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2005.04.07

『モテ』ブームの周辺（ジェンダーフリー）

テーマ：働く女性（ジェンダーフリー）(3)

カテゴリ：新しい生き方を求めて。

　４月３日の日記で逆風の中、自分たちの力で子供たちを育てる環境を切り拓きつつ子育てをし、仕事を続けてきた女たちのことを書いた。

　ここ数日、新聞は「次世代育成支援対策推進法」（次世代法）に基づいて、企業が社員の子育てを支援する行動計画策定なるものを次々に決定したことを報じている。日本の名だたる大企業がである。しかも今日の新聞報道によれば、「女性の働きやすさで高く評価される企業の株式」を組み込んだ投資信託が増える兆しを見せているとさえ言う。
　確かに、男女雇用機会均等法の改正や、結婚しない若者の増加、子供の数の急激な減少などのため、社会の風向きは働く女性支援の方向に大きく流れを変えようとしている。
　この現象は逆風の中、世間の非難に晒されて生きてきた私たち世代の女にとっては、信じられない夢の中の社会の変貌ぶりである。と同時に何を今更という思いもある。
　しかし、本当に女たちは子育てをしつつ社会の中で働き続ける支援を受けることが出来るようになったか？

　否、である。

　今や、２０代の女性たちの約半数がフリーターにしかなれず、フルタイムの職業に就くという状況はなくなりつつある。入り口の段階で早々に排除されている。しかも、８０年代なら、仕事がだめなら条件の良い男性と結婚して専業主婦になるというコースがあった。しかし現在はその男性たちの就業環境も厳しく、その条件の良い専業主婦の道も険しいのである。
　高収入の所謂「勝ち組」と世間がいう職業の男性に「モテ」るように、外面を「モテ服」で着飾ることを宣伝する女性誌がブームとなり、若い女性の心をつかんでいる。
　社会的に作り出された性差別が形式上は解消されつつあるかに見える今、女たちは逆に自己の生物的な性(sex)を売り物にして、男に媚びようとしている。セクシャリティーに磨きをかける事に生きがいをみいだしている。

　確かに今、社会が打ち出している「子育て支援策」は高い専門性を持った優秀な働き手である女性たちはその恩恵を受けることが出来る。以前の女たちが考えられないような恵まれた環境である。少なくとも表面的、形式的には。しかし圧倒的多くの女性はその恩恵を受けるどころか益々袋小路に追い詰められている。

　女たちは、この現実をしつかり見極める知性を身につけるべきではないか。そこから、自らの状況を切り開く受身的でない生き方を模索できる自分を作り出す事を模索すべきだはないか。「もて服」で身を飾り立ててることで、本当に充実した、継続した人間としての未来ある歩みがあるか。

　今日の女性たちの置かれている状況も、３０年前の女たちのそれとまだ大きく変化はしていないと言うことをこのことは物語っている。むしろ、悪化している。

　彼女たちは無邪気に女の子らしさを演じている。
　彼女たちの関心ごとは狭い自分の事だけである。

こういう娘たちを育てたのも私たち親世代であること親たちは自覚しているか。

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