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2024.09.26
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テーマ: ニュース(99916)
カテゴリ: 戦争と平和
火垂るの墓が初の世界配信、大絶賛の背景「二度と見たくない傑作」
もう二度と見たくなくなるほど悲惨だが、二度と忘れられない傑作だ――。スタジオジブリの名作「火垂るの墓」(英語名Grave of the Fireflies、1988年、高畑勲監督)の初めての全世界一斉配信が始まり、改めて注目を集めている。
動画配信サイトNetflix(ネトフリ)が配信元で、日本以外の190カ国以上で見られる。野坂昭如さんの直木賞受賞小説が原作で、第2次世界大戦末期の神戸で力強く生きる戦争孤児の兄妹の姿を描く。ネトフリでは今月16日、一斉に配信スタート。もともと世界中で根強い人気を誇ってきたが、今回の配信後、英語圏の映画レビューサイトで高評価が相次いでいる。
作品誕生から40年近くを経てもなお、多くの人の胸に響いている背景には、ウクライナやパレスチナ自治区ガザで罪なき人々が犠牲となっている世界情勢もあるようだ。

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「二度と見たくない傑作」は言い得て妙と思います。
「火垂るの墓」の公開は1988年、同時上映は「となりのトトロ」でした。封切り当時映画館で見ました。「となりのトトロ」の後で火垂るの墓を見て、あまりの衝撃と悲しさで茫然自失の人が続出した、という話もあります。私は、その当時すでに野坂昭如の原作「アメリカひじき・火垂るの墓」を読んでいたので、これは絶対となりのトトロを後に見る方が良いと思って劇場に行った記憶があります。
で、原作を知っていた私でも、この作品は強烈な印象があります。というか、下手に原作を知っているから、冒頭に清太と節子の亡霊が登場しただけで、もう涙涙でした。
そして、その時以来、全編通して見たことは、多分ないと思います。その後、一度だけ、1990年代末に、あるところに行った貸し切りバスの中でビデオを上映していたことがありますが、恥ずかしながら画面を正視することができず、目をつぶってしまった記憶があります。楽しいイベントの帰り道にこれはあまりに重い、と思ったのです。

当時は知らなかったのですが、原作者の野坂昭如は、実際に14歳で、2歳に満たない妹と二人で戦災に遭い、妹が餓死しています。ただ、その時実際には妹に対して、この作品のように優しくすることができず、あまり食べ物もやらずに死なせてしまったということを本人が述懐しています。そのことへの反省と贖罪意識もあって、「こうできたら」という「理想の兄」のであったら、という思いを込めて世に出した作品です。
しかし、悲しいかな、「理想の兄」であっても、「食べ物がない」という現実を覆すことはできません。だから、妹の餓死を防ぐことはできず、清太自身もまた、その後に(単純に食べ物がないというだけでなく、妹を失ったことで生きる気力も亡くなったのでしょう)餓死してしまいます。理想の兄であることはすなわち二人の共倒れに直結してしまい、実際には妹の食べる分を横取りすることでかろうじて兄は餓死を免れて生き残ることができた、というある意味夢も希望もない現実があったわけです。

うちの子が幼い頃のことを思い出してみると、3~4対の子どもは本当にかわいいですからね(いや、二十を超えた今だってかわいいんですけど、かわいさの意味合いが違います)、ある意味、戦争も俗世間のしがらみも離れて、洞窟の中でかわいい盛りの妹と二人での生活は、「夢の時間」だったんじゃないかと思います。でも、その夢の時間は食料を手に入れられずに餓死、という悲惨な結末と引き換えにしか、手に入れられなかったものです。
本当に、戦争というのは、悲惨であり、その悲惨さのしわ寄せは、もっとも弱い立場の人間に重くのしかかってくるものです。

その野坂昭如は2015年に亡くなり、高畑勲監督も2018年に亡くなりました。私の母は敗戦時小学校1年生、川崎に住んでいて、空襲で家が焼失し、疎開先の群馬県でもまたもや空襲に遭っています。その母が今86歳。まず空襲の記憶をはっきりと持つもっとも若い世代と言って良いでしょう。戦争の直接経験者も、本当に少なくなってしまいました。戦争がどれほど悲惨なものか、ということを実体験者から聞く機会も、極めて乏しくなってしまいました。





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最終更新日  2024.09.26 00:00:09
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