inti-solのブログ

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2015.02.10
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カテゴリ: 戦争と平和
旅券返納、今後も継続=「移動の自由」で論議も―外務省
外務省は、過激組織「イスラム国」による日本人人質事件を踏まえ、同組織が支配する地域への渡航自粛を引き続き求めていく方針だ。応じない場合は、シリア渡航を計画していたフリーカメラマンと同様、パスポートの返納で断念させる考え。邦人保護を優先したものだが、憲法が保障する「移動の自由」との関係で今後、論議を呼びそうだ。
「報道の自由は最大限尊重されるべきだが、邦人の安全確保も政府の役割であり、慎重に検討した」。菅義偉官房長官は9日の記者会見で、新潟市在住の男性フリーカメラマンに対し、旅券返納に踏み切った理由をこう説明した。
旅券法19条は名義人の生命、身体、財産の保護のため、旅券返納を命じることができると規定。外務省は返還命令に応じない人には、旅券を失効させるなどして、シリア渡航を阻止する構えだ。
ただ、憲法22条は「移動の自由」を保障しており、フリーカメラマンも取材に「言論、渡航の自由がある」と反発している。今回の措置をめぐっては野党から「ジャーナリストに適用する場合は慎重さが必要」(山下芳生共産党書記局長)との声が上がっている。

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旅券法に「名義人の生命、身体、財産の保護のため、旅券返納を命じることができる」なんて規定があることを、私は知りませんでした。本人が国外でテロに関与するんじゃないか、つまり、ありていに言えば犯罪の加害者になるのでは、という疑いでの旅券返納は、今までに例があったように記憶していますが、被害者になる危険での返納命令というのは例がないようです。

そりゃ、こういうやり方をすれば、日本人が国外で危険に巻き込まれることを阻止はできるでしょうが、やり方として適切とは思えません。
少し前に、朝日新聞の記者がシリアに入った、ということも騒がれていました。騒ぐようなことではないと私は思います。紛争がある、危険がある。そうです、だからこそ取材する意義があるわけでしょう。それに、そもそも朝日の記者にしても、今回のこのカメラマンにしても、シリアには入国しても、イスラム国の支配地域までは行っていない(行く予定はない)わけです。

昔を思えば、ベトナム戦争では多くのジャーナリストが、戦場の取材に行っていました。私の尊敬する本多勝一もその一人でした。本多氏は命を落とすことはなかったものの、命を落としたジャーナリストも少なからずいました。沢田教一と一ノ瀬泰造が著名です。比較的近年でも、イラクで橋田信介と小川功太郎、シリアでは山本美香が命を落としています。
彼らは、無謀だったのかもしれない、命知らずだったのかもしれない。でも、使命感は人それぞれで、日本という国の中にそういうことに命を燃やす人がいてもいいし、そういう人が必要でもあると私は思うのです。
彼らに対しても、旅券返納命令を出して、戦地の取材を禁止しておけばよかった、ということでしょうか。そうやって、世界の紛争地から日本人の取材者が誰もいなくなることが、日本にとってよいことであるとは、私には思えないんですけどね。
安倍は国際貢献ということをやたらといいたがるのですが、世界の紛争地域に、それを取材する日本人がいる、というのも、ひとつの重要な国際貢献だと私は思います。そういうのは、きっとあまり「勇ましく」ないし、特に政府の公式見解に反するような報道をされるのは邪魔だから、歓迎したくないんでしょうけど。

このカメラマンがシリアに渡航する予定、というのは、事前にマスコミに対してその計画を話したことで外務省の知るところとなったようですが、現実問題として、返納命令という手段で渡航を阻止しても、次にシリア渡航を志す人は、黙って行くでしょうね。「ヨルダンを取材します」とか「トルコを取材します」と言って実際にはシリアに入ったとしても、事前には分からないでしょうから。





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最終更新日  2015.02.10 00:30:01
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