愛し愛されて生きるのさ。

愛し愛されて生きるのさ。

2004.02.21
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
2002年度作品。
監督は『がんばっていきまっしょい』『群青の夜の羽毛布』、最近では『解夏』を制作した磯村一路。
主演は木村佳乃。

東京の出版社に勤める久里子はカメラマンの充生と結婚を決め、両親に報告するために故郷の瀬戸内海に浮かぶ小さな島に帰省する。

教師を退職した父は、母と2人で小学校を改装した民宿でのんびりと暮らしている。そんな両親と共にしばしの休暇を過ごす久里子。しかし彼女は両親になかなか結婚の報告を切り出せない。

故郷で過ごすうちに、久里子の頭の中に様々な過去が甦ってくる。そしてこの休暇は祖母との思い出や初恋の人の消息など、自分の過去を辿る旅になる…。


磯村監督の『がんばっていきまっしょい』と同様に、愛媛県を舞台にした映画である。
『がんばっていきまっしょい』は1970年代の高校生たちのボートに懸ける青春を丁寧に描いた傑作である。そのひたむきな姿に心を打たれ、その姿が美しい瀬戸内海の風景と一体となって涙を禁じえなかった。

そしてこの『船を降りたら彼女の島』は、大人になり島を離れた女性が過去を振り返る、ノスタルジックなちょっと大人の映画である。
愛媛の景色はこの映画でも相変わらず美しいが、「主人公が追憶の旅をする」というストーリーのためか観光ガイドのようになってしまっているのが残念。

ストーリーもどこか薄っぺらい。
久里子は両親に「結婚する」ということがなかなか言えないのだが、なぜ言い出せないのかがイマイチ伝わらずもどかしい。元々親元を離れて東京で独り立ちして暮らしているのだから、それほど結婚に対して親が猛反対するとも思えないのに。

他にも、初恋の相手と祖母との思い出が絡んでくるのだが、どちらも消化不良ではっきりした意味合いを持たずに終わってしまう。なんのためにこれらのエピソードを絡めてくるのかがわからない。あまりあれこれと手を出さずに、久里子と両親との関係に絞ったほうがまとまったのではないか。

脇を固める役者は大杉漣・大谷直子・照英・林美智子・烏丸せつこなどなど、渋めの豪華キャストで味わい深い芝居を見せてくれる。その分、主演の木村佳乃がちょっとインパクトに欠ける。木村佳乃は決してヘタな女優ではないのだが、このストーリーでは存在が際立たない。

詰めが甘いストーリーではあるが、愛媛という土地の空気感に助けられている部分は大きい。
生活している人々は穏やかであくせくしていない。そんなゆったりした雰囲気が画面から伝わってくる。
北海道のように雄大ではないし、沖縄のように「楽園」という感じでもないが、かつての日本が持っていた良い部分を残している土地である。

愛媛のプロモーション映画としては、なかなかの出来であると思う。

★★★☆☆





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004.02.23 03:18:54
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

ミリオン@ Re:『ブルーベルベット』(06/28) おはようございます。 アメリカは素敵です…
ミリオン@ Re:クリスティーナ・アギレラ『LADY MARMALADE』(06/27) こんばんは。 映画は面白いですね。見るの…
ミリオン@ Re:『彼女を見ればわかること』&『六月の蛇』(06/26) こんばんは。 映画は面白いですね。見るの…
松本 穣@ Re:追悼(09/14) こんにちは。僕は松本穣と言います。滋賀…
ミリオン@ Re:『ザ・リング』(06/24) おはようございます。 ホラー映画は面白い…

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: