一即多、多即一

一即多、多即一

2004.11.27
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カテゴリ: ざれごと
 寿限無、寿限無、五劫のすり切れ、海砂利水魚の、水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、ヤブラコウジのブラコウジ、パイポパイポパイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助。

 これはコピペではない。子供の頃これをそらで聞いて覚えてしまい、いまだに忘れていなかった。子供の頃に覚えていたものは、なかなか忘れないものである。これが大人になってからだと、そう簡単に覚えられないし、覚えてもすぐ忘れてしまう。

 落語の寿限無を知らない人には、上のものはなんだかさっぱりわからないだろう。これは人の名前である。もちろん落語だからあり得る話しであって、現実にこんな名前を付ける親はいないが、そこは落語である。大工の八五郎が子供が生まれたので、寺の住職のところに長生きできるような名前を付けてくれと頼み、住職があげていったのが冒頭の内容である。

 しかし、見てみるとまともに名前としてつけられそうなのは最後の長助だけで、あとはこんな名前を付けられたら、子供がかわいそうだというものばかりである。住職がこんなものを列挙したのは、たんに自分の博識をひけらかしたかったのではないか?そう考えると、この住職もあまりたいした人ではない。

 子供の頃は名前はいじめの対象である。こんな名前を付けられたら災難だと思うが、あろうことか八五郎は住職に言われたもの全部を名前としてしまう。現実にこんな名前の人がいたら、少なくとも日本では最長だろう。世界ではどうだろうか?

 落語では、いちいちこの長い名前をみんなで呼びかけることによって、爆笑を誘う。もしこんな名前が現実にあったとしたら、略称で呼ぶことになると思うが、落語だけあって全部連呼する。
寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の、、、
これをやってるうちに、もう朝になっちゃったよ等というギャグが展開されていく。

寿限無、寿限無、五劫の...いや、要するにこの子は病気もせず、怪我もせずに大きくなりまして、いよいよ学校へ上がる歳になりました。その入学式の当日でございます。朝早く、近所の子供たちが迎えに参りまして

近所の子
寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲来末、風来末、食う寝る所に住む所、薮ら柑子のぶら柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助ちゃん、学校行こう!

かみさん
おやまあ、タケちゃんたち、朝、早いんだねぇ。うちの寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲来末、風来末、食う寝る所に住む所、薮ら柑子のぶら柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助はまだ寝てるんだよ。ごめんね、いま起こして来るから、ちょっと待っててね。

これ! 寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲来末、風来末、食う寝る所に住む所、薮ら柑子のぶら柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助! 起きなさい! まったくいつまで寝てるつもりだい! 今日から学校だって言うのに! 起きなさい、起きなったら...

ちょいと、お前さん、寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲来末、風来末、食う寝る所に住む所、薮ら柑子のぶら柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助ったら、まだ起きないんだよ!! お前さんからしかってやっておくれよ

八五郎
何ぃ? 学校上がる初日っから寝坊たぁ、どういう料簡でぇ! とんでもねぇ野郎だ。おぅっ、寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲来末、風来末、食う寝る所に住む所、薮ら柑子のぶら柑子、パイポ、パイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助! 起きやがれ!

近所の子 おじちゃん! もう学校、夏休みになっちゃったよ!!

とまあこんな感じである。わたしは子供の頃この噺をよく聞いて、腹をかかえて大笑いしていたものである。

 この噺の中に出てくる人たちは、このばかばかしくも長ったらしい名前を全部連呼しなければならないと思っているようである。しかし、別に寿限無とだけ言ってもいいわけである。しかしそれをせずに、寿限無、寿限無、五劫のすり切れ、、、とやっている。寿限無だけですませていれば、学校が夏休みにもならずにすんだわけだが、そういうことをせずこれからもこの噺の中に出てくる人たちは、相も変わらずばかばかしい名前の連呼を続けるのだろう。

 発想が凝り固まってしまうと、柔軟な思考ができず行き詰まってしまう。寿限無の登場人物達も名前を全部連呼しなければいけない、という固定観念に凝り固まっているから、無駄な時間を過ごし続けることになる。何事も固定的にとらえるのではなく、柔軟な思考が必要である。それによって行き詰まった状況から脱却することができる。





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Last updated  2004.11.27 09:20:28
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湖 南 @ Re:衝撃の事実(04/09) こんばんは 私のようなオタクとは違って…
one3792 @ Re[1]:衝撃の事実(04/09) マー坊007さん >おはようございます。…
one3792 @ Re[1]:衝撃の事実(04/09) ミネア135さん >私もほんとこの前まで…

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