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33.ジン・トニック(Gin and Tonic)【現代の標準的なレシピ】ジン(45)、トニック・ウォーター(適量)、氷、カット・ライムまたはライム・スライス 【スタイル】ビルド 19世紀初頭、インドに駐在していた英陸軍内でマラリア対策として生まれたと伝わります。熱帯地方のインドでは兵士をマラリアから守ることが重要な課題で、キナの樹皮からつくるキニーネにマラリアへの薬効があることは、17世紀半ばにはすでに知られていました。苦味のあるキニーネを飲みやすくするため、軍医がジンや水、砂糖、ライムを加えた飲み薬を処方したのが、後にジン・トニックの原型となったと言われています(出典:Wikipedia英語版ほか)。 なお、欧米では「キニーネ」は食品添加物として認可されていますが、日本では「劇薬」指定で食品への使用は認められていません。従って、日本国内で販売されているトニック・ウォーターは、海外のブランドであっても、既存添加物として認可された「キナ抽出物」が代用品として使われてきました。 しかし、2012年に入ってキナ成分(キニーネ)入りのトニック・ウォーターの輸入が許可になりました。製品名は「フィーバー・トゥリー(Fever-Tree)」(英国フィーバー・トゥリー社製、2005年発売)。この製品の中の「キナ抽出物」には、劇薬としての濃度規制未満のキニーネの成分が微量に含まれているとのことです。 「ジン・トニック」は現代のバーでは、代表的な人気カクテルの一つで、バーテンダーによっては様々なレシピ(100人いれば100通りとも!)が存在します。きわめて知名度の高いカクテルですが、意外にも、欧米のカクテルブックでは(当たり前すぎるドリンクであるせいか)わざわざ紹介している例は少ないのです。 欧米のカクテルブックで、初めて「ジン・トニック」(本の中では「Gin and Tonic」という表記ですが)という形で紹介されたのは、現時点で確認した限りでは、ともに1934年に出版された「The Artistry of Mixing Drinks; The Ritz, Paris」(Frank Meier著、フランスで出版)と「The Official Mixer's Manual」(Patrick G. Duffy著、米国で出版)が最初です。 そのレシピは、前者が「ジン1グラス、レモン・スライス、氷、シュウェップス・トニックウォーター」、後者は「ドライ・ジン2ジガー、レモン・スライス、氷、トニック・ウォーター」となっていて、大きな違いはありません。参考までに、1947年刊の「Trader Vic's Bartender's Guide」(Victor Bergeron著)のレシピを見てみると、「ジン1.5オンス、ライム・ジュース2分の1個分、氷、トニック・ウォーター」となっていて、レモン・ジュースではなく、ライム・ジュースを使っています。 なお、ご承知の方も多いかもしれませんが、欧米では「ジン アンド トニック(Gin and Tonic)」が正式な呼び方です(英国やアイルランドでは、略して「G and T」と言うこともあります)。 「ジン・トニック」は、トニック・ウォーター自体が明治の開国直後から輸入されていたことからも、日本にも早い時代に伝わっていたことは間違いありませんが、カクテルブックに登場するのは、戦後の1950年代になってからです。【確認できる日本初出資料】「壽屋カクテルブック」(1955年)。レシピは「ジン45cc、レモン輪切り1片、砕氷、ジンと氷を8オンスタンブラーに入れ、キニーネ水(※トニック・ウォーターのこと)でいっぱいにし、レモンの輪切りを浮かべて提供する」となっています。 34.ジン・フィズ(Gin Fizz)【現代の標準的なレシピ】ジン(45)、レモン・ジュース(15)、シュガー・シロップ1tsp、氷、レモン・スライス、ソーダ(適量) 【スタイル】ビルド(またはソーダ以外をシェイクしてからビルド) 誕生の詳しい経緯等はよく分かっていませんが、1880年代のカクテルブックに登場していることからも、少なくとも1870年代までには生まれていたことは間違いありません。 欧米のカクテルブックで「ジン・フィズ」が初めて紹介されたのは、現時点で確認できた限りでは、1884年に米国で出版された「Modern Bartender's Guide」(O. H. バイロン<Byron>著)です。レシピは、「オールドトム・ジン1ワイングラス、レモン・ジュース3~4dash、砂糖2分の1tsp、氷、炭酸水」となっています。 ジン・フィズは、「カクテルの父」と呼ばれるジェリー・トーマス(Jerry Thomas)のカクテルブック「How To Mix Drinks」の1887年刊の第2版にも登場しています。トーマスのレシピは、「オランダ・ジン1ワイングラス、レモン・ジュース3dash、パウダー・シュガー1tsp、氷、炭酸水」となっています(バイロンのレシピと違って、ジンはオランダ・ジンを使っています)。 いくつかの文献(Wikipedia日本語版も含む)では、「1888年に、ニュー・オーリンズのインペリアル・キャビネット・サロン(The Imperial Cabinet Saloon)のバーテンダー、ヘンリー・ラモス(Henry Ramos)が考案した」と紹介されていますが、トーマスの本の出版時期からしても、信憑性には疑問があります。 なおヘンリー・ラモスは、1888年、通常のジン・フィズのレシピに卵白、生クリームなどを加えるレシピの「ラモス・ジン・フィズ」を考案したことで知られています。このフィズは、彼のバーの定番カクテルにもなりました。現代でもニュー・オーリンズを代表する人気カクテルです(出典:Wikipedia英語版)。ラモス氏を「ジン・フィズ」の考案者としている本は「ラモス・ジン・フィズ」と混同している可能性が大きいと思われます。 「フィズ」とは炭酸のはじける音の擬音語です。炭酸の入るカクテルのことは、その後自然と、「***フィズ」と呼ばれるようになりました。今日では、スピリッツやリキュールにシロップ、レモン・ジュース、ソーダを加えてつくるカクテルを一般的に「***フィズ」と呼んでいます(カカオ・フィズ、バイオレット・フィズ等)。 ジン・フィズは日本にも1920年代には伝わり、当時のカクテルブックにも紹介されています。トリスバーが全国に広がった1960年代のカクテルブックには、「ジン・フィズは、カカオ・フィズとともに、男性客が飲むカクテルの定番。女性客は、バイオレット・フィズ、スロージン・フィズの方がお好みだが」という記述も見られます。もちろん、現代では女性にも人気のカクテルの一つです。 【確認できる日本初出資料】「カクテル(混合酒調合法)」(秋山徳蔵著、1924年刊)。掲載されているレシピは(少々長文ですが、興味深いのでそのまま紹介しますと)、「小さい調合器に砂糖中匙で一杯を入れ、水二匙を加えて溶かし、次にレモン一個分の搾り汁と、上等のジン一ジガー、および氷の塊三つ四つを入れ、充分にかき混ぜ合わせてハイボール・グラスか、またはパンチ・グラスに漉してうつします。サイフォン・ソーダを九分目までつぎ入れ、レモンの皮一そぎを押しつまんで浮かし、麦稈(から)をさしてすすめます」となっています。・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/30
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Bar UK店内で期間限定販売されている成田一徹さんの切り絵原画小作品ですが、これまでに紹介した作品(画像、サイズ、価格、販売状況)をまとめたページが出来ました。 過去に販売された商品から最新のものまで、簡単に見ることができます。紹介ページは、こちら。
2017/01/28
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バーUKで2月に開催される「テイスティングの集い」、24日現在、申し込んでおられる方は7名で、残り5席です(先着順で締め切ります)。 参加ご希望の方は、お早目にバーUK(06-6342-0035)までお申し込みください。申し込みは電話またはメール(arkwez@gmail.com)でお願いいたします。開催内容の詳細は以下の通りです。 日時:2月21日(火) 午後7時〜(約1時間です) 今回のテーマ:ジン。近年多彩な商品が販売され始めたジンの奥深い世界を楽しみます。最近話題のジャパニーズ・ジンももちろん味わうほか、珍しいジンのオールドボトルもお試しできます。 参加費: ¥2800(バーUKのサービス料を含む)。軽いおつまみ付きです。 皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。【Bar UK】 大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円
2017/01/25
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Bar UKマスターからのお知らせです。**************************** 皆さま、すみません!バーUKの2月の店休日をお伝えしたばかりですが、早速、変更のお知らせです。 25日(土)のお休みは、18日(土)に変更いたします。 15日(水)のお休みは、22日(水)に変更いたします。 この結果、2月の店休日は、日曜・祝日のほか、18日(土)、22日(水)となります(※11日の土曜日は祝日なのでお休みです)。 以上、何卒よろしくお願いいたします。【Bar UK】大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円
2017/01/24
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32.ギムレット(Gimlet)【現代の標準的なレシピ】(容量の単位はml) ジン(45)、ライム・ジュース(15)、シュガー・シロップ0.5~1tsp(お好みで) 【スタイル】シェイク ギムレットと言えば、レイモンド・チャンドラーの推理小説「長いお別れ」(The Long Goodbye 1953年発表)に登場することでも有名で、現代のバーでも不動の人気を誇るカクテルです。 「長いお別れ」に出てくる有名なセリフ「ギムレットにはまだ早すぎる( I suppose it's a bit too early for a gimlet )」が、その名を広めた立役者とも言えます(ただし、このセリフ、主人公の探偵フィリップ・マーロウの言葉とよく紹介されがちですが、実は、マーロウの飲み仲間であるテリー・レノックスのセリフです)。 ギムレットに関しては、「1890年頃、英海軍いた軍医トーマス・D・ギムレット卿(Sir Thomas D. Gimlette 1857~1943)が、酒の飲み方を知らない新人将校の飲みすぎを防ぐために、ジンにライムを混ぜて飲むことを提唱したことから、彼の名がカクテル名で定着した」という有名な逸話が伝わっています。ギムレット卿は実在の人物ですが、残念ながら、こうした逸話を裏付ける資料・データは見つかっていません。 なお、「カクテル ホントのうんちく話」(2008年刊)を著した石垣憲一氏によれば、「現存する一次資料に登場する最古のギムレット(またはそれに類した名前のついたカクテル)は、1917年に出版された「!73 Pre-Prohibition Cocktails」(Tom Bullock著)に収録されている「ジレット・カクテル(Gillette Cocktail)・シカゴ・スタイル」で、そのレシピは、「オールド・トム・ジン1.5ジガー、ライム・ジュース2分の1個分、バー・シュガー0.5tsp(ティー・スプーン)」です。これが実質、ギムレットとほぼ同じカクテルであることに異論はないと思います。 石垣氏は「ジレット(Gillette)という綴りはGimletとは違うが、考案者と伝わるギムレット卿(Gimlette)の名前とは一文字違うだけ。生のライム・ジュースを使っている点は異なるが、だからこそシカゴ・スタイルという言葉を添えたのかもしれない」と推測していますが、僕もまったく同意見です。いずれにしても1910年代に、米国の大都市にもギムレットは伝わっていた傍証になります。 カクテル名については、「飲む人の体を突き刺すような鋭い味わいが、工具の錐(きり)=ギムレット(Gimlet)(コルクスクリューのような形をしている)を連想させた」ことから、その名が付いたという説もよく紹介されます(出典:Wikipedia英語版ほか多数)。また、当時の電報で「Give My Love To」の略語として使われていた「Gmlt」が転じて「Gimlet」となったという説(出典:Wikipedia英語版)もありますが、裏付けるデータは明示されていません。 なお、今日のギムレットは、生ライム・ジュース(好みでシュガー・シロップも少し加える)でつくるのが一般的ですが、誕生当初のレシピは、プリマス・ジン(Plymouth Gin)とローズ(Rose)社のコーディアルライム・ジュース(甘口系)が半量ずつというレシピ(ステア)でした。現代とは違って、かなり甘口だったことが分かります 【ご参考】現在販売されているローズ社のライム・コーディアルは、甘さがかなり抑えめになっています。故に、「オリジナル」ギムレットを再現するためには、シロップを少し足してやる必要があります。 ハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone)の「ABC Of Mixing Cocktails」(1919年初版刊)も、この誕生当初のレシピに従っています。従って、このレシピの「ギムレット」というカクテルは1910年代のロンドンやパリではすでに登場していたことは間違いありません(マッケルホーンは現行版の「Harry’s ABC …」でもこの等量レシピを採用していて、違いはステアがシェイクに換わったくらいです。生のライム・ジュースは使わず、ライム・ジュース・コーディアルにこだわっています)。 この頑固さについては「The Savoy Cocktail Book」を著したハリー・クラドック(Harry Craddock)も同じで、収録されているギムレットのレシピは、オリジナルを守っています(しかし、現在のHarry’s New York BarやSavoy HotelのAmerican Barでは、今なおライム・コーディアルを使っているのでしょうか? どなたか飲まれた方はおられるでしょうか?) ちなみに、1930~50年代の主なカクテルブックに登場した「ギムレット」は、どういうレシピだったのか、ひと通りみておきましょう。 ・「The Savoy Cocktail Book」(Harry Craddock著 1930年刊)英 プリマス・ジン2分の1、ライム・ジュース・コーディアル2分の1(ステア) ・「Mr Boston Bartender’s Guide」(1935年刊)米 ジン1グラス、ライム・ジュース1個分、パウダー・シュガー1tsp、シェイクしてお好みでソーダを加える。※1920~40年代はギムレットにお好みで炭酸水を加えるレシピも普通にあった ・「The Artistry Of Mixing Drinks」(Frank Meier著 1934年刊)仏 ジン3分の2、ライム・ジュース・コーディアル3分の1(ステア) ・「The Old Waldorf-Astoria Bar Book」(A.S.Crockett著 1935年刊)米 → 収録なし ・「Café Royal Cocktail Book」(W.J.Tarling著 1937年刊)英 ジン3分の2、ライム・ジュース・コーディアル3分の1、シェイクしてお好みでソーダを加える ・「Trader Vic’s Bartender’s Guide」(Victor Bergeron著 1946年刊)米 ジン5分の2、ローズ・アンスイートンド・ライム・ジュース5分の2、シュガー・シロップ5分の1、シェイクしてグラスに注ぐ。 ※同書には、ローズ・ライム・コーディアルを使ったギムレットも掲載されている。 ・「The Bartender’s Guide」(Patrick G.Duffy著 1948年刊)米 ジン2分の1、ローズ・ライム・コーディアル2分の1、ステアしてグラスに注ぐ。【ご参考】同書には「Gimblet」という名のカクテルも併せて掲載されています。レシピは「ジン4分の3、ライム・ジュース4分の1、ステアしてグラスに注ぎ、ソーダを加える」です。 日本にはおそらくは戦前に伝わっていたかと思われますが、文献に登場するのは、意外と遅く、戦後の1950年代になってからです。【確認できる日本初出資料】「壽屋カクテルブック」(1955年刊)。そのレシピは「ジン3分の2、ライム汁3分の1(シェイク)」となっています(この「ライム汁」とはこの時代、おそらく合成のライム・ジュース、またはライム・コーディアルでしょう)。 ※生ライムがとても貴重で高価だった日本では、70年代末までは、オーセンティック・バーでも合成ライム・ジュースを使うところが一般的でした。生ライム・ジュースに換わるのは、80年代以降です。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/24
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皆さま、遅くなりましたが、バーUKの2月の店休日(予定)をお知らせいたします。 現時点では、日曜・祝日のほか、15日(水)、25日(土)にお休みを頂きます(※11日の土曜日は祝日なのでお休みです)。 以上、何卒よろしくお願いいたします。【Bar UK】 大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円
2017/01/23
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約1カ月ぶりのBar UK写真日記です(By うらんかんろ)。 Bar UKのモルト・ラインアップに新顔がお目見えしました。人気ボトラーズのアデルフィ社がリリースした企画ボトル「グラバー(The Glover)」。スコッチモルトと日本のイチローズ・モルトがコラボした逸品です。18年ものなので、なかなかの熟成感ですよ。ぜひ一度お試しを。 マスターはこの日、仲の良いバーテンダーが独立・開業したバーにお祝いに訪れました。阪急六甲駅南口すぐにあるバー「トラッフル」。この辺りに意外となかった本格バーで、なおかつ午後2時オープンというのがとても嬉しいですね。皆さまも、お近くに行った際にはぜひ! お酒やバーを専門に扱うWEBマガジン「ドリンク・プラネット」が主催した調査「バーテンダーが選ぶおすすめバー」の1位に見事、岐阜のバー「バロッサ(BAROSSA Cocktailier)」が輝きました。バー激戦区の東京のバーを抑えての1位です! バロッサは、マスターも大、大好きなバーであることに加えて、(バロッサの)中垣マスターとはクラシック・カクテルの研究を通じて、とても懇意にしてもらっているとのこと。「個人的にも凄く応援しているんで、めちゃ嬉しいんですよ」と結果を心から喜んでいる様子でした(写真は、マスターがバロッサを訪問時に撮った中垣マスターとの2ショット=撮影は奥様の美苗様です!)。 故・成田一徹さんの切り絵原画12点が、NHKの朝ドラ「べっぴんさん」で使用される(ジャズ喫茶「ヨーソロー」のセットで)というニュースは以前にもお伝えしましたが、切り絵が登場する回の放送が1月12日から始まりました! 「ヨーソロー」のシーンは2月20日頃までの放映分で、何度も登場します。今後もどうかお見逃しなく! 上記ドラマ「べっぴんさん」に成田一徹さんの切り絵が登場するのを記念して、嬉しいニュースです。一徹さんはライフワークとしていたバーの切り絵以外にも、様々なテーマで切り絵を残していますが、今回、奥様のご厚意でそうした多彩な切り絵の小作品(原画)が特別に期間限定で販売されることになりました! 販売場所はバーUK店内ですが、WEBで申し込んでの販売にも、奥様やマスターは可能な限り対応しています。この貴重な、おそらく最後の機会を、皆さま逃すことがありませんように! モルトの新顔がもう1本仲間入りです。ボトラーズの名門「ゴードン&マクファイル」から、アイラモルトの”頑固者”「カリラ」をイタリアの高級赤ワイン「サシカイア」の樽で後熟成させたという興味深いボトルです。2003年蒸留の13年熟成もの。こちらも1本しかありませんので、お早めにどうぞ! Bar UKで12月に開催してとても好評だった、戸倉洋子さん(Vo.)&大橋恭さん(Gt.)のジャズライブの再演が決まりました!(写真は、前回12月のライブ時の様子)。3月18日(土)の午後6時&7時半の2ステージです。戸倉さんのトークも最高に面白いこのライブ、皆さま、どうかお聴き逃しありませんように!(参加定員12名。Music Chargeは¥1500=1ドリンク付きです)。 マスターの友人でスウェーデン在住の方が、一時帰国の際、店に寄ってくれて、スウェーデン産の珍しいモルト・ウイスキーを買ってきてくれました。「マックミラ・スウェーデン・オーク(Macmyra Sweden Oak)」。柑橘系の優しい味わいがする、美味しいモルトです。こちらもぜひお試しくださいませ。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/22
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成田一徹切り絵原画・販売用小作品の紹介(5)です。 ※絵のタイトルは、原則「仮のもの」です。絵のサイズの単位はミリ。 「白椿」 サイズ=86×92 価格=¥15,000 =SOLD 「追及される女(挿絵)」 サイズ=144×117 価格=¥15,000 「コスモス畑」 サイズ=179×125 価格=¥20,000 「会議は続く」 サイズ=196×135 価格=¥15,000 「パリの思い出」 サイズ=110×109 価格=¥12,000 「豆まき(習作)」 サイズ=204×196 価格=¥20,000 ※最初期の作品の一つ。色部分は水彩絵具での彩色です。 「焼き鳥」 サイズ=99×99 価格=¥12,000 =SOLD 「雪見珈琲」 サイズ=195×134 価格=¥15,000 「和菓子」 サイズ=135×190 価格=¥10,000 「浅草・雷門」 サイズ=111×95 価格=¥12,000 =SOLDこちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/22
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Bar UKマスターからのお知らせです。 バーUK恒例の「テイスティングの集い」を2月21日(火)に開催いたします。5回目となる今回のテーマは「Gin(ジン)」です。 近年、多彩な味わいのジンが国内外から相次いで発売され、人気を集めていますが、今回は、この数年に発売された注目のジンだけでなく、珍しいジンのオールド・ボトルもテイスティングします。また、ジン造りに使われる代表的なボタニカル(材料)も、実際に味わって頂きます。 当日は基本テイスティング6種のほか、バーUKに常備している約30種類のジンを、通常価格より大幅にお安くテイスティングして頂けます。またとないこの機会に、どうかジンの奥深い世界をご堪能ください。日程や詳細は以下の通りです。 日時:2月21日(火)午後7時~(約1時間余の予定) 定員:12名(先着順で締め切ります) 参加費:2800円(バーUKのサービス料も含みます) ※申し込みは、店の固定電話またはメール(arkwez@gmail.com)でマスターまでお願いします。 皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。【Bar UK】大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/18
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31.ギブソン(Gibson)【現代の標準的なレシピ】(容量の単位はml) ジン(45~50)、ドライ・ベルモット(10~15)、パール・オニオン(1個) 【スタイル】ステア 少なくとも1910年代まで米国内で誕生していたと思われる古典的カクテルの一つです。マティーニに限りなく近くて、それでいてマティーニとは必ず区別されるカクテルですが、それがギブソンです。 違いと言えば、オリーブの代わりにパール・オニオンを使う程度ですが、そもそもマティーニにオリーブが入るようになったのは、1930年代半ば以降なので、古い時代のカクテルブックには単に「マティーニのレシピにパール・オニオンを加えたもの」としか記されていないことも多いのです。 欧米のカクテルブックで「ギブソン」が初めて登場するのは、確認できた限りでは、1917年に米国で出版された「173 Pre-Prohibition Cocktails」(Tom Bullock著)です。なので、少なくとも禁酒法時代(1920~1933)以前に存在していたことは間違いありません。 誕生の経緯については、下記の2説がさまざまな文献や専門サイトでよく紹介されています。 (1)19世紀末の米国の画家チャールズ・ダナ・ギブソン(Charles Dana Gibson)がニューヨークの「プレイヤーズ・クラブ」で「自分だけのマティーニを」と所望したところ、チャールズ・コノリー(Charles Connolly)というバーテンダーが、オリーブをパール・オニオンに替えて供した(考案の時期については、もう少し後の禁酒法時代=1920~33年=だったという説もあります)。 (2)米国の禁酒法時代(1920~33)、英国駐在だったギブソン米国大使がパーティーの席で、「本国は禁酒法が施行されているので自分は飲めない」と言って、カクテルグラスに水を入れ、パール・オニオンを飾って飲んだことから考案された。 ※上記に紹介した1917年刊のカクテルブックに紹介されていることからも、この説には無理があると思われます。 またWikipedia英語版では、最近発掘されたものとして、さらに以下の2説も紹介しています。どれも決定的なものではありませんが、(4)の説はかなり具体的です。 (3)ギブソンという名の銀行家が顧客と一緒にマティーニ・ランチを食べる際、しらふでいられるようにあらかじめ店のバーテンダーに「自分のグラスには水とパール・オニオンを」と頼んだことから(出典や時期については明記なし)。 (4)サンフランシスコでビジネスマンをしていたウォルター・ギブソンという人が、1890年代に、当地のボヘミアン・クラブで考案した(原資料は、San Francisco Chronicleの記者Charles MaCabeの著書「Man’s Weakness」)。 ※この説については、1898年にこのギブソン・カクテルについての記録を残している同クラブのメンバー、ウォード・トンプソンの証言によっても裏付けられているとのことです(原資料はウォール・ストリート・ジャーナルの記事 → Eric Felton: A Thoroughly Western Cocktail, Wall Street Journal, May 30, 2009)。 ご参考までに、歴史上有名なカクテルブックをいくつか見ておきましょう。・「ABC of Mixing Cocktails」(Harry MacElhone著、1919年刊)英 → なぜか収録なし。・「The Savoy Cocktail Book」(Harry Craddock著、1930年刊)英 ジン2分の1、ドライ・ベルモット2分の1、パール・オニオン・「The Artistry of Mixing Drinks」(frank Meier著、1934年刊)仏 ジン4分の3、ドライ・ベルモット4分の1、パール・オニオン・「Mr Boston Official Bartender's Guide」(1935年刊)米 ジン4分の3、ドライ・ベルモット4分の1、レモン・ピール、パール・オニオン・「The Official Mixer's Manual」(Patrick G. Duffy著、1948年刊)米 ジン5分の4、ドライ・ベルモット5分の1、パール・オニオン ※ちなみに、Wikipedia英語版では、ジンとドライベルモット6:1のレシピを「標準的なもの」として採用しています。 「ギブソン」は日本にも早い時期に伝わり、1920年代のカクテルブックに登場しています。しかし、現代の日本のバーでは、比較的知名度はあっても、マティーニに比べると注文する人はほとんどいない哀しいカクテルでもあります。 【確認できる日本初出資料】「コクテール」(前田米吉著、1924年刊)。レシピは、「ジン3分の2、スイート・ベルモット3分の1、オレンジ・ビターズ一振り、玉ネギ小刻み少々」となっています。ドライ・ベルモットではなく、スイート・ベルモットを使うという驚くべきレシピですが、これは当時、マティーニ自体がまだ、スイート・ベルモットを使うケースが多かったことが背景にあるのでしょう。 ※1920年代の日本ではパール・オニオンが手に入りにくなったことから、玉ネギの小刻みで代用しているところに苦労の跡が偲ばれます。・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/15
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成田一徹切り絵原画・販売用小作品の紹介(4)です。 ※絵のタイトルは、原則「仮のもの」です。絵のサイズの単位はミリ。 「女性シンガー」 サイズ=154×88 価格=¥30,000 =SOLD 「バーの扉」 サイズ=140×105 価格=¥18,000 =SOLD 「バー・カウンターにて」 サイズ=68×112 価格=¥8,000 =SOLD 「バーの群像」 サイズ=136×97 価格=¥30,000 「街での遭遇」 サイズ=105×145 価格=¥15,000 「湯治・後姿」 サイズ=160×94 価格=¥20,000 「バラ」 サイズ=180×105 価格=¥15,000 =SOLD 「福寿草」 サイズ=68×112 価格=¥10,000 「雨降り」 サイズ=180×125 価格=¥20,000 「御輿(三社祭)」 サイズ=140×120 価格=¥25,000 =SOLDこちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/15
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成田一徹切り絵原画・販売用小作品の紹介(3)です。 ※絵のタイトルは、原則「仮のもの」です。絵のサイズの単位はミリ。 「花火遊び」 サイズ=205×174 価格=¥60,000 「ひな人形」 サイズ=115×85 価格=¥8,000 「モダンガール」 サイズ=175×160 価格=¥10,000 =SOLD 「風鈴」 サイズ=52×61 価格=¥8,000 「女性像・横顔」 サイズ=160×94 価格=¥25,000 =SOLD 「見つめる先に」 サイズ=175×118 価格=¥20,000 =SOLD 「電話をする男」 サイズ=140×99 価格=¥30,000 「正義参上」 サイズ=176×134 価格=¥20,000 「討ち入り」 サイズ=115×95 価格=¥15,000 「切り絵入門書のための習作」 サイズ=100×160 価格=¥20,000こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/15
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成田一徹切り絵原画・販売用小作品の紹介(2)です。 ※絵のタイトルは、原則「仮のもの」です。絵のサイズの単位はミリ。 「マッチ売りの少女」 サイズ=147×112 価格=¥10,000 「男たち」 サイズ=203×136 価格=¥25,000 「クリ」 サイズ=84×90 価格=¥12,000 「椿一輪」 サイズ=265×150 価格=¥50,000(※価格が改定されました) 「朝顔」 サイズ=200×160 価格=¥60,000 「タンポポと高層ビル(都庁)」 サイズ=220×91 価格=¥40,000 「トンボと稲穂」 サイズ=200×135 価格=¥30,000 「サクラ①」 サイズ=113×95 価格=¥15,000 「サクラ②」 サイズ=105×94 価格=¥10,000 =SOLD 「紅葉」 サイズ=100×98 価格=¥10,000こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/14
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成田一徹切り絵原画・販売用小作品の紹介(1)です。 ※絵のタイトルは、原則「仮のもの」です。絵のサイズの単位はミリ。 「一富士二鷹三茄子」 サイズ=195×120 価格=\70,000 =SOLD 「河童」 サイズ=99×135 価格=¥18,000 =SOLD 「寅さん」 サイズ=143×111 価格=¥15,000 「蓋付き器」 サイズ=120×120 価格=¥10,000 「我輩は猫」 サイズ=115×80 価格=¥10,000 =SOLD 「リトル・エンジェル」 サイズ=105×125 価格=\8,000 「無題」 サイズ=104×103 価格=¥10,000 =SOLD 「Shall we dance?」 サイズ=139×100 価格=¥25,000 =SOLD 「猫が居る語らい」 サイズ=144×81 価格=¥18,000 =SOLD 「ペーパーナイフ」 サイズ=140×117 価格=¥12,000こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/14
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皆さま、切り絵作家の故・成田一徹氏が遺した原画小作品の一部が販売されることが、Office Ittetsuの公式ページで、本日告知されました。 販売される作品につきましては、Office Ittetsuのページならびに、このページ(Bar UKの公式HP)およびBar UKのFacebookページで順次、その画像、サイズ、価格、お支払い方法等を公開して参ります。 改めまして、今回の原画小作品販売の場所を提供させて頂くこともあり、その詳細を以下、お知らせいたします。◆原則として、Bar UK店内での営業時間内での限定販売となります(WEBでの購入申し込みにつきましては、末尾の【備考】をお読みください)。◆今回販売される原画は、一徹氏が長年様々な雑誌や新聞等で手がけた小説やエッセイの挿絵を中心に、人物、動植物、祭事、風景、バーの情景など様々な分野に渡ります(特定のバーの絵は原則ございません)。◆当面、常時40~50点程度の販売用作品を常備いたします(販売予定作品が終了するまで、随時追加されます)。◆原画には本物であることを証明する、Office Ittetsu代表・成田素子直筆サイン入りの「真正証明書」が付いております。◆作品をご購入される場合には、以下の点をあらかじめご了解のうえ、お買い求めください。(1)原則、原画そのものの販売となります(額やマットはご自分でお好きなものをご用意ください)。作品は、1点物であるため、売切れの節は何卒ご容赦くださいませ。(2)作品の制作年代によっては、経年劣化が見られるものがあります(可能な限り修復したうえで販売いたしますが、紙の黄ばみ等へのクレームはご遠慮くださいませ)(3)作品によっては、作者名を示す「落款」がないものもあります。販売の際には、一徹氏が実際に使用していたシール版「落款」をお付けいたします◆支払い方法は、以下からお選びください。(1)Bar UKでの現金払い(2)Bar UKでのカード払い(カード払いの場合、販売価格の4%の手数料を申し受けます) (3)Office Ittesuの口座への振込み ※(3)の場合、銀行名、口座番号等をお伝えいたします。 (1)、(2)の場合、作品はその場でお持ち帰り頂けますが、(3)の場合はお振込み確認後のお引渡しとなります(Office Ittestu公式ページの告知にもあるように、絵の販売代金は全額、Office Ittetsuへ入り、Bar UKは、通常のギャラリーで発生するような販売手数料は一切頂きません)。【備考】販売は原則、BarUKでの現物持ち帰り販売となりますが、遠隔地にお住まい等の事情で、どうしても配送をご希望という方は、マスターまで、メール(arkwez@gmail.com)で相談ください(この場合、別途、郵送料および配送手数料が必要となりますが、ご了承ください)。【Bar UK】 大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り。水曜、土曜にお越しの際は、店まで電話でお確かめください)。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/13
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Bar UKマスターからのお知らせです。**************************皆さま、新年最初の3連休はいかがお過ごしでしょうか? さて、先般もお知らせしましたように、NHKの朝の連ドラ「べっぴんさん」で12日(木)から、成田一徹さんの切り絵原画がドラマのセット(ジャズ喫茶「ヨーソロー」)で登場します。どうかお見逃しないように! そして、今年のバーUKも引き続き、チャレンジ精神を忘れず、いくつかのミッションに挑戦していきます。そのミッションの一つは、皆さまへの、とても素敵な”お年玉”にもなるかと思います。具体的な中身については、まもなく(今週中に)オープンにできるかと思います。どうぞご期待ください。 それはともかく、もう一つ嬉しいニュースです! 昨年12月16日にバーUKで開催してとても好評だった戸倉洋子さん(Vo)&大橋恭さん(Gt)のジャズ・ライブですが、たくさんの皆さんからの再演希望に応えて、2回目のライブ日程が内定しました! 3月18日(土)です。 開演時刻はまだ未定ですが、土曜日なので前回よりは早めに(午後6時台?)スタートすることになるかと思います。皆さんのご来場(定員12名)をお待ちしております。すでに予約は受け付けております(お申込みは、お店まで電話=06-6342-0035=でどうぞ!)。【Bar UK】 大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/09
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30.フレンチ75(French 75)【現代の標準的なレシピ】ジン(45)、レモン・ジュース(15)、シュガー・シロップ1tsp、シャンパンまたはスパークリング・ワイン(適量) ※オリジナル・レシピはジン・ベースではなく、コニャック(またはカルバドス)・ベースだったという。 【スタイル】シャンパン以外をシェイク 1910年代後半に誕生したと伝わる古典的カクテルの一つです。その起源は、19世紀によく飲まれていたカクテル「シャンパン・カップ」(シャンパン、レモン・ジュース、砂糖、氷、ジン少々というレシピ)にあるとも言われています(出典:Wikipedia英語版)。 カクテル名につく「75」とは、第一次世界大戦(1914~18)で威力を発揮し、その後1920年代末までフランス軍の主力兵器だった野砲の口径(75ミリ)を意味しています。誕生の経緯については、以下のような3説がありますが、一般的には(1)がほぼ定説となっています。 (1)1915年(1922年説、1925年説も)、パリの「ハリーズ・ニューヨーク・バー」で、オーナー・バーテンダー、ハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone)が考案した(出典:マッケルホーン自身の著書「Harry’s ABC OF Mixing Cocktails」の1922年改訂版ほか、国内外の多数の専門サイト)。 ※ただし、マッケルホーンが「ニューヨーク・バー」を買収したのは1923年(後に「ハリーズ・ニューヨーク・バー」と改名)なので、オーナーになってから考案したのであれば1923年以降ということになります。買収前は、フランス国内の別の場所で働いていたとか、パリの別のバーで働いていたという話が伝わっています。1915年説ならば、まだロンドンで働いていた頃です。 (2)1920~22年頃、パリの「アンリ・バー(Henry's Bar)」で働いていたハリー・マッケルホーンが考案したという説。正確な時期は不明(出典:サントリー社HPほか)。※「アンリ・バー」とは「ニューヨーク・バー」買収前に、マッケルホーンが働いていた店といいます(出典:http://blog.vincekeenan.com/2012/10/cocktail-of-week-french-75.html)。 (3)第一次大戦の頃、パリのチャットナム・ホテル(L'Hotel Chatham)のバーで飲んでいた仏軍と米軍の兵士が勝利を祝って、シャンパンとコニャックにレモンと砂糖を混ぜたカクテルにフランスの75mm砲の名を付けたのが始まり(出典:Wikipedia英語版ほか) マッケルホーン自身は、その著書「ABC of Mixing Cocktails」の初版(1919年)に「フレンチ75」を収録しておらず、22年の改訂版でようやく掲載しています。Wikipedia英語版は、基本的に(1)のマッケルホーン考案説を支持しているようですが、一方で、「(マッケルホーンの)当初のレシピは、ジン・ベースではなく、カルバドス・ベースだった。ジン・ベースではもはや『French』とは呼べない」というデヴィッド・エンバリー(David Embury)氏の見解も紹介しています。 「フレンチ75」が欧米のカクテルブックで初めて紹介されたのは、現時点で確認できる限りでは、上記の「ABC of Mixing Cocktails」の1922年改訂版と、同じ年に出版された「Cocktails: How To Mix Them」(Robert Vermeire著)です(Vermeireは「マッケルホーンの考案である」と付記しています)。ただし、同著でのマッケルホーンのレシピは「カルバドス、ジン、グレナディン・シロップ、アブサン」と、現代のレシピとはかなり違います(出典:Wikipedia英語版)。 1986年に出た「ABC of …」の復刻改訂版では「マッケルホーンの1925年のレシピ」として紹介されています。当初はカルバドス・ベースだったと伝わるマッケルホーンのレシピですが、86年の復刻改訂版ではジン・ベースに変わっています。 現代のレシピに近い「フレンチ75」が初めて紹介されたのは、1927年刊の「Here's How」(Judge Jr.著)というカクテルブックです。1930年刊の「The Savoy Cocktail Book(サヴォイ・カクテルブック)」(Harry Craddock著)も、「ジン3分の2、レモン・ジュース3分の1、パウダー・シュガー1tsp、氷、シャンパン(適量)」と、現代に近いレシピとなっています。 「フレンチ75」はとくに米国内で人気を得ました(とくに、ニューヨークの社交クラブ「The Stork Club」では看板カクテルの一つにもなりました)。そして、映画「カサブランカ」(1942年公開)を始め、数多くのハリウッド映画にも登場したことでも有名です。 ちなみに、ジンの代わりにバーボンを使うと「フレンチ95」、ブランデーを使うと「フレンチ125」と呼ばれるカクテルになります。 「フレンチ75」は日本にも戦前に伝わっていたと思われますが、残念ながら文献に登場するのは戦後の1950年代になってからです。【確認できる日本初出資料】「世界コクテール飲物辞典」(佐藤紅霞著、1954年刊)。レシピは、「サヴォイ…」とほぼ同じです。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/09
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29.エッグノッグ(Egg Nog)【現代の標準的なレシピ】ブランデー(30)、ホワイト・ラム(15)=ダーク・ラムを使うレシピもある、シュガー・シロップ(または砂糖)2tsp、卵(または卵白)1個分、牛乳(適量)、氷、ナツメグ・パウダー(※ホットにする時は、卵黄と卵白は別々に泡立てること)【スタイル】シェイク(氷を入れたタンブラーに注ぐ) エッグノッグは、中世ヨーロッパで生まれた「ポセット」(Posset)という、温めた牛乳でつくる飲料が起源と言われています。元来は冬の飲み物として生まれましたが、その後、クリスマスや新年(米国ではハロウイーンも)を祝う飲み物として消費されてきました。しかし、現在では一年を通してアイスやホットで飲まれる、バーや家庭での人気ドリンクとなっています。 通常はブランデー・ベースでつくることが多いのですが、ラムやウイスキー、コニャックをベースにすることも珍しくありません。ブランデー・ベースの時はとくに「ブランデー・エッグノッグ」と言われることもあります。 エッグノッグは、18世紀には欧州から米国やカリブ地域の英植民地へも伝わりましたが、英本国がブランデーやワインに高い税金をかけたため、植民地の人々はカリブ地域から安価に入手できたラム酒をベースにして、クリスマスや新年を祝うドリンクとして飲むようになったと言われています。このため、米国やカリブ地域では、ラム・ベースが現在でも人気です。 「ノッグ」の語源については、アルコールを注ぐ木彫りのマグを意味する中世英語「ノギン(Noggin)」に由来するとか、「Egg-and-Grog」(Grogはラム酒を指す植民地時代の言葉)という言葉が縮まり転じて「Eggnog」となったとか、諸説あります。 エッグノッグは、世界初の体系的カクテルブックと言われる、ジェリー・トーマス(Jerry Thomas)著「How To Mix Drinks」(1862年刊)にも登場する最初期の代表的なカクテルの1つです。同著でのレシピは、「ブランデー1Wineglass、サンタクルス・ラム2分の1do(この単位の分量は不明)、水1do、砂糖1tsp、卵1個、牛乳タンブラー2分の1(適量)、氷、ナツメグ・パウダー(上に振りかける)」となっています(※同著ではもちろん、ホット・スタイルの「エッグノッグ」も紹介されています)。 エッグノッグは、古い時代のカクテルブックにはほぼ例外なく登場しています。参考までに、各時代を代表するカクテルブックで「エッグノッグ」がどのように紹介されているかをざっと見ておきましょう。 ・「ABC of Mixing Cocktails」(Harry HacElhone著、1919年刊)英 ブランデー1Glass、ラム1Glass、砂糖2分の1tsp、卵1個、ミルク(適量)、ナツメグ・パウダー(最後に上に振る)(シェイクし、氷を入れたタンブラーに) ※ホットの場合は、牛乳を温めて使用。 ・「The Savoy Cocktail Book」(Harry Craddock著、1930年刊)英 お好みのスピリッツ1Grass、パウダー・シュガー1tsp、卵1個、ミルク(適量)、ナツメグ・パウダー(最後に上に振る)(同) ※ベースの酒を「お好みで」としている点がとてもユニークです。 ・「The Artistry of Mixing Drinks」(Frank Meier著、1934年刊)仏 ブランデー2分の1Glass、ラム2分の1Glass、砂糖1tsp、卵1個、ミルク1Glass、ナツメグ・パウダー(最後に上に振る=お好みで)(同) ・「Trader Vic's Bartender's Guide」(Victor Bergeron著、1947年刊)米 ブランデー1オンス、ホワイト・ラム1オンス、砂糖1tsp、卵(黄身)1個、ミルク(適量)、ナツメグ・パウダー(最後に上に振る)(同) エッグノッグは日本にも、かなり早い時期、すなわち幕末の開国後まもなく外国人居留地を通じて伝わったと考えられていますが、文献に登場するのは、1907年出版の文献が初めてです。【確認できる日本初出資料】洋酒混合法(高野新太郎著、1907年刊)。レシピは「ブランデーをヴァイキング・グラスに1杯、ジャマイカ・ラムをポニー・グラスに1杯、砂糖4分の3tsp、卵1個、ミルク(適量)、シェイクし、氷を入れたタンブラーに注ぎ、ナツメグ・パウダーを上に振る」となっています。※「ポニー・グラス」は約30mlですが、「ヴァイキング・グラス」の容量は不詳です。【おことわり】Egg Nogg(またはEgg nogg)という綴りで表記しているカクテルブック、サイトもありますが、本稿では多数派に従って「Egg Nog」と表記しました。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/07
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バーUKマスターから、1月の店休日変更のお知らせです。以前、店休日とお知らせしていた14日の土曜日は通常営業いたします。その代わり、28日の土曜日にお休みを頂きます。以上、何卒よろしくお願いいたします。【Bar UK】 大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円
2017/01/06
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Bar UKマスターからのお知らせです。***************************** 皆さま、年末の29日から6日間お休みを頂戴しておりましたが、バーUKは明日4日(水)午後4時から営業を再開いたします。 2017年も、旧年中と同様に何卒宜しくお願い申し上げます。4~7日の4日間にお越しのお客様には、祝い酒をご用意してお待ちいたしております。 なお、初日の4日は、お酒や食材仕入れ等の事情で、皆さまに少しご不自由をおかけするかもしれませんが、何卒ご容赦くださいませ。【Bar UK】 大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 営業時間 → 平日=午後4時~10時半(金曜のみ11時まで)、土曜=午後2時~8時半、定休日=日曜・祝日、別途土曜に月2回、水曜に月1回不定休(月によっては変更されることも有り)。店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/03
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28.アースクェイク(Earthquake)【現代の標準的なレシピ】ジン(20)、ウイスキー(20)、アブサン(またはペルノー)(15~20) 【スタイル】シェイクまたはステア カクテルベースによく使う強い酒3種をミックスしたドリンク。19世紀末に誕生したと伝わるクラシック・カクテルの一つですが、そのアルコール度数の強さからして、現代のバーでは注文するがほとんどいない、あまり人気のないカクテルでもあります(でも、プロのバーテンダーなら、その名とレシピくらいはおさえておいた方が良いカクテルです)。 カクテル名は、「飲むと、まるで地震(Earthquake)にあったかのような強烈な揺れ(酔い)に見舞われる」として、名付けられたと伝わります(出典:Wikipedia英語版&日本語版ほか多数の専門サイト)。 元々は、「Tremblement de Terre(大地の揺れ)」という仏語名のカクテルで、考案したのはなんと、あのフランスの著名な画家のロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec 1864~1901)だと言います(出典:Wikipedia英語版 → 原資料は、AbsintheOnline.com)。信憑性は不明ですが、欧米の専門サイトもこの説を肯定しているところが目立ちます。 ただし、このロートレック考案と伝わるレシピは、コニャック(30)、アブサン(30)(出典:同)で、冒頭に挙げたジン、ウイスキー、アブサンの3種でつくる現代の標準レシピとは、アブサンのみが共通で、あとはかなり異なります(標準レシピをいつ頃、誰が考案したのかは伝わっていません)。 欧米での初出文献は、現時点で確認できた限りでは、1930年に英国で出版された「サヴォイ・カクテルブック(The Savoy Cocktail Book)」(Harry Craddock著)ですが、サヴォイでは標準レシピを採用しており、欧州では少なくとも1920年代半ばには、コニャック・ベースのものよりも、現代のレシピの方が一般的になっていたようです。 ちなみに、「アースクェイク」は使っているお酒の頭文字をとって、「アブ・ジン・スキー」という異名もあります(出典:Wikipedia日本語版ほか)。 米国では、1934年刊の「The Official Mixer's Manual」(Patrick G. Duffy著)が初出で、1946年の「The Stork Club Bar Book」(Lucius Beebe著)、1947年の「Trader Vic's Bartender's Guide」(Victor Bergeron著)でも紹介されています(レシピはいずれも冒頭に挙げた標準レシピにほぼ同じですが、後者の2冊ではウイスキーは「バーボン」と指定しています)。 「アースクェイク」は、日本にも比較的早く1930年代には伝わっていたようで、1936年刊のカクテルブックには登場しています。 【確認できる日本初出資料】「スタンダード・カクテルブック」(村井洋著、JBA編、1936年刊)。レシピは、「ドライ・ジン、スコッチ・ウイスキー、アブサンが各3分の1ずつ」となっています。・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2017/01/03
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Happy New Year! 旧年中は、拙ブログ「酒とピアノとエトセトラ」へのご支援、本当に有難うございました! 本年も、Bar UKの最新ニュースも含め、皆さまにお役に立てるような情報をあれこれと発信していきたいと思っております。 今年も、引き続きのご愛顧を、何卒よろしくお願いいたします。
2017/01/01
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