inti-solのブログ

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2017.08.30
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カテゴリ: 政治
ホリエモン政府批判「マジこんなんで起こすなクソ」
堀江貴文氏が29日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことで発令されたJアラート(全国瞬時警報システム)が迷惑だと苦情。ネット上で物議をかもしている。
今日午前6時頃、北朝鮮が予告していた米領グアム沖でなく、北海道方面に弾道ミサイルを発射したことでJアラートが発令された。堀江氏はツイッターで「マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府」と非難。堀江氏はホテル住まいのため、館内で警報が鳴るのだという。
堀江氏のツイートには反論も多数寄せられたが、堀江氏は「だから北朝鮮は本格的な実験しようと思ったら東に撃つしかないんだから、そんなのこっちでどうにもならんやろ。いちいちそんなんでアラート出すべきじゃねーんだよボケ」などと主張した。

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わたしは、ホリエモンは嫌いだし、その主張のほとんどに反対です。が、今回のこの主張に限っては、そのとおりだと思います。

昨日も書いたとおり、ミサイルの発射実験を行った北朝鮮の所業は許し難いものです。ただ、すでに過去何回もあったことであって、今回特別に何かが変わったわけではありません。そして、今回北朝鮮がミサイルを発射したのは、米国との挑発合戦の結果であり、日本は眼中になかったでしょう。ホリエモンが指摘するように、ミサイルの発射実験をしようと思えば、否応なく日本上空を通過する以外にない(もちろん、北朝鮮がミサイル発射実験を行うこと自体が国連決議に反してはいますが)のであって、「日本にミサイルを撃ち込む」ことなど現実的な可能性として考慮されていたわけではありません。

もちろん、ミサイル発射に失敗して日本上空に落下してくる可能性はゼロではなかったでしょう。が、結果として日本政府は上空を飛びぬけたミサイルに対して破壊措置、つまり迎撃ミサイルの発射は行いませんでした。
昨日の記事で「迎撃ミサイルを発射する暴挙だけは避けた」と書きましたが、よく考えてみれば意図がどうこう以前の問題です。問題のミサイルは北海道上空550kmを通り過ぎたと報道されていますが、迎撃ミサイルPAC3の最大射高は、せいぜい数十kmだから、届くわけがないのです。
つまり、破壊措置が行われなかったということは、レーダーによる航跡確認などから、日本には落ちてこないと確認が取れていたことを意味しています。
それなのに、何故Jアラートを発令して、朝の6時から多くの国民をたたき起こし※、電車を止めるような挙に出たのでしょうか。それも、北海道上空を通過したのに、北海道から長野県までの広範囲にわたって。

※幸いにも、東京のほとんどはJアラートの対象外だったようで、わたしはこの迷惑な警報を聞かずに済みました。おそらく私の同僚も同様で、だから昨日職場でこのことがまったく話題にならなかったのでしょう。鳴っていたら、ちょっとは話題になっていたはずです。もっとも、足立区に住む知人の携帯はJアラートが鳴ったそうですから、多少の例外はあったようです。

わたしはどうも、そこに政治的な意図を感じてしまいます。つまり、「危機」を煽ることで政権の求心力を回復したい、国民を戦時体制に慣れさせたい、そういった意図が潜んでいるように感じざるをえないのです。
現実問題として、ミサイル一発のために北海道から長野までというのは、警報として意味を成していません。

気象庁のサイトに、 東海地震の予知について解説するページ があります。そこに


例えば「1年以内に、日本の内陸部で、マグニチュード5の地震が発生する」というような幅のある予測はたいてい当たりますが、防災に直接役立つ情報としての価値はあまりありません。防災対策に結びつけられる地震予知のためには、三つの要素の予測幅がある程度限定されている必要があります。


という記述があります。まったくそのとおりです。東日本/西日本のどこかで(いつか)地震が起こる、という予測は、そりゃ当たります。日本のどこかで毎日地震はあるんだから。でも、そんなものは何も予測していないも同然で、防災のための実効的な価値はありません。ミサイルへの警報も同じでしょう。「東日本のどこか」なんて、おおよそ無意味にもほどがあります。

多分、そう書くと「破片が落ちてくるかもしれないじゃないか」という人が出てくるだろうと思います。
ええ、破片が落ちてくる可能性はあります。だけど、高さ550kmの大気圏外から落ちてくるような破片は、大気との摩擦熱でたいてい燃え尽きてしまい、地上にまで届く破片は滅多にないでしょう。それに、地球の周りには多くの人工衛星と、それよりはるかに多くの破片(スペースデブリ)が周回しています。その中には大気圏に落っこちるものも多数あるし、中には燃え尽きずに地表まで達する破片もあります。だからと言って、大気圏に突入する人工衛星やその残骸に対して、いちいちこんな広大な面積にJアラートを発令しますか?
上空を通過するミサイルだけにこんな対応をとるのは、明らかにバランスを失しているのです。

以下追記

netgeekというネトウヨ系サイトが、Jアラート発令を擁護する記事を書いています。

【北朝鮮ミサイル】海に落ちたのに日本政府がJアラートを鳴らした理由

大要、Jアラートが発令された発射4分後の時点で、もしミサイルの加速が終了していたら日本に落下する可能性があったのだから、Jアラート発令は当然だ、というものです。
一見もっともらしいですが、ウソです。そもそも、具体的に今回のロケットの加速が何分で、何分までに加速が終了していたらミサイルが日本に落下する可能性があったのか、という数値が記事には載っていません。
ロケットの加速時間、つまり推進剤の燃焼時間は、軌道から計算できます。わたしは物理学は苦手なので自分では計算できませんが、検索すれば燃焼時間は分かります。

北ミサイル、燃焼時間短く…意図的か技術に問題
北朝鮮が29日に発射した「火星12」とみられる弾道ミサイルについて、米政策研究機関「憂慮する科学者同盟」のミサイル技術専門家、デビッド・ライト氏は読売新聞の取材に応じ、飛行距離が推計射程より短かったのは、エンジンの燃焼時間が短かった可能性が高いとの見方を示した。~ライト氏は、5月の発射時のエンジン燃焼時間を151秒とした場合、燃焼時間を約8秒短くすることで、飛距離が2700kmになると分析。(以下略)
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5月のミサイル発射の燃焼時間は151秒、今回は8秒短い143秒という計算です。Jアラート発令は発射4分(240秒)後ですから、それ以前にロケットの燃焼は終了していました。つまりこのミサイルが日本を飛び越えることはJアラート発令の時点ですでに確定していたのです。もちろん、日本側はレーダーで監視してミサイルの位置と速度を把握していたのだから、そのことは分かっていたはずです。したがって、上記netgeekの記事は明らかにデタラメです。





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最終更新日  2017.08.31 07:09:41
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