日々草

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2005.08.30
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カテゴリ: 教育・子育て
理科と数学の教科書からみる今の学校は?

子供たちと勉強していて、一番ひどいなと思うことは「理科」と「数学」の中学の教科書の新課程後の変化である。
旧課程に比べ教科の内容を3割削減しているので、教科書が薄くなったのはいたし方がないとしても、それにしてもひどすぎる。

当地域は「数学」1年、2年、3年(計三冊)は啓林館の教科書、   
理科は「新しい科学」1分野上・下、 2分野上・下 (計4冊)は、 東京書籍の教科書である。

特に理科のこの教科書は、B4版(教科書としては大きめ)で1分冊が100ページ余りで、内容は写真やイラストや絵がほとんどで、その合間を縫って説明文があるという構成である。
以前には小学校低学年に使用されていた「りか」の教科書がこのようであった。

いくら文字離れの現代っ子が、動画やイラストなどの絵を好むからといって、ちょっと子どもに迎合しすぎでなないか。相手は中学生なのである。

この教科書で子どもの理解力が向上し、理科が好きになったというのならまあこの教科書も「良し」ということである。
がしかし、この2年間の中学生は恐ろしいほど理科の出来が悪いのである。理科嫌いが倍増しているといっていいほどだ。(学ぶ内容を3割削減したら益々学力が落ちた)

例えば「生物」分野に、植物の生活とからだのしくみ:動物の行動と体の働きなどの章があるが、子供たちは身の回りの植物がどのような仕組みで生きているか、全くといっていいほど理解していない。理解できないでいる。
さらに人間のからだ、自分のからだであるのに、どのようなものから成り立ち、どんな働きをしているか恐ろしく無知なのである。(学習した後なのに)
何よりも自分のからだの仕組みを知ろうという好奇心がないのである。

そして教科書は、
非常に基本的な事柄でも、教科書で調べようとしても調べようがないほど情報量も少ない上に、何よりも体系的に記述されていないため、知識として蓄積していくことが困難になっている。

数学の教科書も、この教科書で数学を理解し、力をつけることは出来ない、と断言できる。
何をどう教えたら子供たちは数学がわかるかという、観点からは編集されていない。ただばらばらな知識の羅列。例題の典型性も優れているとは思えない。

何のための教科書なのだろうか。

出版社の儲けのためなのか。教科書なんていい加減でいいのだろうか。
しかし、教科書を神様のごとく奉り、信奉している親が結構いる。
教科書通りやってくれと、教師に抗議する親さえいる。
教師も教科書を教条的に信奉している。地方ではこのような教師がかなりいる。
教科書のやり方しか認めないという、硬直した教師である。(最近はこういう教師は減る傾向にあるが)

理数系の義務教育の教科書がこのように支離滅裂であるという事は、
日本は科学技術立国を目指すことをやめたのだろうか。

仮想世界でお金を売買して、あぶく銭を儲けて生きる人間が賞賛され、羨望される方向にこの国は転換したようである。

庶民が科学的な知識を身につけることは無用になったのだ。
株の取引の勉強を子どもはしなければならないのである。

このようにひどい教科書を子供たちは使って教えられている。
分からないのは当然なのだ。

しかも、今の子供たちには、ひとりひとりに自主独立的な精神が育っておらず、とても手がかかり、丁寧にかかわらないと理解できないのである。
そんな子供たちには、30人学級でさえ大所帯すぎる。
このクラス規模では、ほとんど勉強は成立していない。

このような子供たちが、しっかりした知性を身につけ成長していくことのできる社会。
そのためにはお金がかかるのである。その子供たちのためには経費を惜しまない政府。
私たちはそんな社会を目指すべきだ。

今、郵政民営化を叫んでいる小泉自民党では、このような子供たちの豊かな成長を保障しないことは請け合いである。

昨日のお昼のテレビで村上ファンドとかの若造が、得意げになめらかな弁舌で
「340兆もの国民の資産を、国が管理しているような国は、世界にはどこにもない。民にお金を持ち込むことは、お金をどう使うか国民が選ぶことであり、たとえリスクがあるところに使われたとしても、それは国民が自分で判断して選び取ったことであり、自分で責任を持ってやるべき事」と言っていた。

国民は何も知らない無知のほうが、笑いが止まらぬほど儲かる人たちがいるのである。
国民が利口になっては困るのである。

このまま進んでいけば子供たちの学力の格差は益々ひろまり、お上の教育を信頼して任せている庶民はひどい目に遭う。

良い教育を受けるには膨大なお金がかかることになる。

衆議院選挙が始まった、
子供たちが健やか育つ社会を妨害しているものは何か、親は目を凝らし見つめることが必要だ。

財源がない。このままだと国の財政は破綻すると国民を脅しているが
財政はすでに破綻している。
ゼロからやり直せばよいこと。予算を根本から組み替えればいいこと。

それをやったからと言って庶民にはなにも害はない。
混乱したっていいではないか。恐れることはない。
これ以上悪くなりようはないのだから。





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最終更新日  2005.08.30 16:17:59
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