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かなり遅れての投稿になってしまったが秋学期中に参加したコミュニティーサービスについて綴りたい。結論から申し上げると非常に有意義な経験で研究の傍らまた参加したいと思える活動であった。簡単に活動内容とそこから学んだことを備忘録として残しておきたい。コミュニティーサービスに参加するための手続きについては過去の記事を参照していただきたい。(過去の記事は こちら )
10月の下旬から12月末まで週に2回、1回1時間大学の近くにある現地の小学校に行って学習支援をしてきた。Grade1〜Grade3までの生徒に対しone-on-oneで一人30分間算数や読み書きを教えるというものだ。私はGrade 3の男の子2人を担当することになった。
コーディネーターにもCan I do some Origami with my students for an icebreaker?と相談すると”that’s a great idea!”とすぐに許可をもらうことができた。
A君は初日から懐いてくれてウォーミングアップ活動で行った折り紙も毎回興味を示してくれたのに対し、もう一人のB君なかなか口を開けてくれなかった。担任の先生からもらったコメントにも”Can shut down when frustrated”と書かれており、積極的に話しかけてきてくれる生徒ではないことはこちらも事前に把握していたのでそこまで驚くことはなかった。
A君は明るくて”Can we do Origami again?”とこちらが提示する教材に興味津々だ。しかし、A君はたまにテンションが高くなりすぎて収拾がつかなくなることがあった。サイコロを投げるのがA君はどうしてもサイコロを上に投げてしまう。廊下にコロコロ転がるサイコロを眺めて喜んでいる。ある日サイコロを高く放り投げて、サイコロが廊下に当たった衝撃で真っ二つに割れてしまったのは今となってはA君との良い思い出だ。
写真:A君が好きなレインボーフレンズのキャラクター、B君は白紙だった。きっとskaryはscaryのスペル間違いと思われる。
B君は基本的に無口で口を開こうとしてくれない。”How are you?”とか”How’s your weekend?”と話しかけてみても”good”とか”nothing”とか反応は非常に薄い。A君と比べて目が合う回数も極端に少なくなかなか接点を探すのに苦労した。どんなに研究機関で理論を学んでも理論通りには絶対行かない。頭でっかちになってはいけないことをB君は私に教えてくれた気がする。B君はホワイトボードに延々と円を描くのが好きで、30分のうち5分〜7分ほど息抜きの時間を作ると集中が続くことがわかった。
写真:B君の描いた円
二人の共通点はまだまだ読み書きの基礎がまだ備わっていないことだ。私の勝手な先入観で「ネイティブ」は幼い頃から文字と音声を一致させられることができると思い込んでいた。実際に読み書きを教えてみると、ノンネイティブの私でも読み書きに関しては教えられることが沢山あることに気づいた。知らぬうちに日本で「ネイティブ信仰」に陥ってしまっていたのかもしれない。ノンネイティブで所謂「純ジャパ」(個人的には差別的にも聞こえてあまり私はこの用語は好きではない)の私が「ネイティブ」に英語を教えている光景は日本で育った人からしたら非常に新鮮で映っただろう。
写真:最終日に渡した鶴の折紙
我々が抱く「ネイティブ=英語のプロ、純ジャパ=海外経験がなく日本で育った(英語が苦手な)日本人」は一体何なのだろうか。
ノンネイティブの私が現地の小学生に英語を教えているとアメリカ人のコーディネーターの方は毎回”Thank you so much for your great work”と褒めてくれる。
ネイティブ、ノンネイティブなんて括りは実は最初から存在しないのではないだろうか。どこからがネイティブでどこからが非ネイティブが定義できる人は実は非常に少ない。アメリカに長年住んできる方ならお分かりだろうが、漢字が覚えられない日本人がいるように数学や読み書きが弱いアメリカ人も沢山いる。ネイティブというアンブレラタームで全てを括ってしまうのはリスクを有していることをお伝えしたい。
コミュニティーサービスは非常に有益な時間であった。折角わざわざ日本からアメリカに来ているのだから研究だけでなくアメリカの実社会との繋がりを忘れずにいたい。
それでは今日も良い1日を。
きたろう
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