inti-solのブログ

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2015.07.06
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テーマ: ニュース(96561)
ギリシャ:国民投票「ノー」疲弊国民が選んだ「尊厳」
ギリシャ国民は5日の国民投票で、EUなど債権者側が金融支援の条件として提示した財政緊縮策に「ノー」を突き付けた。背景には、5年に及ぶ緊縮策で経済の疲弊が長引く中、若者を中心に高まる「反緊縮」の機運がありそうだ。未来に希望を見いだせない国民の多くは、欧州他国からの「ユーロ圏離脱につながる」との警告に屈するよりも、チプラス首相の掲げる「ギリシャの尊厳」を選んだ形だ。
政府統計によると、ギリシャのGDPは、債務危機を受けて緊縮策が導入された2010年から14年までに25%も縮小した。景気の冷え込みで企業が新規採用を控えているため、25歳未満の若者の失業率は国民平均(25.6%)の倍にあたる49.7%に上る。
国民投票前の世論調査によると、若者の8割は反対派だったとされる。
また、緊縮策によって拡大した貧富の格差も投票行動に影響を及ぼしたとみられる。首都アテネの中心部ではEU案への賛否が拮抗したが、労働者や低所得層の多い地区では反対が多く、地方の大半で反対が賛成を大幅に上回った。

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ギリシャでおこなわれた緊縮財政への賛否を問う国民投票は、事前予測では賛否が拮抗と言われていましたが、ふたを開けたらダブルスコアに近い大佐で反対多数となりました。
少し前にギリシャをめぐる問題について記事を書きました。

ギリシャ破綻か

その中で、「IMFのやっていることは間違ってばかりです。が、しかし放漫財政でよい、というわけでもありません。」と私は書きました。大筋では現在もそう思っていますが、ただ、その後いろいろと調べた中で、ことはそう単純でもないことに気が付きました。
まず、ギリシャが放漫財政で財政危機を招いたことは事実ですが、危機が表面化した2010年以降は、厳しい緊縮財政を4年間に渡って続けてきています。年金の大盤振る舞いとか、公務員が全労働人口の1/4を占めるとかが非難の対象となっていますが、それらはいずれも2010年以前の話となっているようです。

年金は、 こちらの記事による と、

ギリシャの平均年金受給額は月額833ユーロ。2009年時点の同1350ユーロからは減少している。政府はまた、年金受給者の45%は貧困ラインの665ユーロを下回る額しか受け取っていないとしている。~過去の政権も年金問題に取り組んできた。2010─14年に年金受給額は平均で27%、最大で50%カットされた。2013年には定年退職年齢が平均で2年引き上げられた。ギリシャは年金前倒し受給をさらに制限する意向を示している。

ということです。また、緊縮財政の結果、公務員はかなり削減されており、かつ早期退職を選択した人も相当多い(緊縮財政の始まった当初、2日間で1万人が辞表という報道もありました)。つまり、すでにギリシャは以前の放漫財政のギリシャではなくなってきつつあるわけです。
加えて、ギリシャの経常収支は2013年には黒字化し、財政赤字も急激に減少しています。つまり、今のギリシャは、すでに2010年以前の放漫財政の国ではなくなりつつあるわけです。
ところが、この間ギリシャのGDPは引用記事にもあるように25%も縮小しています。緊縮財政の結果、経済が疲弊して激しいマイナス成長に陥っているわけです。単年度で財政赤字を減らしても、それ以上にGDPが減少すれば、累積赤字(国債発行残高)のGDP比は全然下がりません。

借金を減らしても減らしても、それ以上に経済のパイが小さくなっていくのでは、いくらやっても借金は減らない。つまり解決はできないわけです。それなのに、もっと緊縮しろとEUはいう。それは、結果としてもっとGDPを減らせというのとおなじことであり、その方向性でいくら頑張っても、問題は解決しないと多くのギリシャ人が判断した、ということでしょう。

それにしても、日本では高齢者は守旧派だ、既得権者だ、高齢者から選挙権を取り上げろみたいな暴論がまかり通っていますが、ギリシャにおいては若者ほど緊縮財政案に強く反対しているということです。

とはいえ、金がない、「ない袖は振りようがない」という現実は動かしがたいこともまた事実です。もはや融資を受けられる望みはなく、独自通貨ではないので、通過切り下げでインフレを起こして切り抜ける手も使えない。脱緊縮財政といっても、それをどう実現するか、という点はなかなか見通しが立たないことは、否定しがたいのが現状です。





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最終更新日  2015.07.07 00:04:22
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