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2008年06月24日

何の予定もない、平日の休日・・・

外は

外出する用事も何もない

こんな日は、外の雨音に耳を傾けながら必ず思い出すことがある

高校の時の片思い…

１年生のころ同じクラスだった、指の綺麗なやさしい男の子
部活が一緒だったこともあり、よく一緒に戯れていた

仲の良い、男友達の一人だった

当時陸上部だった私・・・
ある日、いつものように練習用のスパイクをもってグラウンドに出て、みんなとの練習に混じった
アップが終わりスパイクを履こうとしたら、自分のものより大きいのに気づいた

デザインも汚れ具合も一緒なのに、なぜかサイズが大きい…
なんで・・・友達と話していたら、後ろで私のスパイクと間違って持っていった犯人の声がした

「これ、ちっちぇ！俺のじゃない！！」
スパイクを履こうとして、ようやく気づいたらしい

「ばっかじゃん！？持ってきてやったんだから、感謝しなよ」

「はいはい、ありがとうございました。ＭＩＫＵって思ったより、足ちっちゃいのな！？」

「馬鹿の大足って言いたいのか！？」

「よくわかってんじゃん！！」

いつものように、憎まれ口を聞いてスパイクを交換する

こんな、他愛もないやり取りが楽しかった毎日

じゃんけんで負けて、怖い顧問に本日の練習メニューを聞きに行く時にはおれも用事があるから、一緒に行ってやるよそう言って、ついてきてくれた

さりげない優しさを誰にでも見せてくれる人だった
だから、彼は男女問わず好かれていた

仲が良いのをやっかんだ女の子たちから「ＭＩＫＵとヒロシ君はつきあってんの？」と良く聞かれたことがある。

私は、彼にとって仲の良い女友達の一人だった

彼との関係は、それ以上近づくこともなく卒業した

高校を卒業して２年目の夏、大きなＯＢ会があった

私の一つ上の学年を中心に前後３年のＯＢが集結した
５０名前後の参加者があった

２次会のカラオケで、隣に座ったヒロシが「おやじがこっちに家を建てたんだ。○○って店のそば。なんか、おれの居場所がないんだよね。ＭＩＫＵ、朝まで俺につきあってよ。」そう言ってきた

今考えると恥ずかしいが、お子様だったＭＩＫＵ・・・

「いいよ、わかった！みんなで朝まで騒ごう！！」

そう言って、騒いでいるみんなの中に混じっていった・・・

３次会のお店についてすぐ、アドレス帳を貸してＭＩＫＵのバッグの中からアドレス帳を取り出しなにやら書いていたヒロシ

１次会でいろんな人に現住所を書いてもらっていたＭＩＫＵ
ヒロシのは聞きそびれていた

絶対連絡しろよ！！
そう言って、みんなの輪の中に混じっていった
見ると、裏表紙にきれいな大きい字でヒロシの連絡先が書いてあった
ヒロシは字がとても綺麗だった
居眠り常習犯だったＭＩＫＵは、よくノートを借りていた
懐かしい、ヒロシの字だった

夏休みが終わり、それぞれの生活に戻った
なんだか恥ずかしくて、ヒロシの連絡先をダイヤルできなかった

意を決して電話をしたことがあったが、留守電だった・・・
そんなことを３回繰り返しただろうか・・・
そのうち、季節が変わってしまった

次の年から、ヒロシの姿を見ることはなかった

さらに２年後、同窓会誌が発売され、購入したがヒロシはその中にいなかった
不明者として載っていた

アドレス帳に書いてあった所に連絡したが、すでに番号の所有者は変わっていた

Ｈ市の同じ名字の家に電話して尋ねたが、ヒロシという男はいなかった

５年前の同窓会の際、ヒロシと仲の良かった男友達にヒロシのことを聞いたが、わからなかった

いま、ヒロシがどこで何しているのかは知らない・・・わからない

ただ、あの夏ヒロシが何を言いたかったのだろう・・・

雨の日は、過去を振り返りセンチメンタルな気分になる・・・

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