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今回の帰省中はまずスピルゥというぶ厚い漫画雑誌のようなものに目を通した(こちらに書いてあります)のですが、続きものは読む気になれないし、読みきりのマンガでも好みじゃないものもやっぱり読みたくないしで、退屈になってきてしまいました。「よし!やっぱりいつも通りタンタンを読もう!」と決意したのが、帰ってくる3日前の夜。その晩早速「金のはさみのカニ」を、翌晩(最後の晩)に「ふしぎな流れ星」と「タンタンのコンゴ探検」を読みました。・・・実は「金のはさみのカニ」(写真中央)と「ふしぎな流れ星」(写真右)は主人と共同で読んだのですが・・・というのも、ディノは私がタンタンを読んでいるのを見て嬉しそうに近づいてきて、本を少しだけ自分の方に引き寄せると、なぜかセリフを音読しだしたのです。もちろん感情を込め、それぞれの役割に合った声を出そうと努力しながら(笑)。私も参加したくなってきたし、彼の野太い声での「タンタン」はツライものがあったので、タンタン役だけは私が奪取しました。・・・あれ?以前にもタンタンのこういう読み方をした様な?まぁいいか、楽しかったしおかげで早く読めたから。主人は「ふしぎな流れ星」を読み終わった時「あ~いいな、いいな、この本は!」と言っていました。航海シーンが長いので、男心がくすぐられるのでしょう。もちろん私も面白かったですよ。ストーリーの大半が敵船との競争で占められているので、シンプルで分かりやすかったのも助かったし。でも私は読後直後にはどちらかというと、「金のはさみのカニ」の方に読み応えを感じました。こちらはミステリー仕立てで結構ややこしく、最後の方を読んでいる時には冒頭の出来事の一部をすっかり忘れてしまうくらいでしたが・・・。(コマが小さくて60ページ続くタンタンは、急いで読むと私の頭に収まりきらない事があります。)タンタン熱が出てしまった私は「ふしぎな流れ星」を読み終わってからも、寝る時間を削って(深夜でしたが)何故かディノの部屋においてあった「タンタンのコンゴ探検」も読み返してみました。これは思いっきり初期のエピソードで絵も他の2作とは少し違うし、タンタンの性格も異なるみたいです。野生動物に対して結構ひどい事を平気でしでかしているのでモラリストが見たら嫌悪するかもしれませんが、漫画のギャグとしては笑えるエピソードがたくさんあります。そういえばこの本は以前「人種差別」の嫌疑をかけられて絶版の危機に瀕していましたね。さきほど見たフランス版wikipediaによると、その後この本は大人用の漫画売り場に移動させられたとの事でしたが・・・漫画売り場って大人用と子供用に別れていましたっけ???本の背表紙によると、このシリーズから出ているタンタンの本は22冊。数えてみると、私は1冊目の「タンタンのコンゴ探検」から今回の「ふしぎな流れ星」までの計9冊と、20冊目の「カスタフィオーレ夫人の宝石」の、合わせて10冊を読んだ訳です。パリの自宅にも少しあるし、1回の帰省中にまとめて5冊くらい読んだ事がありますからね。(なんちゅう嫁!おかげで内容が思い出せないものもあるのですが・・。)まだ読んだ事のないタンタンがあと12冊もあるなんて嬉しいです!クリック投票していただけると嬉しいです。人気ブログランキングへもちろんもうずーーっと前から日本語版も出てますよね。ストーリーも面白いし絵もスタイリッシュだし、おススメです。関係ありませんが、私が1つだけタンタンを不憫に思うのは、あまり食事をしていなそうな事です・・・よく閉じ込められたししているし、たとえ食事シーンがあっても事件の前置きだったりするし・・・。(あと有名な話ですが、女性がほとんど出てこないですよね。)
2008.01.22
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前回コールドウェルの本について触れた時、文全体が長くなってしまって書ききれなかった事を今日はアップします。夫の持っていた「タバコ・ロード」の表紙はとてもキッチュ。「こんな本持ち歩いていて、ちょっと恥ずかしかったりしないの?」と冗談めかして聞くと、ディノは「このおかしさがいいんだよ。もしかしたら初版かもしれないし」と、言います。しかもしばらくしてからセーヌ沿いのブキニスト(古本商の屋台みたいなお店)で、これまた古臭い装丁の「神の小さな土地」を買ってきました。本の後ろの方を見るとディノの「タバコ・ロード」は1963年、「神の小さな土地」は1955年に印刷されているので初版という事はないと思うのだけど、2冊とも、表紙だけでなく背表紙からも、現在とはずいぶん習慣の異なった時代に発行された事がよく分かります。普通は本の背表紙といえば、こんな風に著者の写真と作品紹介が書いてあったり(これは前述の2作と同じく「Le livre de poche」シリーズから1990年に出たものです)、それともこんな風に表紙から繋がる絵が描いてあったり(これは1963年に同シリーズから出ているもの。この本も古いですね・・・)するのがありがちだと思うのに、ディノ所有のコールドウェル2作品ときたら、こんななんです。写真左の黄色い背表紙が「タバコ・ロード」のもの。「この壮大さは否定できない(意訳)」という、批評から持ってきたらしい一句とそのソースだけが、でかでかと印刷されています。その隣に写っている「神の小さな土地」の背表紙はというと、左の枠の中に作品の紹介、右上にコールドウェルの肖像、そしてその下には「これまでの600万人と同じく、あなたもこの本を好きになる(意訳)」という宣伝文句が筆記体で書かれています。うーん、なんだか古臭い!確かに面白いねこの2冊は中の紙が相当黄ばんでいて、電車で読んでいると横に座ってきた小さな男の子が不思議そうに私の開いているページを「じーっ」と眺めてきた事もあったぐらいなのだけど(横に立っていたお父さんは「こら、やめなさい」ときまり悪げに繰り返していた)、まぁよしとしましょう。ようやくコールドウェルが終わったので、今度はディノの友人マルク・コベールがプレゼントしてくれた本にかかる事にしました。日本に6年住んでいた彼の書いた「L'archipel des osselets」、訳して「小骨列島(?)」は、日本人の「オガタ警部」を主人公に据えた小説。字がすごく大きい割にボキャブラリーがコールドウェル作品よりもややこしいけれど、マルクの日本観も探りつつ楽しみたいです。
2007.12.10
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前々からこのブログで私は、主人の性格がパンクポンクみたいだと書いたり、彼のおかしな写真をアップしたりしてきたけれど、そんなディノも友達からは一応「インテリ層」というジャンルに入れてもらえている模様。まぁ哲学書や詩集も含めてたくさんの本を読んでいるし、顔つきもよく見ると険しいんだもん。それに若者文化が好きな様でいながら、ラップとかを聞くと瞬時に顔をしかめる頑固オヤジなところがあるし。たぶんそう「見える」よね、うん。(実際のところどうなのかは私には測定不能ですが。私自身に判断能力がないので・・・。)そんな彼がある日、妙にキッチュな表紙の本を読んでいたので驚いた。(表紙をおさえた私の小指がなぜか、有り得ないぐらい細く写っていてキモチ悪い・・・。ごめんなさい。)一体なんなの?このジャンクな表紙!頑固オヤジのあなたが毛嫌いしそうなタイプの通俗小説なんじゃないの?そう思って聞くと、ディノはとっても嬉しそうに「この本、やめられないんだよね。ひとつひとつの出来事がすごく緻密に生々しく描写されていて」と言った後、冒頭のカブ(野菜のね)を巡るやりとりについて話してくれた。私も読んでみると、1930年代のアメリカ南部に住む「プア・ホワイト」と呼ばれる貧しい白人達の暮らしを描くこの本は、彼らの貧しさやそこから生ずる動物的な生活がとても衝撃的で、スイスイ進んでしまった。誰にでも勧められる本ではないけど、私には思いもよらなかったアメリカの暗い部分を知る事のできた貴重な経験だったと思う。その後、今度は同じくコールドウェルの「神の小さな土地」も読んだ。こちらも同時代の同じ階層の人々の事を描いていて、ある一家を中心にストーリーが進んでいく点も「タバコ・ロード」と一致している。(しかも、両家族の苗字が同じだった気がするのだけど・・?)父親像がかなり違うので、カラーはかなり異なっているけれど。この2作の中では「タバコ・ロード」の方が先に書かれたらしいのだけど、「神の小さな土地」の方が長くてストーリー性があるので、読む順番としても「タバコ・ロード」を先にして正解だったと思う。私は「コールドウェル」の名前を聞いた事がなかったけれど、ディノに言わせるとこの作家はヘミングウェイよりも多くの本を売り上げた時期もあったらしいです。(当時の人々にとっては)センセーショナルな描写もあるために、本が出たときは相当の非難も浴びたそうだけど・・・。この2冊は本としても読み応えがあったのだけど、フランス語の勉強にも役立つなぁと思いました。というのは「繰り返し」がとても多いからです。「タバコ・ロード」に出てくる一家の主のジーターにも、「神の小さな土地」の家長のタイ・タイにも、それぞれに頑固な信念があるのですが、コールドウェルはその2人の考え事を何度も何度も描写しています。なので知らない単語が出ててきても、その都度電子辞書などを使って調べていけば、本を読み終わる頃にはたくさんの単語力がついているのではないかと。(でも私は分からない単語が出てきても調べずにそのまま読んでしまったので、そんなに頭に残っている単語はありませんが。今思いつくのは「le guano」という単語だけで、その意味は「肥料」だから、これを使う日が来るのかは不明だし・・・。)語学の勉強という意味でも、原作を味わうという意味でも、もちろん原文で読めば一番いいのでしょうが、英語で読む根性はない上、家にちょうどフランス語版があったのでこういう事になってしまいました。それでも英語とフランス語と日本語の3言語を比べると、英語とフランス語が一応文法的には近いと言えるので、日本語で読むよりは良かったかもしれないななんて思っています。どちらも映画化されているので観てみたいです。両作品ともストーリーが原作とは少し異なっているらしいので、観ても不満が残るかもしれませんが・・・。
2007.12.09
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