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南畑ダムもそろそろ終盤に差し掛かる。うわさが一人歩きをはじめる。「大分に日出生ダムが始まりそうだよ!」「マツは一番にご指名だよな~」「まっちゃんよ~大分行ったら皆を観光案内せーや」「別府連れて行けヤー」色んな事を言い寄るのです。まー故郷の県に帰れるんだーと思うだけでワクワクでした。何日かしたある日、辞令「島根県布部ダム転勤」なぬっ!全くの肩透かし しかも12月に入ろうとしている季節にこの南国育ちを日本海側にやろうとは、会社は人間じゃない!(そうです会社は人間ではありません、怪物です)住所を聞き宅急便の宛名みたいに札に書いてバックに入れ翌日夜行列車に乗るため現場を下るのです。博多駅より見送りも無く 一人寂しく夜汽車に乗り込むのです。隣席した人と話も弾み、お花のいけ方を取得?(男性)一眠りして目を覚ますと「マツエ~マツエ~」のアナウンス。米子で降りて 「さあ~どこに向けて何に乗ったらいいのやら」早速駅員に宛名住所カードをお見せする 黙って渡せば 直ぐ返事!「そこのバス停から広瀬行きにのんな!」「おおきに!」早速来たバスに乗り込む、割とすいてた 1番前に乗り途中から運転手と話し込む、運転手も暇だったんでしょう私の話をよく来てくれた。(運転手 暇なわけないですね)話に寄ると山中鹿之助と言う武将が居たそうな!城下町との事「そりゃ現場から城下町が傍とはありがたい」と思ってるうちに降りる終点に来た!一時間以上バスに乗ってたと思う。バス停に下りたけど、あとが判らない。2・3の通行人に宛名カードを見せ、やっと行き先判明!バスは此れより先は日に2本朝と夕方のみ!仕方なくとぼとぼ歩き始める。町外れまで来た時 自動三輪が来る 手を挙げてカード見せながら事情の説明 「いいよ 乗んな!」「ありがとうございます」助手席は他が載ってる 荷台を見ると豚の子が10頭余り 何でもイイや 載せてもらえた喜びで豚の折の中へ 寝袋とバックは運転席の屋根にのせ ギターは背中に担いで 揺れる荷台にしがみつき 足元は豚に足踏まれたり小便掛けられたり、し乍小一時間!素手では何も握っていられないくらい寒かった(冷たかったのです)履物は福岡からず~っと長靴のまま、お陰で豚の小便には耐える事が出来たのです。飯場の前まで送ってくれて「有難うおっさん 恩に切るで~お礼はないけどな~」。昼頃ついた、元請会社の現場所長が迎えてくれたんです。「難しい所あるんで君を指名して来て貰ったンや たのむで~」他のオペでは難しいってどんなとこだろう?と案じながら「今日はもう休めや」「明日現場案内するからな~」。所長はまだ30歳くらい マツは22歳だった!明日が楽しみダー。
2002年09月25日
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一週間交代の夜勤2日目に入る。夕方6時半過ぎ現場につくと 主任から「マツは3段目のベンチに入れ!」と言われ「よ~しいくぞ!」と時速2kでダンプ6・7台ゾロゾロ引き連れて歩き出した。3段目は”く”の字に曲がった急坂になってるんです。ショベルの駆動はウインチで旋回クラッチを切り替えて動く為、登坂力が弱く途中で登れなくなったらその場で止まるブレーキが無いのです。エンジンは回りウインチも廻って機体が止まるということはクラッチが滑る事になるので すばやくクラッチを切る!下降しないために ロックを掛けるのです。でもタイミングが難しい ロックは全ロック(前後ともにロック)と片ロック(後進だけしない)があるのです、したがって登坂の時には、片ロックで登るのです。ところが直進で登り着くならいいのですが 途中で方向を変えるとき前進レバーを中立に戻し少し後進にレバーを移動してキャラピラの片方をロックさせて方向を変え又ロックをはずす操作をしなければ成らないのです。登り坂は出来るだけ方向変える操作回数を少なくする方向を選び歩くのです。でも”く”の字の道では一度は切り替えねばなりません。片方ロックで登りながら限界まで来て切り替えの為止まる、運転席は右側にあり登坂中の崖も右側になって登るのです。すでに5・6mの高さは出来てる所で切り替えの為に止まった瞬間 我が足元の土がなくなったのです。でもなぜか?機体は傾きもしない、全くそのままなのです。一瞬目の錯覚かな?とも思えるほど!ともかく飛び降りたのです、「さあ~後はどうでもなれ~」って気持ちで周りを見回すと、確かに機体の半分は崖の外にでてるんです。なのに転倒しない???エンジンは木切れを使って止めたのですが、もう手で押しても転倒するかも知れない。よく調べてみると、考え難いことではあるけど、宙に浮いてる方の前の端に岩が出ていてそれが少~し掛ってるんです、片方ロックで登っていた為止めた瞬間にロックが掛り動かなかったのが幸いしたらしい。この道路の落盤も昼勤の者が道の下を土取りして 下を空かしてしまったために落ちたものと判る。バカを相手に仕事するのも命がけです。兎に角この機体の救出が大変です!主任が上がってきたのですが、どうしょうも無い。「マツどうして引き出すか?」答えがでないんです。「下から埋めなければ 出す方法がないんじゃないですか?」「じゃそうしょう!」別なショベルで土を積みダンプで運ぶ、ごく当たり前の作業なんですけど、今夜はダム用に運ぶ原石が出ない 一晩中運んで朝方やっと機体の脱出が出来たのです。今夜の出来事は、マツが悪いのではない!昼勤のバカがわる~い。命を2つ・3つ準備しとかなければ、と つくずく感じた夜勤でした。
2002年09月17日
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ダム工事は休日がないのです、と言っても月に一日は有るんですけど、貴重な休みです。でも観光めぐりするほどの事も無いし飯場でゴロゴロするだけ!飯場の直ぐ下は川になってますけど この上流 原石山の傍に建てられたモータープール(修理工場)の道を挟んだ下が池になってるんです。川をせき止めて小さな土手を築き地元の田圃用の池なのです。何人かが魚を確認してるという事で、それを採りに行こうということになったのです。採る方法として電気でしびれさせてタブ(金の輪ッカが付いて網袋をつけたもの)で掬い取ろう!みんなの晩のおかずにしょうと5人ほどで出かけたのです。手分けしてタブを作るもの、電気を段取りするもの。タブ網が無いので鳥小屋の囲い網をはずして作ったのです、電気は電気溶接の火花の出る線を川まで50mほどつなぎながら、崖を滑り降り 池のぷちまで引いてきたのです。少しでも広範囲の魚をしびれさせる為に2本の線を一本は20mくらい離して水につける、離して水に付けた20m間の魚は一網打尽に捕獲しょう!その間はビリビリ来たら大変だから 人の体は絶対水に触れるなよ~!とお互い声を掛け会いながら、合図をしてモータープール内の溶接機の電源を入れる。「さあ~いくぞ~」。同時に電線の端を水の中へ、固唾をのみ水面を見渡す。一匹水面に出てきた!ところがなぜかまた潜ってしまった。待てど暮らせど上がってこない!「おお~い電源入れなおせ~」でも何も無く静かなもの。「線が悪いのかな~、そっちの端を持ってきてスパークしてみろ!」なぜか、火花がバチバチ!もう一度 線の両端を今度は1mくらい離しただけで水中に入れる恐る恐る、一指し指を水につけてみる。”ビリッ”と来るはずが何ともない。なぬっ!此れじゃ魚は浮き上がらないはずだ。大きな期待はずれで、皆座り込む。みな何も言わない。魚が水面に一杯浮き上がった想像をしていただけに、なおさらです!。知識の無いものは、行動で確認する事しか出来ない。金が無いのも悔しいが、知識のないのも悔しい!昼飯も食べずに2・3時間 楽しくも有ったけど、こんな疲れたことはなかった。飯場に帰ると他のものは鍋を叩いて待っているんです。山間部の僻地生活 魚が食えるぞ~と期待をさせて、土産は皆無!あ~つかれた。
2002年09月04日
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