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2006年04月16日
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ヴィラ=ロボス指揮フランス国立管
 録音年月:1956年6月7日、13日
 録音場所:?


 自作自演がしかも彼を認めたフランスのオケで残されているのは、彼の音楽を愛する者としては何とも言えぬ喜びだ。
 時代からしてモノラルなのは仕方ないが大変聞きやすいのがまた嬉しい。
 この全集はLP時代から持っているけれど、CDになってもLPは持ち続けたい。そんな私の愛聴盤のひとつだ。
 フランス国立管はまだフランスの薫りが残っている時代、音色の色艶、歌い方の妙技、絶妙なアンサンブル(微妙にズレてるところが何とも微笑ましい)。作曲者の指揮ぶりも見事なもので、時に音が明るく軽くなってしまうところを引き締めてブラジルの大地を思わせる、太くて重い音を引き出している。音色が暖かくちょっと暗い感じで、うまくサウダード(郷愁あるいは失ったものへの想い)している。特徴を一言で言えば「味のある演奏」。もうこんな演奏は現代では聴けないだろう。

 さて、第5番の聴き所をかいつまんでみる。
○第1楽章
 ・ソプラノのハミングの出だしは、「第1音を伸ばして」「ブレス」「第2音からブレスなしで第3音へ」。
 ・ソプラノのビクトリア・デ・ロス・アンヘレスは愛らしい歌い方で、録音のせいか声に潤いはないが明るく伸びやかで表情付けが細かい。

○第2楽章
 ・早口でも言葉は明瞭で自然。素晴らしい。
 ・「カリリの里を思い出させよ!」と歌い放ったあとの合奏チェロの音量を抑えた絶妙な入り方は流石に作曲者の意図を反映したものか。単なる伴奏ではなく、有機的な部分として音楽の一翼を担っていることに気付かされる。
 ・ラストの部分は、長い音をややクレッシエンドで盛り上げ、ブレスし、最後の音はやや絶叫に近い声で締める。

 作曲者の意図が100%表現されているかどうかはともかく、時にブラジル民謡、時にバッハ、時に懐かしさ、時に哀しみが交錯する不思議な世界がここには確かに現れている。






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最終更新日  2006年04月16日 19時41分37秒
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