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何もかも忘れて、ぶらり放浪の旅に出てみたいという誘惑に駈られることありませんか?しかし、今の生活や仕事、さらには家族のことを思うと、それらを打ち捨ててまで自由奔放に行動する勇気を持ち合わせていない小心者の私は、ある意味幸せであるに違いないと思ったりもしています。 放浪の旅をしてみたいが、そんな勇気は持ち合わせていない。しかし、それ故に幸せであるだろう人々にお奨めします。この本を読んで放浪してください。篠藤 ゆり著 「旅する胃袋」【送料無料】旅する胃袋 [ 篠藤ゆり ]価格:720円(税込、送料別)標高4000メートルにある寺でバター茶に癒され、香港で禁断の食材を味わい、砂漠で人生最高のトマトエッグスープに出会う。見知らぬ世界各地を旅し、土地土地の珍しい食べ物を口にしてみたい・・・、誰でも思うが、なかなか叶うことがない願望を、この一冊は寝床で温かい布団に包まりながら叶えてくれます。ただし、お腹がへってなかなか寝つかれなくなってしまうのが欠点ではありますが・・・。(笑!◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2015年02月12日
日本政府が尖閣列島を国有化したことを契機に、日中関係は一部の報道によれば修復不可能とまで言われるくらいに最悪の状態におちいったようです。中国は近い将来軍事行動も見据えていると言う人がいますが、ほんとうにそのような事態になろうとは、いかに平和ボケと言われようが私には考えにくいです。日本と中国の間に出来た溝は、ほんとうに埋めることは出来ないのでしょうか?日本人と中国人はお互いに分かりあうことは出来ないのでしょうか?そんな思いから、手にした一冊。「清流の日本人、濁流の中国人」、「歴史を教養として読む日本人、教訓として読む中国人」、日本人と中国人の国民性がこれほどまで違うとは、あまりの衝撃に眩暈さえ覚えます。【送料無料】すぐ謝る日本人、絶対謝らない中国人 [ 金文学 ]価格:1,050円(税込、送料別)◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2015年01月26日
昨日は日本人が大好きの時代劇に登場するヒーロー一心太助と日本橋にまつわる話題を取り上げました。一心太助といえば、江戸っ子の中の江戸っ子。「ってやんでぇ~、こちっとらぁ~江戸っ子だい。そんなまどろっこしいこたぁ~、我慢ならねぇ~!」わが国の首都東京は、その昔江戸と言ったのは知らぬ人はいませんね。その江戸で親子三代生まれ育ったものを江戸っ子と呼ぶことはよくご存知でしょう。粋でいなせで情にもろく、細かい事にはこだわらない。意地っ張りで喧嘩早いかと思えば、普段駄洒落ばかり言って愉快がっている。・・・う~む、なかなか憎めない性格ですな。(笑!さて江戸っ子の気質は分かったとして、それではどうして「江戸っ子」と言うようになったか、ご存知でしたか?江戸っ子の由来について、時代小説の巨匠柴田練三郎が「江戸八百八町物語」で解き明かしています。【中古】 江戸八百八町物語 / 柴田 錬三郎 [文庫]【あす楽対応】価格:251円(税5%込、送料別)家康から秀忠の御世となり次第に平穏無事な時代に移って来ると、旗本大久保彦左衛門のような功名槍一筋に生きた戦場武者は、幕府にとってすでに無用の長物。彦左衛門の不幸は、戦雲あわただしい時勢から、吹く風が枝も鳴らさぬ太平の時勢にまで生き延びたことであったと、筆者は書いています。齢70歳を迎えても家督を譲るべき息子を持たぬ彦左衛門は、隠居願いも出すわけにもいかず、古稀を迎えたからには毎日登城するのも大儀であろう故、気ままにせよと下命されても、毎日出仕し続けたそうです。しかし、さすがに70なかばを超えると登城もままならず、日長一日屋敷で暮らす日々であったと。そんな彦左衛門の退屈しのぎに町人を屋敷に引き入れ、彦左衛門が町人たちに昔の武勇話を聞かせたのが、そもそも「江戸っ子」の由来につながったというのです。彦左衛門が町人たちに語った太閤秀吉の九州征伐の話。秀吉の弟大和大納言秀長を大将とする豊臣勢9万余を迎え撃った、薩摩島津の将兵はわずかに2万余。死を覚悟した薩摩の将兵の腕には、皆「今月今日討死、何の何某」と入墨がしてあったと彦左衛門が町人に聞かせたところ、町人たちが打ち揃って彦左衛門にこう願い出たというのです。自分たちは駿河から御旗本衆について江戸に出てきたもの。この城下に子々孫々まで住みつく覚悟である。自分たちが他国者たちと違っている徳川譜代の町人だという誇りを持ちたいので、その名前をつけてくれ。そうすればそれを腕に彫って証としたいと。しばし瞑目した彦左衛門が、「江戸っ子、というのはどうだ」と言うと、町人たちは歓声を上げたと。以来、町人の間に腕に「江戸っ子何某」と刺青して得意になる風潮が、彦左衛門の屋敷があった神田駿河台一円にひろがったのだと。旗本の中の旗本、時代劇でも今日にその名を残すあの大久保彦左衛門が、「江戸っ子」の名づけ親だったという話でした。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2015年01月25日
お奨めの一冊、「東京・江戸地名の由来を歩く」 (谷川 彰英著 KKベストセラーズ)染み深い東京の地名についてその由来を教えてくれる。たとえば東京には「坂」のつく地名や「橋」や「水」に関係する地名が多いですね。江戸といわれた当時の歴史にまつわる地名の由来を知ることが出来て、歴史ファンには書かせぬ一冊といえます。【送料無料】東京・江戸地名の由来を歩く [ 谷川彰英 ]価格:893円(税込、送料込)第2章 「東京の橋を訪ねて」より、旅の起点「日本橋」に興味を抱き実際に現代の日本橋を訪ねてみたという筆者。実はかって私も同様な思いから、東京へ所用で出かけた折に、日本橋を訪ねてみたことがあります。田舎者の私のことです。地下鉄浅草線に日本橋という駅がありますから、そこで降り立って地上に出ればそこが日本橋だろうと思ったのでしたが・・・。そこは高速道路の高架橋が幾重にも覆いかぶさるようにまたがっており、それが陽を遮って陰をつくり、ただただ薄暗く、絶え間なく走って行く車の騒音と振動が身を震わすばかり。ここがかっての江戸の中心地であったとは、とても思えないものでした。本書によれば、江戸時代にはこの日本橋に江戸前の魚が集められ、魚河岸として栄えたとあります。今の築地に魚市場が移ったのは昭和の初めのことで、関東大震災により東京が破壊された後のこというのも初めて知りました。時代劇に登場するあの有名な一心太助も、この日本橋から魚を大久保彦左衛門の屋敷に運んだのでしょうか。冷蔵庫もなければ、氷もない。当然のことながら運ぶ車もない。あるのは天秤棒と魚屋の心意気のみ。「どいた、どいた~っ!もたもたすんじゃねぇ~やぃ!魚が腐っちまわ~!!」・・・・高速道路を行き飼う交う車の騒音の合間に、確かに太助の声が聞こえたような気がしたのでした。明日は大久保彦左衛門について取り上げてみたいと思っています。お楽しみに♪◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2015年01月24日
今読んでいる本上田 秀人著「御広敷用人大奥記録7 操の護り」【楽天ブックスならいつでも送料無料】操の護り [ 上田秀人 ]価格:669円(税込、送料込)8代将軍吉宗の抜擢により江戸城大奥を所管する御広敷用人となった我らがヒーロー水城聡四郎の活躍を描く本作は、本編で早くも第7話となります。紀州徳川家より徳川宗家へ入った吉宗は、自ら主導して幕府の傾いた財政の立直しをはかろうとしたことは、「享保の改革」として歴史に名を残すところです。その改革を一口で言えば「出ずるを減らして入るを増やす」、単純明快な政策といえますが、出ずるを減らすための代表的な政策が倹約令でした。将軍自ら木綿の小袖を着て過ごし、食事は一汁三菜を厳しく守ったと伝えられています。また湯水のごとく金を浪費する大奥を縮小させんがために、500名の大奥の女官を宿下がりさせた話も有名ですね。このとき吉宗の意を汲んで動いたであろう人物を、上田は御広敷用人に仕立て上げたというわけです。しかも名うての剣の達人ときていますから、読者は堪りません。当然のことながら、これまで大奥の主として築いてきた絶大な地位と権力を守ろうとする天英院の反発は、陰湿なたくらみとなって次々と聡四郎に襲い掛かる。・・・危うし聡四郎!聡四郎はこの危機をどのように切り抜けるというのだろう・・・?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2015年01月16日
今読んでいる本 上田 秀人著「百万石の留守居役 遺臣」【楽天ブックスならいつでも送料無料】遺臣 [ 上田秀人 ]価格:712円(税込、送料込)人気時代小説作家上田秀人得意の幕閣もの、時は四代家綱が死去し老中堀田正俊の画策により五代将軍は館林宰相綱吉と決まった。将軍の死去にともない幕閣の権力構造が崩れようとしているときがその舞台。家綱生存中は絶大な権力を手にし、下馬将軍と今にその名を残す大老酒井雅楽頭(うたのかみ)忠清は、継子のいなかった家綱の後継に宮家より将軍を迎えようと画策していただけに、綱吉が五代に就任すれば失脚は免れなかった。・・・百万石の外様加賀前田藩と幕府の立場を利用して権力の座に復帰できないか?失意の大老酒井は再逆転を狙い伊賀者に秘策を命ずる。危うし百万石の雄藩。藩主前田綱紀の抜擢により江戸詰留守居役に就任したばかりの若き藩士瀬尾数馬(せのおかずま)は、この大藩の危機にどう立ち向かう・・・?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年12月18日
日本人に好きな歴史上の人物を一人挙げよと問えば、5人に3人は「信長」と答えるそうですね。まあ、好き嫌いは別として信長を知らぬ人はいないでしょう。本能寺三部作(「信長の棺」「秀吉の枷」「明智左馬助の恋」)で壮大な歴史ミステリーを書き上げ、読者を魅了した加藤廣がまた「信長」を書いたとなれば、速攻購入の一手というもの。「信長の血脈」とは、信長とその一族のどんな結末を描いたものだろうかと、思ったのでしたが・・・。【楽天ブックスならいつでも送料無料】信長の血脈 [ 加藤廣 ]価格:691円(税込、送料込)「血脈」とは文字通りの血のつながりという本来の意味ではなく、筆者が本能寺三部作を書き上げるために、信長に関する膨大な資料と文献を調べている中で興味をひかれた「人物」と「事件」を指していたのでした。信長の傳役、平手政秀自害の真相は?伊吹山に日本原産ではない薬草があるというのは本当か?秀頼は淀殿の不倫で生まれた子か?島原の乱の真の首謀者は?その人物、事件を題材に加藤一流の時代考証と推理を駆使して描いた壮大な歴史ミステリー4編が、「信長の血脈」というわけです。どうでもいいことかも知れませんが、・・・私は真っ先に「淀殿の不倫?」から読み始めました。(笑!◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年12月12日
日経に連載された時代小説「黒書院の六兵衛」、毎朝一番に顔を洗うのももどかしく最終面の文化欄を見るのが日課でした。今改めて単行本で読み直しています。浅田次郎著「黒書院の六兵衛」下巻 クライマックスの最終章がなんと言っても圧巻です。【楽天ブックスならいつでも送料無料】黒書院の六兵衛(下) [ 浅田次郎 ]価格:1,620円(税込、送料込)大政奉還がなり、遷宮により明治帝が宮城(江戸城)にお移りになられても、依然黒書院に座り続ける六兵衛。この間おおよそ10ヶ月、夜といえども横になろうともせず、口にするものといえば握り飯と香の物のみ(主人公加倉井隼人の浅智恵により、鰻の蒲焼を無理やり食わせられて腹を下したことは一度あったが・・・笑!)、それほどまでにして居座り続けるのは何ゆえか?武門旗本の矜持か?薩長倒幕軍への反感か?いや、そうではなかった・・・。六兵衛のことがついに帝の知るところとなり、帝が側近の制止を振りきって黒書院に足を運ばれた。「六兵衛、おい、六兵衛、天朝様ぞ。わかっておるのか」驚くべきことに六兵衛は、このときを待っていた。聖上との対面を待っていたというのだ。無言のまま背筋を伸ばし真向から龍顔を拝するや、これぞ旗本の中の旗本、武士の中の武士という所作で深々と一礼するや、ついに六兵衛は立ち上がった。「どこへ行くのだ、六兵衛」「わしを連れて行ってくれ。おぬしの向かうところなら、どこへでも参ろうぞ。のう六兵衛。わしをひとりにしないでくれ」江戸城開城の御先手組頭として入城して以来、ひょんなことから六兵衛を立ち退かせるために10ヶ月も貧乏くじを引かされることになった主人公尾張藩江戸詰下級藩士加倉井隼人の胸中は、最後まで読み通した読者の思いにそのまま通じるものがあると言えそうです。狼狽した加倉井隼人のうつろな叫びが殿中に響く・・・。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年11月29日
時間があって金にも十分余裕があれば、ゆっくり体と心をを休めたいものだと思ったとしても、別段お叱りを受けるものではないでしょう。毎週末の日経には、各旅行代理店のツアー広告が何社も掲載されていますが、私はいつもその広告を見比べて、やれ高いだの、ホテルのグレードがどうの、食事は何を食わしてくれるだの、行けもしない国内有名温泉地や外国の観光地に立つ自分を夢想したりしていますが、これって侘し過ぎますかね。何もかも忘れて旅行が出来たらどんなにかいいだろうと思うことしばしばです。かといって今の仕事や生活や、もしかしたら家族も投げ捨てて、放浪の旅に出る勇気も無謀さも私は持ち合わせてはいないのですが、これはこれで凡人の幸せというものかも知れないと思ったりしています。そんな思いで、今この一冊の本を手にしています。【送料無料】世界一周ひとりメシ [ イシコ ]価格:630円(税込、送料別)世界33の都市を訪れ、その地で"ひとりメシ"を食おうという「イシコ」(筆者、ペンネームか?)なる人物こそ、誰もが一度は憧れたにちがいない放浪者。私も「イシコ」とともに世界一周一人メシの旅に出ることにしました。今私は、南米ウルグアイの主都モンテビデオからトラブル続きの飛行機便を乗り継ぎ、ロサンゼルス国際空港に着いたばかり、空港内のカウンターバーで早朝からカクテル(ブラッディマリー)を飲んでいます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年11月28日
お奨めの一冊「旧暦はくらしの羅針盤」 (小林 弦彦著 日本放送出版協会)【送料無料】旧暦はくらしの羅針盤 [ 小林弦彦 ]価格:714円(税込、送料込)昔日本では、時間が伸びたり縮んだりしたんです!えっ!? そんなバカな??・・・、江戸時代の話でしょ?そんな昔に、日本にもアインシュタインのような天才がいたんですか?ご存知アインシュタイン博士による相対性理論。絶対に変らぬものは光の速度だけで、時間は伸びたり縮んだりする。空間でさえ歪む。まったく、理解不能な理論なんですがね。江戸時代の時間の単位は、読んで字のごとく「時」(とき)。この「時」(とき)が、実は伸びたり縮んだりしたのです。昔の人は、日の出とともに起き、日が沈むと活動をやめた。何しろ電気などというものがありませんからね。日が暮れたら、することといったら、だいたい寝るだけと言った方がいい。そこで昼と夜とをそれぞれ六等分し、一日を十二分割して干支を割り振って時間を数えた。春分の日と秋分の日ならば、昼と夜の時間がほぼ同じだから、一時(いっとき)は今の時間だと約2時間。ところが、夏至だと日照時間が長いから、昼の時(とき)は2時間より長くなります。その逆に冬至は昼の時(とき)が短くなり、夜の時(とき)が長くなるというわけ。当時の人の活動時間を明け六つから暮れ六つまでと考えると、冬至では10時間56分ですが、夏至では15時間52分となりますから、同じ一時(いっとき)でも最大50分余りの違いが生じることになりますね。そもそも当時の暦は中国から伝来した大陰暦を基にしたものもの。中国唐代の有名な詩に「春眠暁を覚えず」の一節がありますが、これは長い冬の時間感覚に慣れてしまった体が、春になってもなかなか抜けきらないでいる様子を巧みに言い表していますね。わが国では、「お江戸日本橋七つ立ち~、初上り~♪」という有名な歌があります。これは江戸から京へ行くのに、旅の基点日本橋を明け六つ前の七つに出立したことを歌っておりますね。ですから、そのあとの歌詞を見ると、「こちゃ高輪、夜明けてぇ~、提灯消すぅ~♪」日本橋を提灯の明かりを頼りに出立して、品川の手前の高輪あたりで夜が明けたと言っているのです。日本橋から高輪まで夜道を約2時間・一時(いっとき)かけて歩いたのでしょう。さすればこの旅立ちは、現代の暦でいえば春3月の下旬か、秋9月の上旬に行われたということになりますね。・・・昔の人って、エライ!何も気取らず、そのままを歌にしておりますね。恥ずかしながら、この歌の意味がようやく分かりました。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年11月21日
世にそば好きの方は多いことと思います。中でもお手ごろの値段で手軽に空腹を満たせる優等生といえば、駅そば。私も所要で旅先の駅に降り立って、駅そばの暖簾が揺れていれば、暖簾をくぐらずにはいられない口です。そんなそば好きに送るお奨めの一冊。『「駅そば」読本』 (鈴木 弘毅 著)【楽天ブックスならいつでも送料無料】「駅そば」読本 [ 鈴木弘毅 ]価格:1,028円(税込、送料込)著者であるフリーライターの鈴木さんは、なんと全国1,700軒の駅そばを食べ歩きしたというのですが、これはそば好きというよりも最早そば狂いの領域に近いと言った方がいいかもしれませんね。(笑!鈴木さんのこだわりは、鈴木さんの定める「駅そば」の定義からもうかがい知ることができます。駅の構内に限らず駅から徒歩5分以内に店を構えていること。提供時間が1分から5分であること。一番シンプルなものが400円以内であること。店の作りが調理場が中央にあって、それを囲むように客席が作ってあるシンプルな構造であること等々。並々ならぬ「駅そば」へのこだわり、ただただ恐れ入るばかりです。さらに駅そばの「だし」と薬味に使用する「ネギ」についての記述は、日本の地域による食文化の違いを教えてくれるもので、ひじょうに興味深いものがあります。東のかつお、西の昆布というだしについての東西の線引きは、東海道線では岐阜大垣駅までがかつお、滋賀県米原駅まで行くと完全に昆布ということでした。北陸線での境界は富山駅。構内に2軒ある店のうち1軒はかつお、もう1軒は昆布だということです。ネギについては、東は白ネギ、西は青ネギと言われていますが、その境界はというと、静岡県の熱海駅までが白ネギ、三島駅から西は青ネギだということです。だしは東の静岡県でありながら、ネギはその静岡県でも西と東に分かれているというのは、ひじょうに 興味深いですね。私は富山県でも西部に位置する高岡市に住んでいますので、鈴木さんのいう駅そばのだしの境界線のやや西側圏になりますか。当地では、かつおも昆布も両方使ってだしをとっているようですが、富山のだしと比べると確かに色はずいぶん薄いです。しかしお隣石川県金沢で食べる駅そばは、高岡のものよりずっと京風のだしで、富山のだしと比べるとまるで色がついていないようにさえ思えるほどの薄い色です。使用している醤油で東西を分けるとすれば、富山県までが濃い口、石川県へ行くと完璧に薄口となりますから、境界線は源平の合戦で有名な倶利伽羅(くりから)峠ということになりましょうか。(←これは私の説です)ちなみにネギは完璧に白ネギですから、富山県では静岡県とは逆で、ネギは東であるのに、だしが東西混在していることになりますね。さらにだしに使う醤油でいえば東というのですから、ややこしい。(笑!私は地元ですから富山駅の構内でも駅そばを食べた経験は何度かありますが、さすがに駅そばのはしごはしませんので、鈴木さんのような東西のだしの違いに気づくようなことはありませんでした。今度富山駅へ行って検証してみようと思っていますが、現在富山駅は北陸新幹線開通に伴う大改修工事を行っている最中なので、構内の駅そばはどうなっているか分かりません。新幹線が開通し装い新たになった富山駅でもかの駅そばが2軒とも店を開いていますように・・・。そのときは、薬味のネギはともに白ネギでも、東西の違っただしの「駅そば」を必ずはしごして、鈴木さんのように「旅情をすすりたい」と思っています。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年11月20日
お奨めの一冊。「人生で必要なことはすべて落語で学んだ」(童門 冬二著 PHP文庫) 【送料無料】人生で必要なことはすべて落語で学んだ価格:620円(税込、送料別)目次を見ていくと、風流に生きたい/底抜けに明るい生き方/貧しいけれど豊かに暮らす/ケチと倹約のちがいは?/挫折したって歩いていける/夢をかなえる法/老後なんて心配するな/コンプレックスをプラスに変える・・・など。どうです・・・。皆さんも普段このようなことで思い悩まれたことあるに違いありません。筆者はこのようなことをすべて落語から学んだと言っています。どうぞ"落語人間"におなりください。"落語人間"として生きていくことは、楽しくて幸福なことでもあると。人生を上手に生きるコツは、「笑い」の中にあるということを学ばせてくれる本です。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年11月19日
『殴り合う貴族たち』(繁田信一著 角川文庫)を書棚から引っ張り出して来て読み返しています。【送料無料】殴り合う貴族たち価格:820円(税込、送料別)いかにも突拍子もない題名と、表紙カバーに描かれたイラスト・・・土俵のような丸く仕切られた上で3人の王朝貴族が殴りあっている・・・思わず吹き出してしまうイラストに誘われて購入しました。優雅なはずの王朝貴族たちは、頻繁に暴行事件を起こす危ない人々でもあったって、信じられますか?筆者の繁田信一氏が、普段私たちが平安時代の貴族から抱くイメージからはとても想像できない彼らの実態を、紫式部も尊敬した小野宮実資の日記を解き明かすことによって知らせてくれています。歴史好き、とりわけ平安王朝時代に興味ある人にお薦めの一冊です。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年11月10日
古来より「天は二物を与えず」といいますが、医者にして文筆家(作家)という器用な方が多くいらっしゃいますね。古くは斉藤茂吉、この方は精神科医にして歌人でした。先ごろ亡くなられた渡辺純一は、医学博士にして直木賞作家。「失楽園」を知らぬ人はいないでしょう。漫画・アニメ界の巨匠手塚治虫も医学博士でありながら、メスではなくペンの方を取った。もっとも手塚はインターンのときを除いて一度も患者を診たことはなかったといいますから、医者とは言えないかも知れない。血を見るのをひじょうに怖がったといいます。現代にもどって売れっ子時代小説作家上田秀人は、現役の歯科開業医。出すシリーズことごとくヒットするのですから、人の口の中を覗きながらも、次に出版する作品のストーリーを考えているに違いないと思ったりしています。(笑!もう一人私の好きな作家、篠田達明も現役の整形外科医。この方の「カルテ」本は歴史上の有名人物を医者ならではの視点から考察したものだけに説得力があります。その「カルテ」本の一冊、「歴代天皇のカルテ」より、第45代聖武帝の記述。帝が唐より招いた高僧鑑真和上の意外な秘密に興味が駆られました。数年前に正倉院から納められたという仏具の箱が東大寺の地下から発見され、中から奈良時代の中高年男性の歯が出てきたというニュースが報じられたことと関連があります。この歯は当時50歳後半で亡くなった聖武天皇のものではないかと。子どものころ乳歯がぐらぐらになって抜けると、上の歯なら下へ、下の歯なら上へ窓から放り投げると丈夫な歯が生えてくると言われ、疑いもせずそうしていたものでした。このような風習は当地だけのものか、或いは他の地域にも残っているのか知りませんが、それが奈良時代にまで遡ることが出来るのかどうかは、私の知るところではありません。聖武天皇といえば、熱く仏教に帰依し、当時流行した疫病に苦しむ民のために大仏殿を建立したことで有名ですね。また唐より名僧鑑真和上を招へいし仏教を広めようとしたと歴史の時間に習いましたが、鑑真和上には隠れた一面があったようです。篠田達明著「歴代天皇のカルテ」によれば、鑑真和上は名僧に違いなかったが、当時の唐でも指折りの薬師でもあったとあります。【送料無料】歴代天皇のカルテ価格:735円(税込、送料別)なるほどそういうことであれば、生まれつき病弱であった聖武帝は、鑑真の僧としての仏教の力にすがると同等以上に、薬師としての力にその権力と富を行使したのではないかという思いを強くします。その聖武帝のものと思われる歯が、東大寺の地下に埋められた鎮壇具の中から出てきたというのですから、歴史好きにとっては"ロマン"がかきたてられます。ひょっとしてこの歯は、鑑真和上の手によって聖武帝の口から抜かれたものかも知れませんね。そのとき和上はどのような治療・投薬を天皇に施したのでしょう。あるいはどのような経を読んだのでしょう。はたして、聖武天皇も古今東西の絶対的権力者がたびたび陥ったという不老不死の薬を鑑真和上に求めたのであろうか?このとき鑑真和上はどう応えたのであろうか?静かに経を読んだだけだったのだろうかと・・・。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年10月28日
今読んでいる本。大江戸「町」物語(光)(宝島社文庫)【楽天ブックスならいつでも送料無料】大江戸「町」物語(光) [ 上田秀人 ]価格:702円(税込、送料込)人気時代小説作家上田秀人ファンの私は、定期的に楽天ブックスで検索しては上田の新作が発売されるのを心待ちにしています。いつものごとく検索すると『大江戸「町」物語(光)』がヒットしたので、今までの上田にない新しいシリーズの新作が出版されたのだと思い、早速購入したのでしたが、届いた本のブックカバーには「時代小説アンソロジー」と見慣れぬ言葉がカタカナ書きされていました。一般に同一の文学形式ないし主題の下にまとめられた諸作家の選集のことをアンソロジーというのだそうですね。はじめて「アンソロジー」なる言葉を知りました。なるほど、上田を含めて4人の作家の短編が一冊に収められています。「町」物語とあるごとく、4人の作家がそれぞれ「千住宿」「芝」「板橋宿」「両国」の江戸の町を舞台に、そこに暮らす人々が織り成す物語を描いています。上田以外の3人の作家も知ることが出来ましたし、これ一冊で江戸の町四ヶ所も巡ることができるのは、何といっても得した気分。このシリーズは「(光)」の他に3部がすでに出版されていますから、ぜひ読んでみようと思っています。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年10月13日
今読んでいる本。「お髷番承り候9 登竜の標」【楽天ブックスならいつでも送料無料】登竜の標 [ 上田秀人 ]価格:691円(税込、送料込)人気時代小説作家上田秀人の「お髷番承り候」シリーズは、数えて9作。副題には「登竜の標」と書かれています。時は4代将軍家綱の治世。家綱が絶大な信を寄せる唯一の寵臣、小納戸役月代御髪(さかやきおぐし)深室賢治郎の活躍を描く。家綱に徳川宗家を継ぐべき嫡男が恵まれぬことから、5代将軍の座をめぐる家綱の二人の弟、甲府宰相綱重、館林宰相綱吉、そして紀州徳川家を交えた骨肉の争いは、将軍家御台所懐妊の噂が流れるにいたってピークを迎える。館林藩が放った黒鍬者の襲撃を撃退した賢治郎に、老中阿部忠秋はこれを謀叛と取り、賢治郎に黒鍬者殲滅を命じる。一方甲府藩家老堀田正俊は、大奥に刺客を送って御台所を害そうと画策。家綱の身にも危難が迫る。次々と襲い来る魔の手から家綱を命をとして守ろうとする賢治郎に、今度は新たな卑劣な画策が仕組まれる・・・。賢治郎危うし。標題にあるごとく、竜門を登りきった鯉が竜になるという中国の故事のごとく、賢治郎はみごとこの最大の危機を乗り切り、真の意味で家綱を補佐する幕閣への道を歩むことができるのだろうか・・・。深まる秋の宵にお勧めの一冊です。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年10月05日
今読んでいる本。人気時代小説作家上田秀人の「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズ第7弾は「色里攻防」の副題がつけられています。【楽天ブックスならいつでも送料無料】色里攻防 [ 上田秀人 ]価格:702円(税込、送料込)色里とは言うまでもなく江戸吉原。当時公儀から唯一認められていた遊興歓楽街。神君家康より吉原の名主に「御免色里」のお墨付きが与えられていたというだけに、事件があっても役人でさえ軽々に立ち入ることができなかったという色町。一方妾屋とは当時働き手に働き口を斡旋したいわゆる口入屋の一種。今でいうところの人材派遣業。ただし少々特殊の人材を斡旋した。江戸でその妾屋を営む昼兵衛とその用心棒にかわれた素浪人大月新左衛門が、本作の主人公。世間を少々はばかられる商いを営むといえども、この昼兵衛の胆力は並大抵のものではない。今は一介の素浪人だが、元仙台藩士で藩主の側室八重(昼兵衛が斡旋した)付きとしてその警護役を務めた新左衛門の剣さばきたるや、これも昼兵衛の胆力に比べても少しも引けを取るようなことはない。「御免色里」のお墨付きの権威をたてに、妾屋という口入屋の利権を奪って吉原の復権をはたそうとする吉原惣名主。卑劣極まりない手口を、次々と昼兵衛に仕掛けてくる吉原に、昼兵衛はいかに立ち向かうというのか?次々と襲い来る吉原亡八と無頼の手から、新左衛門は昼兵衛を見事守りぬくことができるのか?そして、今は市中でひっそりと暮らす八重と八重に淡い想いを寄せる新左衛門の行方は?「妾屋昼兵衛女帳面7 色里攻防」 深まる秋の宵にお勧めの一冊です。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年09月30日
今読んでいる本「表御番医師診療禄4 悪血」(上田秀人著 角川文庫)【楽天ブックスならいつでも送料無料】悪血 [ 上田秀人 ]価格:648円(税込、送料込)時は五代将軍綱吉の治世、江戸城表につめる阿蘭陀(オランダ)流外道番医師矢切良衛の活躍を描く痛快時代小説。阿蘭陀(オランダ)流外道医師とは、和漢医療が中心の当時にあって、現代医学に近い西洋医術の知識を取得した医師。外道とは本道(内科)に対して使われた言葉で、今でいうところの外科のこと。番医師とは江戸城表につめて、城内で急に病を発したり怪我をした者の手当てにあたった当番医のこと。先代家綱に継嗣がいなかったことで、将軍として徳川宗家を継いだ弟綱吉は、一族の将軍承継をめぐる血で血を洗う暗部を目のあたりにしたことから、嫡男をもうけることこそ幕府安泰の基であることを知った。嫡男徳松を幼くして失った綱吉は、継嗣を得んとあせるのだが、江戸城大奥には早くも綱吉を亡きものとせんとする魔の手が潜んでいた。綱吉の意を受けた大目付松平対馬守と小姓組頭柳沢吉保よって、表番医師から大奥を担当する御広敷番医師に転じることになった良衛は、その密命の求めるところの難しさに途方に暮れるのであった。おりしも大奥の警備にあたる御広敷伊賀者が足を骨折し、良衛はその治療に当たるのであったが。・・・何かおかしい、不自然だ。良衛の推測は、思わぬ陰謀の新たな序章の始まりにすぎなかった。表番医師矢切良衛の見立てや如何に、その療治の行方は?はたして良衛は、大奥に潜む魔の手から綱吉の身を守りきることが出来るのだろうか?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年08月29日
自然界には毒を持つ植物や生物は多くいますが、毒を持つ鳥の存在はあまり聞いたことがありません。ところが鳥類においても例外はなく、ニューギニアの固有種であるモズヒタキ科の3種類のモリモズの仲間には、羽毛や皮膚に神経毒が含まれているということです。書店でふと手にした本「へんな毒すごい毒」に紹介されていました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】へんな毒すごい毒 [ 田中真知 ]価格:1,706円(税込、送料込)この毒のおかげでモリモズは鷹やヘビのような天敵に襲われることをまぬがれているそうです。次のページには我々素人でも知っているヤドクガエルが紹介されています。ヤドクガエルの毒は自分自身が作り出すのではなく、餌とするアリ、ヤスデ、テントウムシ、ダニなどが持つ毒に由来するということですが、ヤドクガエルはどうしてその毒に当らないのか不思議です。ヤドクガエルの毒成分は数百種類にも及ぶアルカロイド形の神経毒で、主成分のバトラコトキシンは先にあげたモリモズの毒素ホモバトラコトキシンと同類であることから、モリモズの毒もヤドクガエル同様に餌としている昆虫類に由来しているのではないかと書いてありました。そこで俄か生物学者( ← 私のことです )が考えたこと。モリモズはヤドクガエルよりはるかに大きい体をしていますから、その体を維持していくには、ヤドクガエルよりもっと効率的に餌を捕る必要があるはずです。アリ、ヤスデ、テントウムシ、ダニなどを捕食するより、いっそのことヤドクガエルを捕食する方が、ずっと効率が上がるというもの。ひょっとしたら鳥類でも毒を持つという珍しい鳥モリモズは、ヤドクガエルを餌としているのではないか?そうだとすれば、モリモズに聞いてみたいものですな。ヤドクガエル1匹で体重50キロの人間20人を殺せるという猛毒の味は、渋いか、苦いか、はたまた酸っぱいか?まさか甘いということはないと思うのですが・・・。(爆笑!◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年08月06日
今読んでいる本小早川 涼著 「大江戸いきもの草紙 猫の恩返し」【楽天ブックスならいつでも送料無料】猫の恩返し [ 小早川涼 ]価格:650円(税込、送料込)小早川 涼の「将軍の料理番」シリーズにつぐ新しいシリーズは「大江戸いきもの草紙」と題されています。本作はその第2弾。前作に続き生き物探し屋の看板をあげた一人の浪人椎名貫太郎(そんな職業が実際にあったとは思えませんが・・・)。直参旗本の総領息子に生まれながら、町方の娘千帆と恋仲になり、天下の旗本の家を捨てて千帆を選んだ椎名貫太郎の活躍を描く。家を捨てたとはいうものの武士を捨てきれぬ貫太郎の心中が、貫太郎と千帆の一粒種千吉のたどたどしい話し言葉に上手く描かれていて、涙ものです。「お父たま、千吉はお母たまもおばばさま(貫太郎の母親)も大好きです。いっしょに暮らせたらいいではにゃーかと思うとるですが・・・」武家言葉に町人言葉、それに千帆の出身地の尾張弁が微妙に混ざり合った仙吉の問い掛けに、貫太郎は返す言葉に詰まるのでした。さて本作では、逃げたカラスを追ううちに手代殺しの濡れ衣を着せられてしまう貫太郎でしたが・・・。時代小説と推理小説を一度に味わうことが出来る「大江戸いきもの草紙 猫の恩返し」です。さて猫は何を恩返ししてくれたというのでしょう。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年07月18日
今読んでいる本。上田 秀人著「御広敷用人大奥記録6 茶会の乱」【楽天ブックスならいつでも送料無料】茶会の乱 [ 上田秀人 ]価格:670円(税込、送料込)勘定吟味役異聞シリーズで活躍した我らがヒーロー水木聡四郎(みずきそうしろう)が、8代将軍吉宗直々の引きで御広敷用人として江戸城に戻って来てから、早本作で6作目。吉宗の大奥改革に伴う軋轢の矢面に一人立つことになった聡四郎に休む暇はありません。吉宗の寵姫・竹姫の代参の警護を無事果たした聡四郎に、またもや振りかかる難題。大奥で最も陰湿な罠がまたしても竹姫に仕掛けられる。一方御広敷伊賀者元組頭・藤川義右衛門は、どうしても聡四郎を亡き者にせんがために、とある「大物」にすり寄る。「大物」とは誰か?はたして聡四郎は、次々と遅い来る魔の手から竹姫を守り、合わせて吉宗の期待に応えることが出来るのだろうか?またしても聡四郎の繰り出す一放流の剣さばきから目が離せません。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年07月14日
読書録より、最近読んだ本。歴史好きの方、時代小説ファンにお勧めです。「姉川の四人 信長の逆切れ」 鈴木輝 一郎 著。 【2500円以上送料無料】姉川の四人 信長の逆切れ/鈴木輝一郎価格:1,728円(税込、送料別)四人とは、信長、秀吉、家康、光秀のこと。この四人がいて「姉川」といえば、今をさかのぼること440年余り、織田・徳川の連合軍と浅井・朝倉の連合軍が現在の滋賀県長浜市を流れる姉川を挟んで激突した「姉川の戦い」を指すことは、歴史好きでなくとも疑う余地のないこと。両軍あわせて2000人とも3000人ともいわれる将兵が命を失い、その流す血によって姉川が赤く染まったと、今に語り継がれています。さて副題を見ると「信長の逆切れ」と書いてあります。あの信長が逆切れしたらどういうことになるのだろう?さぞかし配下の武将連中はビビッたのではないか?そのとき秀吉は、どんな行動をとって信長の勘気が自分に向くのを避けようとしたものか。光秀はどんな理屈を盾に、これを回避しようとしたのだろうか。家康はやはりここは秀吉と光秀に任せてじっと我慢と、己に言い聞かせたものだろうか。姉川の戦いに先立つこと3年、信長による越前朝倉攻め。浅井長政の離反によって余儀なくされた「金ヶ崎の退き口」を舞台とした「金ヶ崎の四人」と合わせて読むと、歴史を動かしたこの四人による四者四様の戦場心理が見えてきて面白いことこの上ありません。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年06月26日
今読んでいる本。「金ヶ崎の四人」鈴木輝一郎著 【新品】【書籍 ハードカバー】鈴木 輝一郎 金ヶ崎の四人価格:1,728円(税込、送料別)歴史好きでなくとも、信長、秀吉、家康、光秀と書けば、それが誰を指すか知らぬ人はいないでしょう。長く続いた戦乱の世がようやく収束を見ようとし始めた16世紀の終わり、この四人の登場人物がこの国の歴史の大舞台を動かしたといえましょう。この四人があって金ヶ崎といえば、金ヶ崎の退き口と今に伝えられる有名な戦い。越前の雄朝倉義景を攻める信長が義弟浅井長政の裏切りにより、命からがら京へ退くことを余儀なくされたその金ヶ崎での四人を描く。はたして四人の英雄は金ヶ崎でどのような行動をとったのか?歴史書の裏を覗き見るような思いとともに、時間の経つのも忘れます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年06月21日
人気時代小説作家上田秀人の新シリーズ「百万石の留守居役」第三作の副題には、「新参」と書かれていました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】新参 [ 上田秀人 ]価格:713円(税込、送料込)百万石とは言わずに知れた外様最大の加賀藩。留守居役とは江戸藩邸に常駐し幕府の動向を他藩に先駆けて探ることを最大の任務とする役職。本作はその加賀藩江戸留守居役に異例の若さで抜擢された瀬能数馬の活躍を描く。まさしく数馬は「新参」というわけ。加賀藩の秘事を漏らし脱藩した先任の小沢は上意打ちから逃れようと、あろうことか幕閣筆頭を狙う老中堀田家に逃げ込んだ。折もおり、病弱な将軍家綱は、後継を定めぬまま息絶える。後継将軍の行方は?幕閣の思惑は?甲府藩、館林藩はどう動く?「新参」の数馬に襲いかかる数々の難題、忍び寄る魔の手。はたして数馬は加賀百万石の留守居役の大任を果たし、加賀藩の危機を救うことができるのか?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年06月15日
今読んでいる本小早川 涼 著「大江戸いきもの草紙 迷い犬迷い人」【送料無料】迷い犬迷い人 [ 小早川涼 ]価格:637円(税込、送料込)小早川 涼 待望の新シリーズ第一弾。本シリーズの主人公はなんと天下の旗本の家の嫡男に生まれながら、町方の娘と恋仲になったが故に廃嫡勘当の憂き目にあった侍・椎名貫太郎。呉服屋のお針子として針仕事で一家の生計を立てる恋女房と一粒種の息子の3人暮らしの生活は、文字通り裃袴を脱ぎ去った気ままな暮らしに見えるのだが・・・。とある日貫太郎は、街で珍しい唐犬を拾うが・・・。題名にある迷い犬とは何となく犯罪の臭いがするこの唐犬のことだろうか?・・・では迷い人とは誰のことか?生き物に懐かれる人間に悪者はいないといいますが、まさしくそれを地で行く貫太郎に振りかかる厄介な事件。貫太郎の活躍やいかに。そして恋女房と愛息子との暮らしの行方は・・・?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年06月10日
今読んでいる本料理番名残りの雪 (小早川 涼著)【楽天ブックスならいつでも送料無料】料理番名残りの雪 [ 小早川涼 ]価格:713円(税込、送料込)包丁人侍事件帖シリーズ7作目となる本作、われらがヒーロー江戸城の台所人・鮎川惣介が、幼馴染みの御広敷添番・片桐隼人とともに今回も怪事件に挑む。嫌がる隼人を無理やり馴染みのそば屋の屋台に誘った惣介。そこで出会ったのが一人の酒癖の悪い侍。本丸書院番で弓の名手、二宮一矢。人の好い惣介のこと今回も自分の意に反して、酒癖の悪い一矢の断酒と引きかえに、惣介の腹周りを一尺減らす約束を交わす事になった。それがこれから始まる事件の序章であったとは・・・。さて惣介は酒癖の悪い侍が絡む怪事件を見事解決することができるのか。そして惣介の腹周りの行方はどうなるのでしょうか?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年06月08日
今読んでいる本小早川 涼 著「包丁人侍事件帖 くらやみ坂の料理番」【送料無料】くらやみ坂の料理番 [ 小早川涼 ]価格:689円(税込、送料込)「包丁人侍事件帖」シリーズ6作目となる本著のブックカバーを見ると、題名のとおり暗闇の坂を行く侍3人が描かれています。一人先に行く侍はなにやら大事そうに籠を両手に抱えている。その後をつけて来たのだろう、二人の侍が塀の陰から先を行く侍の様子を窺っている。一人は長身の着流し姿、どことなく人を食ったような横顔をしている。もう一人はふっくらとした下膨くれの顔立ち。袴の紐を下腹に緩く締めている姿はお世辞にも凛々しいとは言い難い。この凛々しいとは言い難い侍こそが、本著の主人公・鮎川惣介(あゆかわそうすけ)。時の将軍11代家斉お気に入りの料理番、正式には江戸城御広敷御膳所台所人である。人を食ったような横顔の長身の侍は、惣介の同僚で京の公家から家斉に嫁いだ御台所につけられた料理番の桜井雪之丞。先を行く侍が惣介の幼馴染で親友の御広敷添番片桐隼人。隼人が大事そうに抱えた籠の中には、生まれたばかりの隼人の赤子が入っていた。なんと隼人は生まれたばかりの己の赤子を捨てに行こうとしているのだと。一方聡介は西の丸御膳所へ移動を命じられる。惣介が目にする江戸城西の丸御膳所に起きた不可解な事件につながる冒頭のストーリー展開が見事に挿絵になっていますね。さて聡介は江戸城西の丸に巣くう厄介な事件を見事解決して、家斉の意にこたえることができるのだろうか?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年05月31日
世にコレクターといわれる人は掃いて捨てるほどいるでしょう。傍から見ればそんなものを集めて何になると思いたくなる収集家もいますが、人それぞれの価値観の違いだけのことですから、何を集めようがその人の好き好き。他人がとやかく口を挟むことではありませんね。しかし、こんな収集家はいただけません。ウエブニュースより、橋やトンネルの銘板、204枚盗難 南加賀59カ所石川県下の小松、加賀、白山、能美、川北の4市1町で、比較的交通量の少ない山間部の橋やトンネルを中心に銘板が、合わせて200枚あまり紛失しているとのことです。なるほど確かに紛失した銘板の中には、白山市の「三昧(さんまい)橋」や加賀市の「三の瀬橋」といった、よこしまなコレクターならずとも、旅好きにとっては魅力的な響きを持つ名前が刻まれていますね。よこしまなコレクターは、己の所業を一刻も早く悔い改め、集めた銘板を返却すべきです。代わりに私からお勧めの一冊を紹介しましょう。【楽天ブックスならいつでも送料無料】世界でもっとも阿呆な旅 [ 安居良基 ]価格:1,620円(税込、送料込)国際編と国内編がありますが、国内編からドキっとするような名称を二つ抜粋します。長野県駒ヶ根市にあるバス停の名前「女体入口」。鳥取県日南町にある橋の名前「巨根橋」。老婆心ながら付け加えておきますが、バス停の方はそのものズバリの読みだそうですが、橋の名前は「おおねはし」と読みます。くれぐれも読み違えのないように・・・。(爆笑!・・・あっ、こんな楽しい本を紹介したら、もっとよこしまな心が増長するかも。「巨根橋」の銘板も盗まれていたと筆者は本の中で紹介しているくらいですから。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年05月24日
人気時代小説作家上田秀人の人気シリーズ「お髷番承り候」も本作で第8話。副題には「騒擾(そうじょう)」という聞き慣れぬ言葉が使われています。「騒擾」を字引で調べてみると、事件などを起こして社会の秩序を乱すことあります。それが発するのだから、騒動が企てられる、勃発するという意味でしょう。上田得意の穏やかならざるストーリー展開が見えて来ますね。【楽天ブックスなら送料無料】騒擾の発 [ 上田秀人 ]価格:691円(税込、送料込)四代将軍家綱が継嗣に恵まれぬために徳川宗家に起こった将軍後継騒動を、家綱が絶大な信頼を置く小納戸月代御髪(こなんどさかやきおぐし)深室賢冶郎の活躍を通して描く痛快時代小説。その家綱の御台所が懐妊したという噂が流れた。家綱の後継を狙う二人の弟、甲府宰相綱重と館林宰相綱吉、さらに紀州藩主徳川頼宣を加えた三家がその真偽を探ろうと画策する。次々と迫り来る刃を跳ね除け、果たして賢冶郎は家綱を魔の手から守ることが出来るのか。賢冶郎が使うタイ捨流小刀太の冴えから目が離せません。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年04月08日
今読んでいる本、上田 秀人著 「妾屋昼兵衛女帳面6 遊郭狂奔」【送料無料】遊郭狂奔 [ 上田秀人 ]価格:683円(税5%込、送料込)人気時代小説作家上田秀人の「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズもこれが第6作目。それにしても妾屋とは変わった商売もあったものだと思います。江戸時代に口入れ屋(今日でいうところの人材斡旋業か)という商売があったことは知っていますが、その中でも特別な人材(?)を専門に扱ったのが妾屋ということなのでしょう。本シリーズの主人公はその妾屋を生業(なりわい)とする山代屋昼兵衛と、その用心棒で元仙台伊達藩士でタイ舎流の遣い手大月新左衛門。商家の主人(あるじ)と素浪人という組み合わせは、数ある上田の作品の中でも異色。しかし、この商家の主人の肝のすわり方が並ではないし、素浪人の剣捌きがこれまた尋常では語れない。今回は当時幕府から唯一公認されていた御免色里の吉原が、昼兵衛に横やりを入れて来るという筋立て。次々と襲い来る刺客の魔の手を新左衛門は払い退けることができるのか?そして昼兵衛は・・・?妾屋家業はどうなる?息も継がせぬストーリー展開に時を忘れます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年03月20日
今読んでいる本、「表御番医師診療禄(3) 解毒」人気時代小説作家上田秀人の新シリーズは、「切開」「縫合」の後を受けて「解毒」という副題がついています。【送料無料】解毒 [ 上田秀人 ]価格:630円(税5%込、送料込)まずシリーズの題名が「表御番医師診療禄」となっているのに注目したいと思います。普通「・・・診療録」となりそうなものをあえて「禄」という文字を使っているところが、いかにも上田らしいといえましょう。主人公の矢切良衛は、江戸城殿中表方に病人がでたときに診療に当たった外道(外科)医師ではあるものの、出自はもともと御家人の家柄。れっきとした武士であることを暗示していることがわかります。時は5代将軍綱吉の治世。綱吉といえば15代続いた歴代将軍の中でも、初代家康は別として8代吉宗とともに将軍親政を敷こうとした数少ない将軍の一人。「切開」「縫合」では幕府の権力を手中にしていた執政たちとの確執から発生した事件を題材にしてある。それに続く「解毒」では、綱吉を毒殺せんとする事件の究明を命じられた良衛の活躍が描かれている。将軍を亡きものとしようとする者は果たして誰か?良衛に次々と襲いかかる刺客の魔の手。医師にして名うての剣の遣い手良衛は、襲い来る魔の手を払いのけ、みごと"毒を解く"ことができるだろうか・・・。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年03月09日
日本は狭いようで広い。それぞれの地域に住む人々にはその地域に根ざした生活や習慣があり、独特の文化を形成しているといえます。わが国の主都東京は、その昔江戸と言ったのは知らぬ人はいませんね。その東京で親子三代生まれ育ったものを江戸っ子と呼ぶこともよくご存知でしょう。「ってやんでぇ~、こちっとらぁ~江戸っ子だい。そんなまどろっこしいこたぁ~、我慢ならねぇ~」粋でいなせで情にもろく、細かい事にはこだわらない。意地っ張りで喧嘩早いかと思えば普段駄洒落ばかり言って愉快がっている。・・・う~む、なかなか憎めない性格ですね。(笑!さて江戸っ子の気質は分かったとして、それではどうして「江戸っ子」と言うようになったか、ご存知でしたか?江戸っ子の由来について、時代小説の巨匠柴田練三郎が「江戸八百八町物語」で解き明かしています。なんと旗本の中の旗本、時代劇で有名なあの大久保彦左衛門が、「江戸っ子」の名づけ親だというのです。【中古】 江戸八百八町物語 / 柴田 錬三郎 [文庫]【あす楽対応】価格:251円(税5%込、送料別)家康から秀忠の御世となり次第に平穏無事な時代に移って来ると、彦左衛門のような功名槍一筋に生きた戦場武者は、幕府にとってすでに無用の長物。彦左衛門の不幸は、戦雲あわただしい時勢から、吹く風が枝も鳴らさぬ太平の時勢にまで生き延びたことであったと、筆者は書いています。齢70歳を迎えても家督を譲るべき息子を持たぬ彦左衛門は、隠居願いも出すわけにもいかず、古稀を迎えたからには毎日登城するのも大儀であろう故、気ままにせよと下命されても、毎日出仕し続けたそうです。しかし、さすがに70なかばを超えると登城もままならず、日長一日屋敷で暮らす日々であったと。そんな彦左衛門の退屈しのぎに町人を屋敷に引き入れ、彦左衛門が町人たちに昔の武勇話を聞かせたのが、そもそも「江戸っ子」の由来につながったというのです。彦左衛門が町人たちに語った太閤秀吉の九州征伐の話。秀吉の弟大和大納言秀長を大将とする豊臣勢9万余を迎え撃った、薩摩島津の将兵はわずかに2万余。死を覚悟した薩摩の将兵の腕には、皆「今月今日討死、何の何某」と入墨がしてあったと彦左衛門が町人に聞かせたところ、町人たちが打ち揃って彦左衛門にこう願い出たというのです。自分たちは駿河から御旗本衆について江戸に出てきたもの。この城下に子々孫々まで住みつく覚悟である。自分たちが他国者たちと違っている徳川譜代の町人だという誇りを持ちたいので、その名前をつけてくれ。そうすればそれを腕に彫って証としたいと。しばし瞑目した彦左衛門が、「江戸っ子、というのはどうだ」と言うと、町人たちは歓声を上げたと。以来、町人の間に腕に「江戸っ子何某」と刺青して得意になる風潮が、彦左衛門の屋敷があった神田駿河台一円にひろがったのだと。そうするとたとえ親子三代さかのぼって東京生まれといっても、「江戸っ子」とはいえないのかも知れませんね。譜代の旗本と同じように三河以来、駿河以来の出というのが大事な要素ということになる。・・・ということは、江戸っ子は「三河っ子」、「駿河っ子」ということになるのでしょうか?もしそうなら、冒頭にあげた江戸っ子の啖呵はこうなるんじゃないかな。「なに言っとるだぁ~、俺っち江戸っ子だら~。そんなまどろっこしいことぉ~、我慢ならねぇ~ずらぁ~」いや、これは江戸っ子じゃないですね。(爆笑!◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月26日
お奨めの一冊、「怪しい日本語研究室」我々は日本人ですから、当然のことながら意識せずに日本語を使いますが、これを外国人の目から見たら、これほど"怪しい"言葉はないと著者は主張しています。カナダ生まれの日本語研究家イアン・アーシーさんが、我々ネイティブの日本人には気がつきにくい、愛すべき日本語の使い方をおもしろいほど痛快に指摘してくれています。【送料無料】怪しい日本語研究室 [ イアン・ア-シ- ]価格:1,470円(税込、送料込)その筆頭が、わざわざわかりにくい表現を使う役所の文書。・・・と言われても、皆さんは何のことなのかピンと来ますか?それでは具体的に見ていきましょう。この国を動かしていると自認している霞ヶ関の官僚が多用する言葉、それは「整備」と「主体」。「パソコンを買って来る」と言えばすむところを「パソコンの整備」と言うし、道端に木を植えることは「街路樹の整備」、「働き口を増やす」ことを「就業機会の整備」のごとく。さらに「人」などとあまりにも簡単な言葉は、けっして使わないのがお役人だとも。すなわち管理する人を「管理主体」。経営する人なら「経営主体」のごとく。なるほど、ここまで来れば何となくイアンさんのおっしゃっていることがおぼろげに分かってきますね。ではこれを踏まえて、実際の役所の文書に出てくるという次の例文を判読してみてください。イ)非自発的離職求職者ロ)各主体の自主的対応尊重ハ)人的資本の流動性拡大のため、環境整備を行うニ)平均的な勤労者の良質な住宅確保は困難な状況にあるホ)自然ふれあい型の余暇活動への志向が高まってきているう~む、こう書かれてしまうと霞ヶ関のお役人は難しい仕事をしているなと思ってしまいますよね。ところが、イアン流に翻訳すればこんなに簡単。だれにだって何のことなのかすぐ分かる。イ)クビになって仕事にあぶれている人ロ)みんな勝手にやればいいハ)転職しやすくするニ)普通のサラリーマンは家を買えないホ)外で遊びたい人が増えた極めつきが官僚の"整備文"を応用した政治家の国会答弁。「制度を整備した上で措置します」は、「少しあとでやります」または「しばらくやれません」(涙!日本人以上に日本語をよく知る怪しいガイジン、イアン・アーシーさんに「あっ晴れ!」拍手喝采を送ります。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月17日
お奨めの一冊、「東京・江戸地名の由来を歩く」 (谷川 彰英著 KKベストセラーズ)染み深い東京の地名についてその由来を教えてくれる。たとえば東京には「坂」のつく地名や「橋」や「水」に関係する地名が多いですね。江戸といわれた当時の歴史にまつわる地名の由来を知ることが出来て、歴史ファンには書かせぬ一冊といえます。【送料無料】東京・江戸地名の由来を歩く [ 谷川彰英 ]価格:893円(税込、送料込)第2章 「東京の橋を訪ねて」より、旅の起点「日本橋」に興味を抱き実際に現代の日本橋を訪ねてみたという筆者。実はかって私も同様な思いから、東京へ所用で出かけた折に、日本橋を訪ねてみたことがあります。田舎者の私のことです。地下鉄浅草線に日本橋という駅がありますから、そこで降り立って地上に出ればそこが日本橋だろうと思ったのでしたが・・・。そこは高速道路の高架橋が幾重にも覆いかぶさるようにまたがっており、それが陽を遮って陰をつくり、ただただ薄暗く、絶え間なく走って行く車の騒音と振動が身を震わすばかり。ここがかっての江戸の中心地であったとは、とても思えないものでした。本書によれば、江戸時代にはこの日本橋に江戸前の魚が集められ、魚河岸として栄えたとあります。今の築地に魚市場が移ったのは昭和の初めのことで、関東大震災により東京が破壊された後のこというのも初めて知りました。時代劇に登場するあの有名な一心太助も、この日本橋から魚を大久保彦左衛門の屋敷に運んだのでしょうか。冷蔵庫もなければ、氷もない。当然のことながら運ぶ車もない。あるのは天秤棒と魚屋の心意気のみ。「どいた、どいた~っ!もたもたすんじゃねぇ~やぃ!魚が腐っちまわ~ぃ!!」・・・・高速道路を行きかう車の騒音の合間に、確かに太助の声が聞こえたような気がしたのでした。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月13日
一昨日はお奨めの一冊『大江戸観光 』( 杉浦日向子著 筑摩書房)より、 将軍の日常生活(江戸城中奥)について見て参りました。絶大なる権力を保持した徳川将軍も、意外や三日もやったらイヤになる・・・というお話でしたが、それでは大奥ではどうであったか?同じく『大江戸観光 』より探ってみたいと思います。【送料無料】大江戸観光 [ 杉浦日向子 ]価格:546円(税込、送料込)江戸城大奥といったら、まるで将軍のハーレムのようなイメージを抱いてしまうのは、何も私一人に限ったものではありますまい。でも、それはテレビドラマの見過ぎというもの。「大奥」・・・そう、あの岸田今日子のナレーションで有名なあのテレビドラマのことですよ。実際は、女の園と言っても、殿方が羨むようななまめかしいものではなく、大奥へ入る時の将軍は、単一民族の島国へ漂着したガイジンのような心持ちであったろうと、杉浦さんは断じておられます。そもそも将軍が奥に入れる日は、先祖の命日等を除いた平日で、公務の忙しい時は当然行けませんから、月のうち10日前後も入れたらいい方であったろうということです。 しかも大奥は表(政務を司る男の世界)と違って、そこに仕える3000人にものぼる独身女性は、将軍の御台所(即ち正妻)とそれに仕え大奥を実質的に差配するお局と呼ばれる老女の支配にあり、将軍といえども決して意のままにならなかったというではありませんか。そして、奥へ来た将軍にとっての最大無二の任務も、やはり御台所方と御老女の采配の下に展開されたのだと!ここのところが非常に重要ですので、もう少し具体的に説明しますと、即ち、将軍のお相手をする「ご当番」は、御台所や御老女に気に入られている大奥職員(笑!)であり、将軍個人の好みは、だいたいにおいて考慮されることなどなかったのですって!さらに、お坊ちゃま育ちが多かった表の管理職の面々(男ども)と違い、大奥に君臨したお局様様がどれだけエラかったかというと、最高管理職の御老女(決して老人であったわけではありません)ともなると、表の老中なんぞをハナからガキ扱いしたというのです。将軍でさえ、大奥にいる時にふと縁側に出て、向こうに御老女の姿を認めると、そっと座敷へ戻って座り直したというのですから・・・!大奥でくつろぐと言うよりは、ただひたすら将軍として自分に与えられた本来の仕事(・・・??)をたんたんとこなす将軍の姿を想像してみてください。前回お届けした中奥(なかおく)以上に、切ないものが漂ってまいりはしませんか?そこで一句お相手の好みぐらいは言いたいな (大爆笑!お粗末でしたっ!◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月11日
2月5日と2月6日にわたり、お奨めの一冊『徳川将軍家十五代のカルテ』(篠田達明著 新潮社)より、徳川15代将軍の位牌の高さと背丈の関係について話題にして来ました。とりわけ5代綱吉の身長には興味がひかれるところです。さてその綱吉ですが、初代家康は別として、幕政の諸問題に関して自ら判断を下そうとしたといえるのは、この綱吉と8代吉宗くらいのもの。残りの12人の将軍は、いわゆるご政道にかかわることは幕閣にまかせっきり。4代家綱などは老中が上げてきたもの全てに「そうせい」と言ったことから、「そうせい」将軍と揶揄されたとか。絶大なる権力を保持したといわれる徳川将軍ですが、時代が進むにつれて形骸化し、ある意味幕府権力の象徴的な飾りとして存在していたと言えそうです。そんな将軍の日常はどうであったかを教えてくれるお奨めの一冊があります。『大江戸観光 』( 杉浦日向子著 筑摩書房)より、意外や将軍は三日もやったらイヤになるという話題。【送料無料】大江戸観光 [ 杉浦日向子 ]価格:546円(税込、送料込)・・・本題に入る前に、杉浦さんがお調べになった「旧事諮問録(きゅうじしもんろく)」という記録書から、お話したいと思います。この記録書は、明治になってより当時の明治政府が編纂した歴史書からこぼれ落ちてしまう事実を当事者(江戸時代幕臣)から聞きだし、書き綴った書物なんだそうです。副題に江戸幕府役人の証言とあるごとく、上は将軍の側近から下は同心まで、一問一答形式で質問者の問いに答える形式で書かれているとのこと。杉浦さんは、この「旧事諮問録(きゅうじしもんろく)」に載っている、14代将軍徳川家茂のお小姓を勤めていた人の証言に注目されたのです。Q 平生の服は、始終新しいものでありましたか。A 以前は新しいものでありましたが、しかしずいぶん汚れたものもありました。(中略)Q 御酒は如何。A 決まって召し上がりはいたしません。平日はただご飯だけでありました。・・・(中略)と申して、まったくお嫌いでもなかったのでありますが、やはりお一人の御酒盛りゆえ、自然御興(ごきょう)も薄き道理でございます。(中略)Q ご飯は普通の炊(かし)ぎでありましたか。A ご飯は蒸飯(むしめし)であります。米をザルにとりまして、沸騰する湯の中に入れて煮上げ、さらにそれを釜にて暫時蒸すのであります。味はいたって淡白のもであります。(中略)Q 三度の御食事の器物はいかなるものでありしや。A 器物は粗末の品にて、椀のごときは世間に売っている普通の外側の黒い、内側の赤い色の椀でありました。(中略)Q 中奥(将軍の住居)にては、何か遊戯はありませんか。A お遊びはありません。元旦から大晦日まで同様であります。元旦のごときは、諸大名が参内するとかいうようなわけで、遊ぶ暇がありません。なかなか繁劇なもので、遊ぶどころではありません。・・・ふ~む、確かに酒盛りは一人では楽しいはずがありません。湿った暗ぁ~い、ため息の一つも出ようかという雰囲気になりますよね。そもそも江戸城は将軍の家であったわけですが、自分の家だからといって、どこでも自由に行けるものではなく、隣室に行くにも責任者へ事前通達がなければ、勝手に廊下も歩けなかったと!一年365日束縛され、何一つ自分の思ったままに行動することができない生活であったということです。そんなシチュエーション下でのとある日、将軍とその近習の会話。もちろん私流の創作でありますが・・・。「誰かある。」「ははっ、いかがあそばされましたか。」「・・・予は、・・・厠(かわや)に参りたく思う。」「しばし、お待ち下さりませ。ただ今申し伝えますほどに・・・。」 ・ ・ ・「・・・いかがいたした。・・・えぇ~い、早よういたさぬか、事は急を要するぞ。。。」将軍ってかわいそう、おしっここらえるのって体に良くないですよね。(爆笑!なるほど、3日どころか一時でもイヤです!◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月09日
昨日はお奨めの一冊、「お江戸でござる」(杉浦日向子著 新潮社)より、江戸が優れたリサイクル都市であったことをご紹介しました。江戸時代も中頃以降は江戸の街並みも次第に整備され、そこに住む人々も根っからの江戸生まれの町人や、地方からやってきて上屋敷にすむ大名の侍たち、商人や職人たち、老若男女が生き生き暮らしていたと杉浦さんはおっしゃっています。ところで、江戸は現代の東京であることは誰でもご承知のこと、あえて言うまでもありません。それではなぜ「お江戸でござる」のごとく、「お江戸」と言うのでしょう?では、「お東京」と言いますか!? 言いませんよね。・・・なぜか??これはあくまで私の勝手な解釈なので、ご了承の上お読みください。人気時代劇『水戸黄門』のお決まりのラストシーン。「助さん、格さん、もうよろしいでしょう」「はっ、・・・え~い、静まれ!静まれ~ぃ!この紋所が目に入らぬか!」「このお方をどなたと心得るっ!先の副将軍水戸光圀侯にあらせらるるぞぅ~っ!」「一同の者、ご老公の御前である!頭が高い!控えおろうっ!!」・・・と、ここにもでてきますね。ご老公の『御前』に使われる「御」の字。「お江戸」もこれと同じ意味合いを持つのではないかと思うのです。即ち、将軍に関係する物・場所などには、すべて「御」という字を頭につけて、「お」または「ご」と呼ばせるのです。将軍が住むところが、お城であり、御館。将軍が座る場所は、御上段の間。将軍が通れば門が御成り門になり、橋も将軍が渡れば御成り橋となる。もうお分かりですね、将軍が住む町だから江戸ではなく「お江戸」となるのです。明治になり、遷都と相成った。京からお上が江戸にお下りになり、将軍がかって住んだ「お城」にお暮らしになることとなった。しかし、もはや「お城」ではなく、皇居とお呼びしますね。「お江戸」も東京となり、将軍はもういませんから、東京に「御」をつける必要もなくなった。・・・だから、「お東京」などとはけっして呼ばないのじゃないの???◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月08日
お奨めの一冊「江戸川柳で現代を読む」から、 当時の江戸は世界に類を見ないリサイクル都市であったことを見てまいりました。古着や傘はもちろん、修理のできない鍋釜、ちり紙、障子の破れ紙、かまどの灰まで、ありとあらゆるものを取っておけば、専門の業者が長屋を巡ってきてはそれらを回収し、いくらかの代金を払ってくれた。長屋の共同トイレの糞尿は、貴重な有機肥料として高く売れた。そのことを羨んで長屋の住民が詠んだ川柳は秀逸の一語につきますね。これに関連して、物質文明にどっぷりと浸かった現代には見られぬ"心豊かな生活ぶり"を窺い知ることが出来るこんな江戸川柳を一首、「お江戸でござる」(杉浦日向子著 新潮社)からご紹介したいと思います。【送料無料】お江戸でござる [ 杉浦日向子 ]価格:515円(税込、送料込)焼き接ぎ屋 夫婦喧嘩の角に立ち茶碗が割れたからといって、捨ててしまうのが現代人。ところが、江戸人は、しっかり取っておいて「焼き接ぎ屋」がやって来るのを待つのです。おそらくこんなやり取りが長屋の辻で交わされたのでしょうね。「割れ物は、ないかぇ~、焼き接ぎ屋でござぁ~い」「ちょいと、この茶碗接いでおくれっ!」「あいよ、・・・御かみさん、派手にやりやしたねぇ~」「そうとも、ったく、うちの宿六ときたら。・・・イヤだねぇ~、何を言わせるんだい」白玉粉と呼ばれた粉(今でいう水酸化カルシウム)にフノリと粘土を加えたもので、割れた瀬戸物を接着して、熱を加えて焼き接ぎ、元どおりに修正してくれるのが、「焼き接ぎ屋」さんというわけ。商売上手の「焼き接ぎ屋」は、夫婦喧嘩のあとにやって来たというのが、先にあげた川柳だったのです。なるほど、感性豊かな江戸人の生活は、『ゆ・た・か』に相違ありません。私も叶うことならば、そんな長屋の角に立って、住人の様子を窺ってみたいものです・・・。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月07日
徳川幕府15人の将軍の位牌を調べれば、将軍の背丈がわかる?昨日に引き続き『徳川将軍家十五代のカルテ』(篠田達明著 新潮社)より、ネタを拝借いたします。【送料無料】徳川将軍家十五代のカルテ [ 篠田達明 ]価格:714円(税込、送料込)位牌の高さが、身長を表す・・・??? というお話。篠田先生がお調べになった6人の将軍の位牌の高さと遺骸の身長の実測値がほぼ一致するところをみると、歴代の幕閣がいかに家康の遺命に忠実であったかが窺えます。篠田先生の説に従えば、徳川家康の身長は159cmであったと推定できるのです。4歳で将軍につき、8歳でよう逝した七代家継の身長(135cm)は別として、歴代の将軍はみな150~160cm、当時の平均身長におさまるのですが、一人だけ不自然な高さの位牌を持つ将軍がいる。元禄時代に将軍であった五代綱吉。この綱吉の位牌の高さは、ナント124cm!?そしたら、将軍綱吉は身長124cm???・・・綱吉だけちょっとおかしいのじゃないの?これは、なにかの間違いでしょう?そう思っても不思議ではありませんよね。ところが、篠田先生は神君家康公の遺命に背くようなことを後の幕臣ができるはずがない、綱吉が亡くなったあとその身長を測り、位牌を正確に作ったに相違ないと断定しておられます。さらに父親の三代家光が157cm、母親の桂唱院146.8cmであったことを考えると、その両親から生まれた綱吉の背丈が小学校2年生くらいしかないのは、低身長症と断じて良いのではないか。成長ホルモン分泌異常による低身長症が一番疑われると。江戸城黒書院で将軍にま見えることができた者は、そんなに多くいたわけじゃない。下座に平伏してかしこまり、将軍の出座を待つ。「苦しゅうない、表をあげよ」の声に、恐る恐る顔を上げると・・・・、そこには子供のようにかわいい小さな背丈の将軍が鎮座していた・・・・。どうです、おもしろいでしょう!!ちなみに綱吉は、はしか(これって子供の病気じゃん)を患い体力を消耗したところに、食べた粥をもどしてのどに詰まらせ、あっけない最後を閉じたというのです。享年64歳であったと。果たして生類哀れみの令や赤穂四十七士による討入りで有名な元禄の御世に君臨した徳川将軍は、類いまれなる背丈の小さな将軍であったのでしょうか?**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月06日
突然ですが、江戸時代の人たちの背丈ってどのくらいだったかご存知?「そんなこと知るか!」ですって・・・?ごもっとも!でもそれを調べた先生がいらっしゃるのです。どうやって調べたか?ナント、徳川15代将軍の位牌の高さを調べたら、その将軍の背丈が分かるのですと言ったら、きっと皆さんは、飛び上がるほど驚かれることでしょう。『徳川将軍家十五代のカルテ』 (篠田達明著 新潮社)によれば、【送料無料】徳川将軍家十五代のカルテ [ 篠田達明 ]価格:714円(税込、送料込)「徳川の位牌は三河大樹寺に祀るべし」との家康の遺命を守り、以後代々の将軍が亡くなると、幕臣たちはその場で将軍の身長を測り、これと同じ高さの位牌をこしらえたのだそうです。今の愛知県岡崎市にある大樹寺の本堂には、その位牌が今でも安置されているのです。篠田先生は、その位牌の高さと東京芝増上寺に埋葬されている6人の将軍たちの墓が、学術調査により発掘されたときの死体の検証結果とを照らし合わせて、位牌の高さの精度を確認してみたというのです。う~ん、感心するというよりは、私なんぞはあきれ果ててしまいます。ちなみに篠田先生は、現役の整形外科医であり作家でもあります。先生の調べられた結果を以下に記しておきます。 位牌の高さ 遺体の身長二代秀忠 160.0cm 158.0cm六代家宣 156.0cm 160.0cm 九代家重 151.4cm 156.3cm十二代家慶 153.5cm 154.4cm十四代家茂 151.6cm 156.6cmこれを元に遺体を実測できていない将軍の身長も推測できようというものです。初代家康が159cm、五代犬公方綱吉が124cm(!?)、暴れん坊将軍(笑!)八代吉宗が155.5cmどうです! おもしろいでしょう!!当時の江戸市民(17・18世紀)の平均身長は、男で155cm~せいぜい160cmということになるのでしょうか。女はさらにそれから10~15cm低いでしょうから、145cm前後ではなかったかと思うのです。あの五代将軍綱吉が124cmというのは、なにかの間違いではないかと思われた方、・・・・実は私もそうでした。これについては、次回触れることにいたします。どうかお楽しみに♪◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月05日
お奨めの一冊「旧暦はくらしの羅針盤」 (小林 弦彦著 日本放送出版協会)【送料無料】旧暦はくらしの羅針盤 [ 小林弦彦 ]価格:714円(税込、送料込)昔日本では、時間が伸びたり縮んだりしたんです!えっ!? そんなバカな??・・・、江戸時代の話でしょ?そんな昔に、日本にもアインシュタインのような天才がいたんですか?ご存知アインシュタイン博士による相対性理論。絶対に変らぬものは光の速度だけで、時間は伸びたり縮んだりする。空間でさえ歪む。まったく、理解不能な理論なんですがね。江戸時代の時間の単位は、読んで字のごとく「時」(とき)。この「時」(とき)が、実は伸びたり縮んだりしたのです。昔の人は、日の出とともに起き、日が沈むと活動をやめた。何しろ電気などというものがありませんからね。日が暮れたら、することといったら、だいたい寝るだけと言った方がいい。そこで昼と夜とをそれぞれ六等分し、一日を十二分割して干支を割り振って時間を数えた。春分の日と秋分の日ならば、昼と夜の時間が同じだから、一時(いっとき)は今の時間だと2時間。ところが、夏至だと日照時間が長いから、昼の時(とき)は、2時間より長くなります。その逆に冬至は、昼の時(とき)が短くなり、夜の時(とき)が長くなるというわけ。当時の労働時間を明け六つから暮れ六つまでと考えると、冬至では10時間56分ですが、夏至では15時間52分となりますから、同じ一時(いっとき)でも、最大50分余りの違いが生じることになりますね。「お江戸日本橋七つ立ち~、初上り~♪」という有名な歌がありますが、これは江戸から京へ行くのに、日本橋を明け六つ前の七つに出立したことを歌っておりますね。ですから、そのあとの歌詞を見ると、「こちゃ高輪、夜明けてぇ~、提灯消すぅ~♪」日本橋を提灯の明かりを頼りに出立して、高輪あたりで夜が明けたと言っているのです。日本橋から高輪まで夜道を約2時間かけて歩いたのでしょう。・・・昔の人って、エライ!何も気取らず、そのままを歌にしておりますね。恥ずかしながら、この歌の意味がようやく分かりました。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年02月01日
今詠んでいる本上田秀人著 「御広式用人大奥記録5 血の扇」【送料無料】血の扇 [ 上田秀人 ]価格:651円(税込、送料込)時は八代将軍吉宗の治世。吉宗の命により御広式用人に抜擢された我らがヒーロー水城聡四郎(みずきそうしろう)の活躍を描くシリーズも本作で5作目。行き詰った幕府の財政を立て直そうとする吉宗が、矛先を向けた大奥。贅沢の限りを尽し、湯水のように金を浪費する大奥を縮小しようとしたがために、大奥とそれを取りまく利権者を敵に回すことになった吉宗。その大奥にかかわるすべてのことを取り仕切るのが御広式用人。吉宗の意を汲んで動く聡四郎は、その矢面に立つことになった。六代将軍家宣の正室天英院と七代家継の生母月光院が互いに反目し合い、吉宗を己が勢力を増強せんがための道具としか考えぬ大奥はすでに将軍のやすらぎの場ではなく、吉宗の目は五代綱吉が養女として京の五摂家から呼び寄せていた竹姫に向かう。はたして聡四郎は次々と襲い来る御広式伊賀者の刃を跳ね除け、竹姫を守り吉宗の意に応えることができるのか?一方流の遣い手水城聡四郎の繰り出す白刃さばきから目が離せません。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2014年01月12日
来年のNHK大河ドラマは「軍師黒田官兵衛」に決まったということもあるのでしょう、書店の店頭には「黒田官兵衛」に関する本が山積みされていますね。そんな中から手にした一冊。上田秀人著 「日輪にあらず 軍師黒田官兵衛」【送料無料】日輪にあらず [ 上田秀人 ]価格:1,995円(税込、送料込)日輪とは太陽のことを指す言葉ですが、黒田官兵衛が出てくるとなると、当然意味合いが違ってきますね。日輪の子、秀吉を指すと考えるのが一般的でしょうが、では「日輪にあらず」というのはどういう意味だろう?「秀吉は太陽の申し子ではなかった(天下を取る器量ではなかった)」と解釈すると、「黒田官兵衛こそが日輪であった」ということになりますね。「ご武運の開け給いしときぞ、よくなさい給え」官兵衛はほんとうに秀吉にそう囁いたのだろうか?ほんとうだとすれば、官兵衛こそが太陽の申し子と言えるかも知れませんが、上田の考えはそうでないように思えます。「官兵衛も日輪にあらず」と言っているのではないか?時は1500年代半ば、場所は当時播磨、摂津と呼ばれた阪神地方、そして備前、備中、美作と呼ばれた中国地方へ、「日輪」を探りに行きたいと思います。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2013年12月08日
今読んでいる本。上田 秀人著作「梟の系譜」【送料無料】梟の系譜 [ 上田秀人 ]価格:1,785円(税込、送料込)副題には「宇喜多四代」とあります。四代とは、能家(よしいえ)、興家(おきいえ)、直家(なおいえ)、秀家(ひでいえ)のこと。戦国武将宇喜多秀家の系譜を書いたものだと分かります。残忍で情け容赦のない人物を梟雄といいますが、宇喜多家四代に梟(ふくろう)にたとえられるような系譜があるとすれば、宇喜多家を再興した直家をおいてほかにありません。さて、これから時は1500年代中ごろ、場所は当時備前・備中と呼ばれた中国地方に「梟の系譜」を探ろうと思います。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2013年12月01日
今手にする一冊の本上田 秀人著 「百万石の留守居役 波乱」【送料無料】波乱 [ 上田秀人 ]価格:693円(税込、送料込)時は四代将軍家綱の治世、家綱が病弱で継嗣に恵まれないことから、五代の座をめぐって確執があったことは歴史の教えるところですが、いかに徳川の血筋を引くとはいえ外様大名を将軍に迎えようとする動きがあったとは驚きです。確か先代の家光が子供に恵まれなかった一時、従兄弟にあたる加賀四代藩主前田光高を四代将軍にしようとしたことがあったということは聞いたことがありましたが。その子家綱と綱紀の代になってそのようなことがあったとしたら・・・。上田はどのようなストーリーを展開しようというのか?若き加賀藩士瀬能数馬(せのかずま)に待ちうける運命は?副題に書かれた「波乱」の暗示するものは?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2013年11月17日
今読んでいる本「天主信長(裏)」 (上田秀人 著) 【送料無料】天主信長(裏) [ 上田秀人 ]価格:760円(税込、送料込)手にした本の表装をみると、中央に床机に座り苦汁の表情を浮かべている武将が竹中官兵衛か?その背後に後姿で仁王立ちに立っているのが、西洋マントを羽織っているところをみても信長に違いあるまい。副題には「天下を望むなかれ」と書かれていますね。これは天下統一を目前にして本能寺で散った信長のことを言っているのか、それとも類まれなる才能を持ちながらもその機会を自ら捉えようとしなかった官兵衛のことを指しているのか?
2013年10月16日
今読んでいる本上田秀人著 「お髷番承り候7 流動の渦」【送料無料】流動の渦 [ 上田秀人 ]価格:672円(税込、送料込)お髷番シリーズは今回で早くも7作目。将軍家綱が唯一絶対的信頼をよせる家臣、小納戸役御髪月代(おぐしさかやき)係深室賢治郎(みむろけんじろう)が今シリーズのヒーロー。御髪月代係とは、毎朝将軍の顔と月代を剃り、髷を結う、今日でいうところの床屋さん。ことの発端は、家綱に未だ子供ができぬことから始まった。若き将軍が健在にもかかわらず、早くも五代将軍の座をめぐって家綱の二人の弟甲府宰相綱重、館林宰相綱吉、さらに紀州徳川頼宣までが加わった三つ巴の暗闘が勃発する。江戸市中で次々と起こる不可解な事件、それを知った家綱は賢治郎に事件の全容解明を命ずるが、逆に賢治郎に巧妙な策略が仕掛けられる。我らがヒーロー深室賢治郎は、はたして二重三重に張り巡らされた罠をかいくぐり、家綱の信頼に応えることができるのか!?・・・ますます冴え渡る賢治郎の風心流小太刀から目が放せません。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2013年10月05日
今読んでいる本上田秀人著 「妾屋昼兵衛女帳面5 寵姫裏表」 寵姫裏表著者:上田秀人価格:680円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る人気時代小説作家上田が今シリーズ送りだしたヒーローは、剣術士でもなく武士でもない、一介の商人。ただし妾屋という少々怪しげな商売を営んでいる。当時奉公人や女中の就労の斡旋をした「口入屋」と呼ばれた商売(現代でいうところの人材派遣業、人材斡旋業か)の中でも、「妾」という特殊な人材に限って仲介したのが「妾屋」という商売。すなわち当時はそういう需要があり供給側もそれを満たすだけのものがあったということでしょう。主人公山代屋昼兵衛はそんな生業を営む商人。ことの発端は仙台藩主の側室であった八重(やえ)という女を扱ったことから始まる。一方元仙台藩士で八重付きであった大月新左衛門は、八重に密かな思いを抱きながらも今は一介の素浪人。昼兵衛の用心棒として日々の生計をはかる。時は11代将軍家斉の治世。家斉の継嗣竹千代夭逝にまつわる陰謀を探ろうとする家斉の側近林出羽守の要請で、八重を大奥に上げることになった昼兵衛。八重が大奥で見たものは・・・。そして昼兵衛と新左衛門がついに炙り出した黒幕とは?次々と昼兵衛に襲いかかる魔の手。息もつがせぬ展開に時を忘れます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2013年09月30日
「東京人は地下より地上を歩きたがる」ってご存知でしたか?本日の日経コラム「春秋」の冒頭に引用されていました。東京人は名古屋人になりきれるか?答えを先に言えば、否。言葉は完璧に名古屋になれても、名古屋人から言わせれば、「東京人は地上を歩きたがるだでぇ~」すぐ分かるのだそうです。清水義範著のユーモア小説 「蕎麦ときしめん」(講談社文庫)からの引用とありました。【送料無料】蕎麦ときしめん [ 清水義範 ]価格:470円(税込、送料込)そんな小説があるとは知りませんでした。蕎麦といえば東京だろう。きしめんといえば名古屋に決まっとるがねぇ~。(← 一応名古屋弁 笑!)これは東京と名古屋の食分化を題材にした小説か?ユーモア小説と紹介されていますね。おもしろそうじゃないか?「蕎麦」「きしめん」と書かれていれば、商売柄なおのこと見逃すわけにはいきません。・・・というわけで、楽天ブックスで早速購入。内容については、熟読後またお知らせします。お楽しみに・・・♪◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2013年09月06日
今読んでいる本「表御番医師診療禄2 縫合」(上田秀人 著 角川文庫)【送料無料】縫合 [ 上田秀人 ]価格:620円(税込、送料込)時は五代将軍綱吉の時代。江戸城では綱吉の治世に刃傷事件が2件起きていますね。一つは浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかった刃傷松の廊下事件。後に赤穂浪士による討ち入りの原因になった有名な事件です。もう一つは大老堀田正俊が、若年寄稲葉正休に将軍御座所に近い御用部屋の溜まり廊下で惨殺された事件。稲葉正休自身も他の老中たちに切り殺されてしまった。殿中ではいかなることがあっても抜刀してはならないのが定め。脇差の鯉口を切っただけでも身の上は切腹、お家は取り潰しが家康以来の定め。この定めからすれば、稲葉正休を切り殺した老中たちも厳罰に処せられねばならないはず。それが稲葉家の改易だけで何ごともなかったかのように事件に終止符が打たれたのはなぜか?事件当日当番として城に詰めていた表御番医師矢切良衛(やぎりりょうえい)は、本来なら外道(外科)担当の自分こそが堀田正俊の治療に適任のはずが、どうしてわざわざ本道(内科)の医師が呼ばれたか疑問を抱いた。自分が治療にあたれば少なくとも延命は出来た。襲われた経緯についても堀田正俊本人の口から聞けたはずだと。時の大老が殿中で若年寄に惨殺されるという事件の裏に潜むものはなにか?一連の騒動の裏には、将軍綱吉を巡る男たちの様々な思惑が交錯していることがあぶり出されて来る。覗いてはならないものを切り開いて覗いてしまった(一話「切開」)表御番医師矢切良衛に、次々襲い来る至難の数々。良衛はそれをどのようにして退け、切り口を閉じよう(二話「縫合」)というのでしょうか?◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**
2013年08月27日
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