inti-solのブログ

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2016.06.28
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カテゴリ: 政治
英月の極楽シネマ 帰ってきたヒトラー 背筋が凍るコメディー
歴史上に「絶対悪」と位置付けられたヒトラー。その彼が現代のドイツによみがえり、モノマネ芸人と誤解され瞬く間に大スターに。自信に満ちた演説は完成された芸として、過激な内容は真理を突く言葉として、大衆の心をつかむという衝撃の内容。しかもコメディーです。「笑っていいのか?」との戸惑いは自分の笑い声で吹き飛ばされ、代わりに残るのは背筋の冷たさです。
デビッド・ベンド監督はヒトラー役の俳優と共に独各地で人々と関わったそうです。そのドキュメンタリー風の映像が随所に織り込まれ、映画にリアリティーを与えます。俳優は言います。「真剣に話しかけてきた会話から、彼らがいかにだまされやすいか、いかに歴史から学んでいないかが分かったよ」。「彼ら」は他でもない「私」。ヒトラーという存在を生み出したのは「私たち」なのです。その自覚が背筋の冷たさを感じさせたのです。
ヒトラーは悪なのか? かつて熱狂的に支持された正義ではなかったのか? 自分の正義にこだわり、世間の正義から逸脱してしまうこともあります。正義や悪って、思っているほど確かなものなのでしょうか。自分が立っている足元がいかに危ういか、気付かされる映画です。

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先日、この映画を見ました。実は、原作の小説を少し前に読んで、それが非常に興味深かったので、映画も見たいと思っていたのでした。
1945年、ベルリンでソ連軍に包囲されて自殺したヒトラーが2011年(映画では2014年)のドイツにタイムスリップ、コメディアンとしてデビューして人気を得てしまう、という内容です。実在、かつ現役の政治家を次々とクソミソにこき下ろす、かなりきつい風刺小説です。
映画のほうは、原作とはストーリーが変わっており、ぞっとする終わり方で、ちょっと後味の悪さを感じました。しかし、よく考えてみれば、あのヒトラーが現在によみがえって人気者になるという内容の作品が、見終わって心うきうきと楽しくなるのでは、ちょっと問題かもしれません。
いずれにしても、考えさせられる内容であったことは確かです。

あまり細かいことを書くとネタバレになるので、小説も映画も、その内容については細かいことは書きませんが、ヒトラーが現代によみがえったら、ドイツ国内に渦巻く政治不信の波に乗って、一躍人気者になってしまうだろうというのが、この作品の見立てであるわけです。

貧富の格差、失業率の高さ、外国人の流入、出生率の減少・・・・・・・・確かに現代にヒトラーがよみがえったら、受け入れられかねない素地はあるのかもしれません。しかし、あのドイツです。EUの中で一人勝ち、経済的に最強のように見られているドイツでさえ、国内的にはこれほど不満が蓄積している、ということです。
ドイツでさえそうだ、ということは、日本は言うに及ばず、全世界に、「うまく行っている国」なんてひとつもない、ということになるんだろうなと、妙に納得してしまいました。

ひとつだけネタバレをすると、途中に

「ヒトラー最後の12日間」の有名なシーン(YouTubeなどで、「総統がお怒りのようです」というMAD動画のネタに使われている)のパクリが登場します(映画版のみ)。正直「ここまでやるか、ここは笑っていいところか?」って思いましたけどね。





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最終更新日  2016.06.28 22:05:27
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