inti-solのブログ

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2013.12.03
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富士山:頂上付近で4人滑落 1人心肺停止 2人救出へ
◇1人は自力で下山して病院に
1日午前11時15分ごろ、富士山の御殿場ルート頂上付近で京都府勤労者山岳連盟の男女4人が滑落し、男性1人が心肺停止状態となった。他の男性2人のうち1人はヘリコプターで病院に搬送され、女性1人は自力で下山し病院に運ばれた。静岡県警御殿場署などによると、4人は50〜60代とみられる。
4人は冬の登山技術習得のため、11月30日から登り始めていたという。登山用ロープで互いの体をつないでいたため、一緒に落ちたらしい。県警山岳遭難救助隊が他の2人の救助を進める。
静岡地方気象台によると、1日午前11時ごろの山頂付近は晴れていたが、気温は氷点下14.3度、風速は14メートルだった。富士山の登山道は静岡、山梨両県で4ルートある。7月初めから9月初めの夏山シーズン以外は閉鎖されるが、厳密な入山規制がなく冬季でも登山者がいる。

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互いにザイル(ロープ)で結び合うことを、登山用語でアンザイレンといいます。アンザイレンしたパーティーが互い違いに登っていくのは、岩登り、沢登り、氷壁登りなどで必要な手段です。具体的に言うと、トップが登っている間、セカンドがビレイ(確保)する。適当な場所まで登ると、今度はトップがビレイしてセカンドが登ってくる。いわばシャクトリムシのような登り方です。
それですら、人間の力だけでは、転落する人を止めるのはかなり大変らしいですが。だから、岩にハーケンを打ち込んだりするわけです。

※私は、アンザイレンを必要とする岩登りはしたことがありません。これらは聞いた話であって実体験ではありません。

したがって、アンザイレンした全員がぞろぞろ歩いていく(先ほどのシャクトリムシ型に対してイモムシ型の歩き方)のは、とても危険だと、私に冬山を教えてくれた職場の先輩が言っていました。足を止めて確保の体勢をとっていたって、滑落を止めるのは大変なのに、確保もせず歩いている状態で、滑落を止められるわけがない、と。
谷川岳一ノ倉沢、北岳バットレス、槍ヶ岳北鎌尾根、などなど名だたるバリエーションルートをいくつも登っている人でした。(マッターホルンにも登っている)
だから、この先輩とは3〜4回一緒に雪山に行きましたが、アンザイレンしたことは一度もありません。今もアンザイレンしない(今は単独行だから当たり前か)。

今回の遭難も、多分最初は1人がスリップしたのでしょう。アンザイレンしていなければ、その1人が滑落しただけで済んだはずですが、アンザイレンしていたばっかりに、芋づる式に全員が滑落、2人が亡くなってしまった。

冬の富士山といえば、アイゼンの刃も刺さらない全面カチカチのアイスバーン、遮るもののない急斜面、人の体が宙に浮くといわれる烈風。そんなところで、人間の体重+荷物が加速度ついて滑り落ちるのに引きずられたら、確かに身構えて確保していなければ耐えるのは困難でしょう。列の真ん中の人が滑落なら、まだ両隣の2人で支えられるけど、先頭か最後尾が滑落したら、支えられるのは1人だけです。その1人も滑ったら、次の1人には2人の重さがかかり、その1人も滑ったら、最後の1人は3人の重さがかかる。そうなったら、もう支えることなんて絶対無理でしょう。

もっとも、リーダーはヒマラヤの8000m峰の登頂経験もあるベテランで、他のメンバーもベテラン揃いだったらしいので、それなりの経験の裏打ちがあってアンザイレンしていたんでしょうけど。
逆に言えば、それだけの山のベテランでも、一歩間違えれば死に直結してしまうのが、冬の富士山の恐ろしさ、ということでもあります。冬富士の危険性は承知の上で、経験もあり、必要な手を尽くして、それでも遭難してしまった、ということなら、これは仕方のないことです。もともと、冬山で「絶対安全」なんてことはあり得ません。まして冬富士ではね。

記事によれば、この日11時の気温はマイナス14.3度、風速14メートルだそうです。最大瞬間風速は平均風速の5割増から2倍なので、最大瞬間風速は21メートルから28メートルくらい、まあ「富士山にしては」それほど強い風ではないでしょう。とはいえ、下界の感覚で言えば台風並みです。
もっとも、あの富士山で滑落して4人中2人助かるというのは、運がいい方だとも言えます。
9合目半で滑落して、何人かは8合目まで滑ったという報道もありました。ヘリコプターで救助に失敗した方は、9合目付近に倒れていたとも報じられています。厳冬期だと、なかなか8合目や9合目では止まらない。山小屋にでも衝突して止まらない限り、もっと下まで落ちるのが普通のようです。やっぱりまだ冬の初めで雪が少なく、気温もそこまで低くないので、途中で何かに引っかかったのかな。

富士山
これは、滑落事故当日に撮影したものだそうです(毎日新聞の撮影)。まだ雪が少なく、うっすらと地肌が見えているところも多いようです。おそらくそのせいで、それほどは滑落しなかったのでしょう。それでも、登山地図によると御殿場ルートの9合5勺は標高3550m、8合目は3220mなので、標高差で300m滑っているわけですが。

昔を思えば、スイスアルプスのマッターホルンに初登頂直後、悲劇の転落事故を起こしたウィンパー一行も、アンザイレンしていたばっかりに4人が墜死したのでした。

さらに、亡くなった方のうち1人は、発見された時点では意識があったのに、ヘリで救助中に釣具が外れて転落し、その後亡くなったことが報じられています。前述のように台風並みの暴風が吹き荒れる中での釣り上げは、きっと非常にむつかしいのだろうと思います。

ちなみに、私は厳冬期の富士山なんて、とても登れません。今年の4月末に3000m付近まで登ったけど、私が富士山に登れるのはこの時期以降ですね。





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最終更新日  2013.12.03 18:38:32
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