inti-solのブログ

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2018.02.03
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築50年「住み心地良かった」 札幌・火災の施設
11人が死亡した札幌市の「そしあるハイム」の火災。関係者によると、建物は生活困窮者の就労支援が目的で、警察からの連絡などをもとに受け入れを決めていたという。居室は1人部屋で、浴室やトイレは共同、食堂もあった。家賃は月3万6千円。月2万円を追加すれば、3食付きになった。ほかに光熱費などもいるという。10年ほど前から入居している人もいれば、火災の数日前から暮らし始めた人もいた。建物に管理人がいるのは午前7時半~午後5時半。夜間は入居者だけになり、玄関の鍵は入居者がしめていたという。
元スタッフによると、希望に応じて食事を提供し、病院の送迎や買い物の手助けなどもしていた。入居者は運営側で面談をするなどして決定。8年前から2年ほど住んだという札幌市東区内の男性は「8畳の部屋に住み、食事の提供も受けた。住み心地は良かった」と話す。
札幌市消防局などによると、建物は50年ほど前に建てられ、2004年までは旅館として使われていた。(以下略)

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また悲しい事故が起こってしまいました。
火災を起こした施設は、「自立支援住宅」で、入居者の大半が生活保護受給者だと報じられています。しかし、生活保護に詳しい知人に聞いても、東京23区には、路上生活者の就労支援を行う自立支援センターというものがありますが、それとは違うもののようだし、「自立支援住宅」というものは聞いたことがないそうです。
そうしたら、 今朝の毎日新聞のによる と、火災のあった自立支援住宅「そしあるハイム」は、法的な位置づけがあいまいで無届けだった、とのことです。
厚労相は、「無届の無料低額宿泊所か、無届の有料老人ホームの可能性がある」として調査を行うということです。確かに、3食提供というところからは、実質的には無料低額宿泊所のようなものだった、と言えそうです。
家賃は3万6千円だそうですが、調べると札幌市の生活保護の住宅扶助上限額は、単身世帯の場合3万6千円なので、完全にそれに合わせた額、つまり生活保護が前提の施設であることが分かります。3食提供で2万円だそうですが、他に光熱費や管理費もかかるはずです。この施設の場合どうだったかは分かりませんが、東京の無料低額宿泊所の場合は、3食提供だと、生活保護受給者の手元に残る、自由に使えるお金は1万5千円から2万円程度(法人によって差があるし、保護基準は年齢によっても違うので、それによって差が出ます)と聞いています。
なお、札幌は級地区分が1級地2なので、東京23区より、生活保護基準は5千円程度低くなります(70代以上単身世帯だと、1級地1は7万4千円余に対して1級地2は6万9千円余)。その代わり、当然のことながら北海道は東京より冬季加算は高い。東京(冬季加算の区分6区)の冬季加算は2500円ほどですが、北海道(同1区)は1万2千円ほどです。

法的位置づけとか、火災対策の面では色々と問題のあった施設であったことは確かだと思いますが、しかし、そういう施設がなかったら、ホームレス寸前の状況の人の住まいを確保できない、というのが現実です。
しかも、多分としかいえませんが、この施設は各入所者が8畳程度の個室に住んでいたというので、東京の無料低額宿泊所(たいていは相部屋だそうで)より条件がよく、運営者と入所者の関係もかなり良好だったことが伺えます。だから、「無届だったからひどい施設だった」とは一概に言えないのです。

東京だって路上生活で冬を越すのはかなりつらいはずです(特にこの冬は寒いから)。冬場だけ生活保護を受けて施設に入り、暖かくなると姿を消してホームレスになる人もいると聞きますが、北海道では、よほどの装備とスキルがなければ、冬の路上生活など生きていけないでしょう。
「こんな無届の施設はけしからん、すぐに閉鎖すべきだ」なんてことを言い出しても、それに代わる、より条件のよい住居はどこにもないので、結局は入居者に路上生活をしろというも同然となってしまいます。
そうでなくても、路上生活に陥る、陥りそうな人の中には、社会生活能力や対人関係に難のある人が少なくありません。知人によれば、アパートに入居しても大家や隣人とトラブルを起こして追い出されたり、施設に入っても同様のことを繰り返す人も、稀ではないそうです。そういう人の対応や、行き先探しにケースワーカーは疲弊することが多い、との話です。この施設も、きっと「ここでなければ生活できない」人がいたのだと思います。その一方で、ここでもトラブルを起こして出て行ったり追い出されたりした人も、多分いたでしょうが。

一方では日本中に空き家が増えていながら、その一方では住む場所が確保できない人が少なからずいて(本人自身に一人暮らしで生活する能力が欠けている、という面はあるけれど)、なんとも非合理な話ですが、これが現実です。
現実的には、この種の無届施設を少しでも無料低額宿泊所など無届ではない施設に移行させる(ために必要な設備、手続き、入所者の処遇などを整える)ように図っていくしかないのでしょう。





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最終更新日  2018.06.09 08:09:22
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