概成済み、区画整理関連)
● 向山常盤丁線(概成済み)
 市民会館から大学病院前までの区間。





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最終更新日  2016.06.26 17:25:08
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