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2022.04.12
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テーマ: 読書(8559)

本のタイトル・作者



私はイスラム教徒でフェミニスト [ ナディア・エル・ブガ ]

"La sexualité dévoilée: Sexologue, féministe et musulmane"
by Nadia El Bouga & Victoria Gairin, 2017

本の目次・あらすじ


日本の読者のみなさんへ―――コロナ禍を経て、伝えたいこと。

「今夜は…」
父が泣いた日
バベルの団地
UFO

祖父は、助産婦
世界で一番古い職業
北アフリカのフェミニスト
診療室1
伝説のアイシャ
アダムとイヴ
診療室2
イスラムで忘れられた女性たち
「女はおもちゃ、良いものを選べ」
12平米のアパルトマンに4人で暮らす
ママとミッテラン大統領

ブジェナ先生とシラク市長
ピガールのモーリセット
楽園を追い出された悪魔
「足を閉じて、ちゃんとしなさい!」
診療室4

診療室5
封印されたセクシュアリテ
ヴァギナとの対話
診療室6
むかしむかし、生命は……
「子殺しに加担するの!」
イスラムの啓蒙主義
コーランは快楽への呼びかけ
診療室7
私が見なくてすむように、スカーフを隠しなさい
暴力を粉飾する
お茶にする?
「二件の伝言があります」

訳者あとがき

引用


「フランスは学ぶことの本当の価値を認めてくれるところ。それはとても大切なことだ」と父は語っていた。とりわけさまざまな地域からやってくる子どもたちにとって、と私は心のなかでつぶやいた。


感想


2022年088冊目
★★★

タイトルに惹かれて読んだ。
表紙を見て違和感があった。
私の中に、「スカーフを被っている女性」(敬虔なムスリム)が「フェミニスト」であるということについてのギャップを受け入れていない部分があるのだと思う。
それは両立しうることなのに。

イスラム圏で生まれ育った人かと思ったら違った。
両親はモロッコ出身のフランス移民。
著者は、助産師で、セクソローグ(性科学医)で、ラジオのパーソナリティーで、二人の子を持つ母で、フェミニストで、コーランの再解釈とフランス語訳に取り組む敬虔なムスリム。
彼女が20歳を前にスカーフを身に着け始めたのは自らの意志だ。
父親はフランスでスカーフを被ることの意味について娘に説き、泣いた。

ふたつの文化圏で生まれ育つことについても興味深く読んだ。
モロッコ…すごいところ!
「恥」の文化により人々は統制され、抑圧される。
夫に殴られた跡をメイクで隠す講座、なんて。

イスラム教に詳しくないので、後背位が禁止されてるとか、アナルでのセックスが禁止されているというのも初耳。
後背位については、ヒジュラ(メッカとメディナの大移動の時代)で、メディナには大勢のユダヤ人が住んでおり、彼らは古くから後背位で出来た子供は斜視になると信じていたのだそうだ。
へえー!

イスラム教が広まった時代に必要とされていたことが、今とは異なることも多いんだろう。
そこをどう折り合いをつけていくのだろうな。
彼女は、イスラム教は本来的に女性を抑圧していたものではない、と言う。
それは男性たちに翻訳され、解釈されるうちに誤って伝えられてきたのだと。

私は子供の頃から不思議だった。
なぜ、「かみさま」のようなものは、男なんだろう?
女から生まれたというなら、女のほうが「かみさま」という概念になりそうなものなのに。
それを貶め、賤しめたところで、誰もが女から産まれたという事実は消えてなくなりはしないのに。
「彼ら」はその痕跡を消し去りたいかのようだ。
自らは全きものとして初めから存在していたかのように。
「彼ら」は何を恐れているのだろう?

イスラム教、もっと色々知りたいな。
わたしが知らないことがたくさんある。
そしてそれが日常の人がたくさんいる。
それってどんな風なんだろう。

これまでの関連レビュー


13歳からのイスラーム [ 長沢栄治 ]




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最終更新日  2022.12.04 00:24:24
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