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2019.01.27
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カテゴリ: 雑記
子供の頃、何になりたかったのか。
お菓子屋さん、ケーキ屋さん?
当たり障りのない子供らしいものを、大人が喜ぶような答えを、問われるままに出していたような気がする。
何かになりたいなんてことはなくて。
何になれるとも思っていなくて。
そういえば、花嫁さん、なんてものは一度もリストに上がらなかったな。

「輪るピングドラム」というアニメがありまして、そこで言うのです。
「きっと何者にもなれないお前たちに告げる、ピングドラムを手に入れるのだ。」と。
最近この台詞が、頭をよぎります。


輪るピングドラム(上) [ 幾原邦彦 ]

大人になり、大多数の「何者にもなれなかった」私たちは、何を手に入れるべきなのかと。
そしてもし、自分が中高生やら若人に告げるとすれば、それは何なのか。

で、結局それは、在り来たりで陳腐で手垢の付いた言葉の、「愛」なんじゃないかって、思ったりするのです。

きっと何者にもなれないお前たちに告げる、「愛」を手に入れるのだ。

それは、親だったり、友人だったり、子供だったり、ペットだったり。
仕事だったり、趣味だったり、とにかく何でもいい。愛すること。
それだけで、きっと、報われる。
生まれたことは。生きてきたことが。死んでいくことが。

ということを、アニメの最終回でも言ってるんですけどね。
「私たちは、愛するためにこの世界に残された」。



先日、ふと、皿洗いをしながら、思いました。
私は今、子どもの頃から欲しかったものを有り余るほど手に入れて、望むことすら出来なかったくらい幸せなんだ。
愛されること。愛すること。
ずっと渇望しながら、私が願うようには与えられなかったもの。
その代償に、神さまが報いてくれてたんだ。


娘や、息子。
彼らが成長していくなかで、どう思うかは分からない。
私がそうだったように、愛情が足りないと思うかもしれない。
親が一生懸命でも。大人は忙しすぎるから。他に気を払うべきことが山のようにあるから。
罪悪感に言い訳をして、見ない振りをして、日常を回していく。
子供はどんどん大きくなる。取り返しが付かないほど速く。

だから今、皿洗いをする私にまとわりつく子等に。

「いま、お皿洗ってるでしょ!」
「後にして!」

と同じように、

「あなたのことが大好き!」
「なんて可愛いの!」

そう言えたら、何かが変わるのかもしれない。

イライラする前に、カオスな状況を面白がってみる。
口に出して言ってみる。娘からも返ってくる。
そうしたら、子どもがどんどん可愛く見えてきました。

「大好き」

愛しているよ。
君たちがいつか、それを疎ましく思い、離れる日が来るとしても。
足りないと悩み、人生に惑い、苦しむことがあるとしても。

君たちがいることで、私は人生を手に入れたんだ。
きっと何者にもなれないけど、君たちのお母さんになれたから。

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最終更新日  2019.07.01 21:35:30
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