クルマ、バイク、鉄道模型など趣味で人生を楽しむ

クルマ、バイク、鉄道模型など趣味で人生を楽しむ

2024.07.31
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テーマ: 伝統芸能(30)
カテゴリ: 文化
​​​​皆さん、​「文楽」の人形浄瑠璃をご覧になったことはありますか。
歌舞伎とともに日本の伝統芸能の一つですが、物語りと人形劇の合体として徳島、淡路で発祥し、竹本義太夫が義太夫節として ​​​ 太夫・三味線・人形が一体となった演劇の ​​​ 基本形を整えて大阪で興行を行ったのが始まりと言われています。その後、江戸時代初期に ​​​は大阪の道頓堀周辺で多くの芝居小屋が集積し、その中で明治時代まで残った有力な「文楽」座が人形浄瑠璃の代名詞になった経緯があります。​
私は今まで一度も観たことがなかったので、人生を幅広く楽しむ一環として、今回夏休みの特別企画として親子、夫婦など初心者向けの解説が盛り込まれた特別公演に行ってきました。

なお、歌舞伎に関しては、別稿の「歌舞伎事始め 鑑賞教室に参加」をご覧ください。
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202405120000/


場所は大阪市中央区の日本橋にある国立文楽劇場です。1984年竣工でこの2024年が40周年になります。




今回は第一部の「ひょうたん池の大なまず」と「西遊記」を鑑賞しました。公演の途中にも解説セッションがありますが、参加した団体企画により、公演後に別室でさらに詳しく解説いただきました。




​1階はホールや案内、ショップが並んでいて、劇場は2階になります。 ​​


2階には劇場入口前に休憩スペースがゆったり取られていて、弁当なども食べられます。




歌舞伎に刺激されて、人形浄瑠璃も宙乗り用のケーブルが設置され、当日の演目「孫悟空」では実際に人形と人形師が一緒に宙乗りになって、大変そうでした。


​舞台の模型です。向かって右側に「床 (ゆか)」と呼ばれるスペースがあり、そこへ語りの大夫と三味線奏者が並んで座り、舞台正面では浄瑠璃人形が3人1組の人形遣いによって操られます。​

大夫が語る台本です。小唄や長唄のように抑揚を付けて語ります。


台座は折り畳み式になっています。


1部700円のパンフレットを見ると、演題のあらすじ解説や台本(床本集)が入っているので、舞台の流れがよく理解できます。




床本集の台詞は公演中も舞台の上の電光掲示板に表示されるので聞き取りにくい場合は視認できます。


三味線は演目によって何本編成になるかは異なります。大体1名ー4名の奏者編成のようです。


浄瑠璃人形は頭(かしら)が小さく、10頭身はありそうですが、舞台で見ると違和感はなく、逆に6-7頭身で作ると顔が大きく見えすぎてバランスが悪くなるそうです。


浄瑠璃人形は3人遣いで頭と右手を担当する主遣い(おもづかい)と、左手遣い、足遣いが分担し、主遣いの頭の動きが合図となって動作の呼吸を合わせるそうです。






下の握り部分は鯨のひげを使ったばねで支えられています。からくり人形とよく似ています。


木曽ヒノキから作られており、目と眉毛、口が動くほか、役柄に応じて舌を出したり、妖怪のような形相変化ができる構造になっています。






舞台の高さと人形の大きさに応じて人形遣いは高下駄を履いて浄瑠璃人形を操ります。人形遣いは様々な高さの下駄を10足前後持っているそうです。


歴史的には人形一体を一人で操っていた時代もあったそうです。3人編成で基本人形遣いは黒衣を着ていますが、主要場面で主遣いのみ「出遣い」(顔出し)で操ります。これは世界的にも非常に珍しい形態だそうです。






左手遣いは人形から少し離れて操るので、両手を合わせるような動作など、主遣いと呼吸を合わせるのが難しそうです。

​妖怪の形相に変化した姿です。上の普段の顔写真と比べて下さい。精巧に出来た人形で顔の継ぎ目が目立ちません。​

主遣いになるには40年近い修行がいるそうですが、毎年研修生を一般募集しており、今年は3名の応募があったものの、一昨年はゼロだったそうです。


人形遣いの面々です。


体験操作をさせていただいているところ。




女性らしい歩き方の指導を受けているところ。内股で膝を離さない動作は歌舞伎の女形と基本同じです。


歩きながら一周しているところ。やはり、3人の息を合わせるのがかなり大変そうでした。


1階の売店には各種お土産や菓子、弁当が販売されていました。










帰りには当日西遊記で出演した孫悟空の浄瑠璃人形がお見送りしてくれました。


公演中の館内では撮影禁止でした。


当日は第一部のみ観劇しましたが、夜の第三部になると近松門左衛門の「女殺油地獄」のようなストーリが複雑で登場人形も10体近くになり、にわかに理解するのは難しそうです。熱心なファンの方は1演目を3回くらい観劇されるそうです。





中々興味深い体験でした。本格的な演目も観てみたいと感じました。
なお、解説のイヤホンも貸してくれるので(本体端末は保証金返還、イヤホンは買取)、聞きながら観るのもいいように思います。外人客も結構楽しんでいる様子でした。

皆さんも一度、体験をお薦めします。


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Last updated  2024.08.13 16:20:22
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