韓国の二重国籍の件ご教示ありがとうございます。こちらによると2011年からというので、ずいぶん以前からでしたね。

//iminseisaku.org/top/pdf/journal/011/011_019.pdf

平昌オリンピックだったかで、国籍の問題で欧州系の選手が・・・という記事を読んだことがあり(URLなど記録していないので、それ以前になってしまいますが)、ああ韓国も二重国籍付加だったのだなと思った記憶があるのですが、私の記憶違い、あるいは国籍取得での事務などの問題だったのかもですね。

それで、日本が二重国籍を否定する背景には、やはり夫婦同一姓、同性婚の否定、女系天皇拒否といったことと共通する背景があるのでしょうね。ある意味、たいていの国民はOK、あるいはどうでもいいと考えていることですが、自民党の中でも一部保守的な人間、あるいは保守的な支持者が固執しているという背景があるのではないか。 (2023.10.06 09:22:16)

inti-solのブログ

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2023.10.04
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テーマ: ニュース(96560)
カテゴリ: 外国人の権利
国籍喪失規定「合憲」確定 最高裁、欧州在住8人敗訴
外国籍を取得すると日本国籍を失うとした国籍法の規定は違憲だとして、欧州在住の男女8人が日本国籍を持つことの確認などを国に求めた訴訟で、最高裁第1小法廷は原告側の上告をいずれも退ける決定をした。9月28日付。規定を合憲とした一、二審判断が確定した。
国籍法は「自分の希望で外国籍を取得したときは日本国籍を失う」と規定し、複数国籍を認めていない。8人はスイスやフランスなどに居住。現地での仕事や生活のために外国籍を必要とする一方、日本国籍を持ち続けることも望んでいた。

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国籍喪失規定が違憲かどうか、という話になると、憲法の規定に明示的に半している、とまでは言い切れないかもしれません。が、同時にもちろん憲法が二重国籍を禁じているものでもありません。
そして、二重国籍を排除する規定はやめるべきであると私は思います。

そもそも、この規定は無意味なものです。
一審判決は、二重国籍を容認すると納税義務や外交保護権などを巡って国家間や国と個人の権利義務に矛盾や衝突を生じさせる恐れがある、としたそうです。しかし、現実には大半の国で二重国籍は容認されています。二重国籍によって「納税義務や外交保護権などを巡って国家間や国と個人の権利義務に矛盾や衝突」が発生するのはどこの国でも同じはずですが、それでも大半の国が二重国籍を容認しているのは、その矛盾や衝突はそれほど重大な問題ではない、ということです。
それに、日本においても実質的には二重国籍は容認状態です。引用記事にあるとおり、国籍法は「自分の希望で外国籍を取得したときは日本国籍を失う」と規定していますが、逆に言えば自分の希望ではなく外国籍が生じた場合は日本国籍は失わないわけです。

国籍に生地主義を採用している国々(南北アメリカ大陸の大半の国やフランスなど)では、その国で生まれれば、両親が外国人でも自動的に国籍が付与されます。日本人の両親から米国滞在中に生まれた子どもは米国籍が生じますし、もちろん日本国籍もあるので二重国籍になります。私のいとこは、メキシコ在住中に次男が生まれたので、その子(というか、もう30過ぎですが)は日墨二重国籍でした。
当然自分の意思で外国籍を撮ったわけではないので、日本国籍は失いません。その代わり、一定の年齢までに国籍の選択を行わなければならないことになっています。しかし、この国籍選択手続きには、実質的に意味はありません。

まず、この法律の改正が施行された1985年時点ですでに二重国籍であった人は、国籍選択の手続きをしなくても自動的に日本国籍を選択したものとみなされます。(昭和59年附則第3条)

そして、国籍選択の手続きを行わなくても、ペナルティはありません。「書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる」という規定がありますが(第15条第1項)、実際にはこの催告が行われたことはなく、もちろん日本国籍が剥奪されたこともありません。

更に、国籍選択の手続きをしたとして、それは日本の役所又は日本大使館で手続きをするだけです。日本政府は日本国籍を与えたり剥奪する権限はありますが、外国の国籍を与えたり奪ったりする権限はありません。日本国籍を選択する手続きを行っても、外国籍が消滅するわけではありません。単に、日本の役所が「日本国籍しか持っていない人とみなす」というだけのことです。国籍法は、日本国籍を選択肢したら外国籍からの離脱に努めなければならないと規定しています(16条)が、ペナルティのない努力義務であり、実際に外国籍から離脱する人は少数です。

つまり、国籍選択手続きというのは実質的には形骸化しており、わざわざ「外国籍を選択」という手続きを行わない限りは、日本国籍を失うことはないのです。
現に日本には100万人近い重国籍者がいると推計されています。
それに比べれば、自らの志望で外国籍を取得する人は圧倒的に少数であり、そこの部分だけ二重国籍排除することになんの意味があるのでしょうか。

しかも、「自らの志望で外国籍を取得」したとしても、その事実は本人がわざわざ日本の役所、大使館に届け出ない限り、日本の役所が知るすべはありません。
つまり、元々少数の「自己の志望で外国籍を取得した人」のうち、律儀に、あるいは馬鹿正直にその事実を大使館に届け出た人だけが日本国籍を失うという、およそ意味の分からない状態になっています。

と、このように書くと、国籍国粋主義者たちが「政府の怠慢」を叫ぶのです。政府が何もやらないのが悪い、国籍選択の催告をして国籍を剥奪しろ、というのですが、そんなことができるわけがないのです。そもそも重国籍者がどこに住んでいるか把握するすること自体困難の極みです。
国籍法はその場合、官報に乗せることで催告したものとみなし、さらに催告から1か月以内に日本国籍の選択を行わなければ日本国籍を失う、と規定していますが(第15条第2項、第3項)、国籍という人権の根幹部分を、この規定を盾に奪い取るような所業は、さすがの日本政府てもできるわけがありません。

しかも、そのようなことをやって、何の意味があるのでしょうか。
いま日本は人口減少状態に陥っています。それにもかかわらず、こういう化石化した規定を錦の御旗に掲げて多くの人から日本国籍を奪い、つまり言い換えればさらに日本人の数を減らすことに、いったいどんな政策的合理性があるのでしょうか。
ノーベル賞受賞者にも、米国在住日本人が少なからずいるわけですが、南部陽一郎氏など、米国籍を取ったために日本国籍を失った人が何人かいるようです。日本の頭脳ともいえる人たちの日本国籍を奪うことに、どのような政策的合理性があるのでしょうか。

二重国籍排除という法体系は見直し、二重国籍容認に転換すべき時が来ていると私は考えます。





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最終更新日  2023.10.04 22:32:14
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Re:無意味なうえに時代に逆行する制度(10/04)  
Bill McCreary さん

南部陽一郎氏

南部氏は、お亡くなりになったのは日本でして、彼がどういう理由で実質帰国したのかは当方存じ上げませんが、つまりは彼は、日本人としてのアイデンティティも強かったということなのでしょうね。そういう例は多いはず。アインシュタインも、ドイツ国籍ははく奪されましたが、米国籍のほか、スイス国籍も保持していたわけで、ドイツ国籍だって、ナチスが関係しなければ保持し続けていたでしょう。そうでなければ米国に渡ったのも、ナチスのせいだし。

だいたいブラジルなどは、自国籍保持者の国籍離脱を認めていないし、また移民国家、あるいは移民を送り出す国家はの住民は、二重国籍者は普通ですしね。カルロス・ゴーンは出身地のブラジル、ルーツのレバノン、主たる活動拠点のフランスに国籍があるし、当のレバノンや遺民国家のイスラエルなどは、二重国籍者はざらです。米国、英国、フランスなどのような移民国家もご同様。いや、すみません、こんなことはinti-solさんがお詳しいですよね。私が好きなアイルランドも、アイルランド国籍者と英国籍者の境界はきわめてあいまいです。

で、これも以前に書きましたが、私が以前話をしたことのある日本人女性は、夫がルーマニア人で子どもが米国生まれとのことで、自然にルーマニア国籍、米国籍、日本国籍をもっていて、さらにその人の言葉を借りれば「EUシチズン」であって、まさに単独国籍にこだわることの無意味さがわかります。このような子どもの国籍について、日本国籍はなんていったってしょうがない。

日本が二重国籍を正式に容認するにいたらないのは、たぶん東アジア(中国も韓国も北朝鮮も、建前では二重国籍を容認していないと思います)の文化とかもあるでしょうし、また中国はともかく日本は伝統的に移民も移住者も少なくて、国籍に関する軋轢が、他国と比べると少ないという事情もあるかと思いますが、さすがに外国人労働者導入に舵を切っている実情では、このような時代錯誤な二重国籍否定が今後通用するとは思いません。法改正はともかく、運用は容認の方向に進む一方ではないか。裁判所の判断も、そういうことが前提になっている? (2023.10.05 08:52:03)

Re[1]:無意味なうえに時代に逆行する制度(10/04)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

この記事を書くにあたって調べたところ、韓国は二重国籍容認に制度を変えたようです。

>つまりは彼は、日本人としてのアイデンティティも強かったということなのでしょうね。

それはそうでしょうね。21歳での渡米なら、母語は完全に日本語です。たとえその後50年米国に住んだとしても、そこは変わらないはずですからね。

今の時代に二重国籍を排除することは不可能です。目につく一部の例だけを排除して、あとは見て見ぬふりというのが現状で、この人口減少時代に何をバカげたことを続けているのか、と思います。

>法改正はともかく、運用は容認の方向に進む一方ではないか

あるいは公式の建前はともかく、実態としてはそういうことかもしれません。 (2023.10.05 20:52:07)

Re[2]:無意味なうえに時代に逆行する制度(10/04)  
Bill McCreary さん

Re:無意味なうえに時代に逆行する制度(10/04)  
nordhausen さん
>二重国籍

北方領土問題に関して言えば、北方領土の主権が日本に返還された後(いつ返還されるのかは定かではありませんが)の処置として現島民に日本国籍を付与してロシア系日本人として受け入れる事が現実的だと思いますが、そういう意味でも二重国籍を容認した方が良いかもしれませんね。「(北方領土が)日本の実効支配に置かれているのに住民がほぼ在日ロシア人」というのも不自然な話ですからね。 (2023.10.07 21:06:18)

Re[3]:無意味なうえに時代に逆行する制度(10/04)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>日本が二重国籍を否定する背景には、やはり夫婦同一姓、同性婚の否定、女系天皇拒否といったことと共通する背景があるのでしょうね。

根っこの部分では、おそらくあるでしょうね。一般国民にとって、二重国籍を否定すべき積極的な理由があるとは思えません。
自称保守の連中がこの問題をめぐって吹き上がった例としては、蓮舫議員の二重国籍騒動がありますね。もっとも、あの連中はフジモリの二重国籍にはまったく騒ぎませんでしたが。まあ、ご都合主義の連中ですからね。

nordhausen さん

現状、北方領土が返還される可能性はゼロなので、現島民の国籍はまじめに考えても仕方がないのですが、一応北方領土問題についての外務省のQ&Aには、「現在北方四島に居住しているロシア人の人権、利益及び希望を十分に尊重していく考えです。」と書かれてますね。国籍を付与することまで見据えているかどうかは分かりませんが、それをせずに北方領土が帰ってくることなどあり得ないでしょうね。(国籍を付与しても帰ってこないだろうとは思いますが) (2023.10.08 13:13:20)

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