日々草

日々草

2012.03.13
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カテゴリ: 老いを生きる

老いることの哀しさ

朝ドラ「カーネンション」は3月に入ってから、配役人を一新、主人公の糸子の70歳代を描いている。

主人公の糸子を演じる夏木マリが、
老いていく哀しみ恐れ不安を体当たりで熱演。
にわかにドラマが活気づいた。

今日(13日)は特によかった。
老いて行くとはどのようなことかを
深いところから照らし出している。

糸子は腕のよい洋裁師として
数十年かけて築きあげてきたものに、自信満々。
満ち足りた日々を送っていた。
豊富な経験を誇示して生活していた。
そんな時、突然起きた階段からの転倒による骨折。

今まで当たり前に出来ていた事が
次第にできなくなっていることへの
くやしさ、哀しさ、
これから、当たり前に出来ていた事が
出来なくなるであろう事に対する
不安、恐れ、怖さ、

日頃、自信満々、怒鳴り散らして、
超多忙、てんやわんやの暮らしの
強気の糸子さん、
独りで歩んでいく寂しさの深淵を
こころの奥深くに
不覚にも覗き込んでしまった。

突然の骨折で、
身動きできない日常に出会って、
糸子は煩悶する。

トドメは
娘たちが、
親の自分に毎日のように頼って電話してくる仕事は、
「老いていく母をいたわる気持ちから仕事を与えてくれていた」
のだと知った時である。
娘たちは、
仕事上ではもう親を必要としなくなっていた。
親の届かぬ先を行っていた。

療養のベットでその事実に遭遇し、
糸子さん、はっと我をとりもどす。

毅然と背筋を伸ばして、
仕切り直して、
前を向いて生きなくてはいけないと
きっぱりと
自らに言い聞かせる。

娘たちに頼っていた自分の不甲斐なさに気づく。

その潔さ、
そのまっすぐさ、

最期まで、
自らの足で立とうととする
その強さ。

これは、
老いゆくもの
私の今の生きるテーマでもある。

その強さはどこから生まれてくるのか?

これは、ドラマではあるが、
糸子演ずる夏木マリは
老いの哀しみ
老いの孤独を
毅然と背筋まっすぐに伸ばして演じて見せている。

孫と糸子の無言の場面が特にいい。
画面のなかに深い哀しみが鎮静している。それでいて、画面のなかに明日へのひたひたと押し寄せる
静かなエネルギーがある。

このドラマは
今日のこの場面で終わりにして欲しいくらいだ。
(安ぽいHappy Endにしないで欲しい)


80歳代の高齢者が集うサークル・鉛筆画

昨日、私の所属している鉛筆画の新年会があった。
なかなか暖かくならず延び延びになっていた。
このところ春の陽気であったが、
昨日は寒の戻り、
冷たい北風がぴゅーぴゅー吹いた。
このメンバーはこのあたりの商店街(今はほとんど閉めている)
で、働きづめに働いた女たちである。

彼女たちは、もう20年あまり鉛筆画を描いてきた。
このおばあちゃんたち、
それぞれ必死に生き抜いてきたのはみんな同じ。
そして、今も元気、元気。
彼女たちの話を聞いていると、それぞれのお方が
寝たきりにならないため、
1) 食事は自分でできる。
2) トイレは自分でできる。
      3) お風呂は自分で入浴できる。

この3つの事ができるために、
いろいろな努力をしておられる。
ただ、老いていくのを、なすがままして暮らしているのではない。
かなりの強い意志で努力して送っておられ、
今日に至っているのを知り、
とても私自身学ぶこと多い。
感心した。

彼女たちは、表面は元気、元気。
元気そうであるが、
その心の奥深くには人生の曲折したひだを
それぞれが抱えているはずである。

そうであっても、果敢にみんな生きようとしている。

69歳、ひとりだけ若く、
鉛筆画もまだやり始めて8か月のわたし。

IMG_2864 (450x338).jpg
(鉛筆画「ケイト」ウ・2月に描いたもの。鶏頭の頭の微妙な濃淡が難しく、
時間がかかった。)

私はまだ8か月ですが、
他の先輩のおばあちゃんたちは、
このような鉛筆画を20年間もやり続けています。

すごいでしょう。


傲慢で独善・橋下徹の恐怖政治

         民主的な感性欠落した、恐ろしい人・橋下徹なる人物。

朝ドラ「カーネション」の舞台、岸和田市にある大阪府立和泉高校の卒業式で、
橋下の友人で民間から登用された副校長が、
卒業式の最中に「君が代」を斉唱しているかどうかを
口元をひとりひとり見て、チェックしていた。
3人の教師が口元チェックで
歌っていないと判明したとして、処分されるという。

橋下徹大阪市長は
職務命令を守っているかどうかチェックするのに、
口元を見て、チェックして何が悪い。
それ以外にどんな調べ方がある。
ルールを守るとはどういうことか、示しただけ。」

と言っている。

何という恐ろしいこと!
ようするに自分の意のままにならない者には
このような罰をくわえるぞ。
と脅しをかけている。

権力者の顔色をうかがって、委縮する子供を創り出す教育。
こんなものが21世紀の世界に通用する子供像だとは情けない。

このような人物をやんやと囃し立て、
おもしろがって支持している大阪の市民って恐ろしい。

今、直面している困難を打開するには、
社会の構造そのものを根底で変革することなしにはありえない。
表面上の制度をいじくっても何も変わらない。
橋下徹大阪市長の言っている制度改革が実施されたら、
それを熱狂的に支持している20代~30代が
最も悲惨な状態になるだけということは、
小泉改革で実証済み。
小泉改革で増々社会には貧困層が増大した。
しかも小泉を熱狂的に支持した青年層が
悲惨な状態になっている。
その当時、世間が囃し立て、
メディアが熱狂的に取り上げたのは「ホリエモン」
若者たちもこのホリエモンに心酔して、
日本中が「ホリエモン」をめざした。
このから騒ぎの結末は、皆が見た通りだ。

橋下徹の改革は、
それを衣替えして、
もっと性急に独善的にやろうとしているだけ。

それで、ほんとうにいいのか?






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最終更新日  2012.03.14 09:49:09
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